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+ガイド資格、遭対協に加筆
登山の装備節に+出典
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;基本
:夏期を想定した携行品・装備の基本としては、[[リュックサック]](ザック)、[[防寒着]]、[[雨具]]、[[靴]]、手袋、[[地図]]、[[方位磁針]](コンパス)、光源、[[携行食]]、緊急連絡用の[[携帯電話]]など
* 防寒具(必携) : [[フリース]]ジャケットや[[ダウンジャケット]]など [[防寒着]](夏でも北アルプスや富士山などの夜間には氷点下になる)や[[懐炉]]。遭難時の対策に[[エマージェンシーブランケット]]も有用
* [[雨具]](必携): [[レインウェア]]([[雨合羽]])。防寒具も兼ねる。山は風が強く基本的に傘は使えない。
* 靴 : 数百m程度の低山に登るのなら[[スニーカー]]でも足りる。中程度以上の山では底材がしっかりしていて様々な工夫がこらしてある[[登山靴]]が望ましい。
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=== レイヤリング ===
体温調節のために防寒具や雨合羽などを含む衣類(ウェア)を組み合わせて、体感温度や運動強度に適した服装にすることを'''レイヤリング'''<ref name="モンベル">{{cite web|url=https://webshop.montbell.jp/material/aboutclothing/ |title=レイヤリングシステム |accessdate=2018-07-07|publisher=株式