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[[File:Distress_Signals.png|thumb|遭難信号(<br/>・短い間隔で赤星[[信号弾]]をあげる。<br/>・[[霧笛]]([[汽笛]])を継続的に鳴らす。<br/>・船上で炎を焚く。<br/>・1分間隔で[[銃]]を撃つ。<br/>・オレンジの背景に■と●。<br/>・[[SOS]]信号を出す。<br/>・[[無線]]で[[メーデー (遭難信号)]]を呼びかける。<br/>・パラシュート付きの赤いフレアを焚く。<br/>・(北米やカナダ)何色でも良いから海洋染料を撒く。<br/>・[[国際信号旗]]のN(November)C(Charlie)を掲げる。<br/>・■と●の旗を掲げる。<br/>・[[手信号]]で左右に伸ばした腕を繰り返し上下にゆっくり振る([[マーシャラー|ヘリを誘導するサイン]]と混同されるためヘリの近くでは使用しない事。片手にタオルなどを持って頭上に大きく円を描き、近づいたらタオルを上下に振るでも良い)。<br/>・無線電信の警報を使用。<br/>・[[無線電話]]の警報を使用。<br/>・[[非常用位置指示無線標識装置]]を使用する。<br/>・オレンジ色の煙を焚く)]]
'''遭難信号'''(そうなんしんごう、{{lang-en|Distress signal)signal}})とは、救助を求めるための国際的に認識された手段で、[[無線]]通信によるほか、可視物体の表示や騒音音響その他の方法により信号を伝達する。
 
遭難信号の発信は、[[船舶]]、[[航空機]]その他において重大かつ急迫した危険に直面し、早急な救助・支援を要請する場合に行われる。目的以外での虚偽の遭難信号の発信は現地国の法令または国際法に抵触する可能性があて処罰される。
 
== 野外活動における遭難信号 ==
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== 日本における法令上の規定 ==
{{law|section=1}}
この節の引用の拗音、促音、送り仮名の表記は原文ママのままである。
 
===海上衝突予防法===
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#霧中信号器による連続音響による信号
#短時間の間隔で発射され、赤色の星火を発する[[ロケット弾|ロケツト]]又は[[榴弾]]による信号
#[[電信#電波型式としての電信|無線電信]]その他の信号方法による[[モールス符号]]の(SOS)([[SOS]])の信号
#[[電話 (電波型式)|無線電話]]による「[[メーデー (遭難信号)|メイデー]]」という語の信号
#縦に上から[[国際海事機関]]が採択した国際信号書(以下「[[国際信号書]]」([[:en:International Code of Signals|en]])という。)に定める[[国際信号旗|N旗及びC旗]]を掲げることによつて示される遭難信号'''NC''' [[File:ICS November.svg|20px|border]] [[File:ICS Charlie.svg|20px|border]]
#方形旗であつて、その上方又は下方に球又はこれに類似するもの1個の付いたものによる信号
#船舶上の火炎([[タール]]おけ、油たる等の燃焼によるもの)による信号
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:3. 遭難している船舶の船舶局の呼出符号又は呼出名称 3回
 
===施行規則第36条の2の各号===
その他総務省令で定める方法としては、施行規則第36条の2の各号に定められている。
#デジタル選択呼出装置を使用して、別図第1号に定める構成により行うもの
#[[インマルサ]][[船舶地球局]]の無線設備を使用して、別図第2号に定める構成により行うもの
#海岸地球局がインマルサト高機能グループ呼出しによつて行うものであつて、別図第3号に定める構成によるもの
#[[電波型式の表記法|F1B電波]]424kHz又は518kHzを使用して、別図第4号に定める構成により行うもの
#A3X電波121.5MHz及び243MHz又はG1B電波406.025MHz、406.028MHz、406.037MHz若しくは406.040MHz<ref>406.040MHzは平成23年総務省令第164号による施行規則改正により追加。</ref>を使用して、次に掲げるものを送信するもの
#*(1) A3X電波121.5MHz及び243MHzは、300Hzから1,600Hzまでの任意の700Hz以上の範囲を毎秒2回から4回までの割合で低い方向に変化する可聴周波数から成る信号
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注4 コード番号「14」であること。
 
===無線===
[[Image:Radioroom.png|thumb|right|200px|船舶の無線室に備えられていた[[時計]]。毎時0・15・30・45分から3分間の間に色が塗られている。赤は第一沈黙時間、緑は第二沈黙時間。]]
船舶の場合、従前はモールス符号の「[[SOS|{{overline|'''SOS'''}}]]」が使われていたが、1999年(平成11年)までに[[海上における遭難及び安全に関する世界的な制度|'''GMDSS''']]({{Lang-en|Global Maritime Distress and Safety System]](GMDSS)}}、'''海上における遭難及び安全に関する世界的な制度'''、''世界海洋遭難安全システム''とも)に移行し、もっぱら[[EPIRB]]が用いられる<ref>[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jime2001/42/5/42_5_858/_pdf GMDSS全世界的な海上遭難・安全システム](小林 英一、黒森 正一。日本マリンエンジニアリング学会誌 42巻 第5号(2007)p97-102)</ref>
上記の406.025MHz、406.028MHz、406.037MHz及び406.040MHzを用いる衛星非常用位置指示無線標識がこれである。
モールス符号は一部の[[漁業無線]]にしか使われなくなり、海岸局や義務船舶局では毎時15・45分から3分間(第一沈黙時間)は500kHzの、毎時0・30分から3分間(第二沈黙時間)は2182kHzその他の電波の聴守が義務付けられていたが、GMDSS移行時に廃止されている。
<!--電波法第64条に定められていたが、平成11年11月の改正電波法施行により削除された。-->
 
[[航空無線機|航空機の場合]]、121.5MHzと243MHz<ref>この2つは第二高調波と第二[[高調波#対語|低調波]]の関係にあり、どちらか片方の受信設備があれば両方聞こえる。121.5MHzは民間用で243MHzは軍用。</ref>が使われる。船舶の非常用位置指示無線標識(EPIRB)に相当する機器として[[航空機用救命無線機]](ELT)がある。
 
また、船舶・航空機の航行用[[レーダー]]に位置を表示させる{{ill2|捜索救助用レーダトランスポンダ|en|Search and rescue transponder}} (SART、[[:en:Search and Rescue Transponder|Search and Rescue Transponder]]) もある。Q0N電波9,200MHzから9,500MHzを用いるものがそれで、[[無線局免許状|免許]]には9,350MHzが指定される。([[遭難自動通報局]]も参照)
 
'''遭難通信の取扱い'''
 
'''===遭難通信の取扱い'''===
電波法第66条において「[[海岸局]]、[[海岸地球局]]、[[船舶局]]及び[[船舶地球局]]は、遭難通信を受信したときは、他の一切の無線通信に優先して、直ちにこれに応答し、かつ、遭難している船舶又は航空機を救助するため最も便宜な位置にある無線局に対して通報する等総務省令で定めるところにより救助の通信に関し最善の措置をとらなければならない」
と、第70条の6第2項において「第66条の規定は、[[航空局]]、[[航空地球局]]、[[航空機局]]及び[[航空機地球局]]の運用について準用する」と最優先に扱うことが定められている。
 
'''===罰則'''===
 
電波法には遭難通信に関し次のような罰則が定められている。
:第105条 無線通信の業務に従事する者が第66条第1項の規定による遭難通信の取扱をしなかつたとき、又はこれを遅延させたときは、1年以上の有期懲役に処する。
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:第106条第2項 船舶遭難又は航空機遭難の事実がないのに、無線設備によつて遭難通信を発した者は、3月以上10年以下の懲役に処する。
 
===遭難信号電波と無線===
==その他==
*1971年(昭和46年)[[ニッポン放送]]は[[空中線電力]]の50kWから100kWへの増力に際し、[[送信所]]を[[東京都]][[足立区]]から[[千葉県]][[木更津市]]に移転するとともに、周波数を1310kc(当時の周波数単位、kHzに相当)から1240kcに変更した。これは、近接していた[[埼玉県]][[和光市]]のFEN(現[[AFN]])810kcとの[[うなり|ビート]][[混信]]により500kc受信に障害がおきることが懸念されたためである。
*2006年(平成18年)6月から7月にかけ、千葉県[[銚子市]]の民家で使われていたNTTで販売された[[コードレス電話]]から、243MHzの電波が279回発信され、[[海上保安庁]]が救難活動に出動した<ref>[http://techon.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20060926/121536/ NTT東西が15年前に販売したコードレス電話機を回収へ, まれに遭難信号を勝手に発信](Tech-On! 2006年9月26日)</ref>。後に、特定の条件でこのような現象が発生することが判明し、<ref>[http://www.ntt-east.co.jp/release/0609/060926.html 「ハウディ・コードレスホンパッセ S-200/S-220」における遭難信号と同一の周波数の電波を誤発信する事象について](NTT東日本・NTT西日本連名)</ref>[[東日本電信電話|NTT東日本]]と[[西日本電信電話|NTT西日本]]で回収・交換措置が取られている<ref>[http://web116.jp/ced/support/news/contents/20061005.html 「ハウディ・コードレスホンパッセS-200/S-220」の回収・交換について](NTT東日本)</ref><ref>[http://www.ntt-west.co.jp/kiki/support/consu/passe/index.html 同上](NTT西日本)</ref>。
*[[超短波放送]]([[周波数変調|FM]]放送)の周波数の内、81MHzは第三[[高調波]]が243MHzとなりこの高調波が遭難信号受信の妨害となる。81MHzの近辺の周波数であっても影響が考えられるので、80.8MHzから81.2MHzは[[放送局]]へ割り当てることができない。NHK-FM千葉(本局の80.7MHz)とJ-WAVE(本局の81.3MHz)のみが制限いっぱいとなる。この制限は、76MHzから90MHzが放送バンドとなっている日本に限られている(諸外国では88MHzから108MHzが放送バンド)
 
==他国、その他の救難信号==
===カナダと米国===
* 海に海面着色剤を撒く
* 60回/分で点滅する白色高輝度ストロボライトを使用する
 
===旗の逆さ掲揚===
[[File:The Loss of the Romney Man of War.jpg|right|thumb|1804年に HMS Romney が[[テセル]]沖で座礁した時の絵。船尾の[[ブルー・エンサイン]]が逆さに掲揚されている]]
何百年もの間、国旗を逆さに掲揚する方法がよく使われていた。現在でも、アメリカでは[[合衆国法典第36編]]「愛国的団体及び式典」10章「愛国的慣習」176節 「旗の尊重」に、「生命や財産に極度の危険が迫っている際、その危険を伝える目的を除き、下方に傾けて掲揚してはならない」とあり、その名残を残している<ref>For example, 36 [[合衆国法典|U.S. Code]] [https://www.webcitation.org/6OJaMkhtM?url=http://www.gpo.gov/fdsys/pkg/USCODE-1996-title36/html/USCODE-1996-title36-chap10-sec176.htm §176](a) provides: “The flag should never be displayed with the union down, except as a signal of dire distress in instances of extreme danger to life or property.”</ref>。
 
しかし、{{JPN}}等のように上下逆さにしても見分けがつかない、{{POL}}・{{IDN}}・{{MCO}}等のように別の国の国旗と区別つかない等の理由があり遭難を伝えるのは難しい。
 
無掲揚であれば、なにか起きていると気が付いてもらえるかもしれない<ref>[https://www.pbs.org/wnet/secrets/transcripts/slave-ship-mutiny-program-transcript/755/ "Slave Ship Mutiny Program Transcript"]. Educational Broadcasting Corporation. 2010. Retrieved 2012-02-15.</ref>。または、何かしらの旗があるなら、横にしたり、逆さにしたり、旗を結んで掲揚したりすれば、気が付いてもらえるかもしれない<ref>{{cite web |url=http://www.allstates-flag.com/fotw/flags/xf-flip.html |title=Flying flags upside down |publisher=Allstates-flag.com |date= |accessdate=2009-07-27 |deadurl=yes |archiveurl=https://web.archive.org/web/20091213230400/http://www.allstates-flag.com/fotw/flags/xf-flip.html |archivedate=2009-12-13 |df= }}</ref>。
 
===外観の変更===
[[ステイセイル]]を逆さに掲げる。など、普段と違う、目を引く外観変更を行う。
 
===発光する物を使用する===
[[回光通信機]]や懐中電灯で他船に緊急事態を伝える。
 
==脚注==
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==関連項目==
*[[日本の救助隊]]、[[特別救助隊]]、[[山岳救助]]
;道具・装置・システム
*[[小型船舶用火せん]]
*[[コスパス・サーサット衛星捜索救助システム]]([[:en:International Cospas-Sarsat Programme]])
;法・条約
*[[海上における人命の安全のための国際条約]](SOLAS条約)
*[[SAR協定]]
;通信
*[[緊急通報用電話番号]]
*[[パン-パン]] - 国際標準の緊急無線電話信号で、パン-パンを3度発信すると遭難信号の一歩手前の準緊急事態であることを伝えることが出来る。
 
==外部リンク==
* [http://www.soumu.go.jp/soutsu/tokai/musen/kaijou/index.html 総務省 海上で利用する無線システム]
 
{{DEFAULTSORT:そうなんしんこう}}
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[[Category:海上保安庁]]
[[Category:海難救助]]
[[Category:アマチュア無線]]
 
[[Category:サバイバルスキル]]
[[de:Notsignal]]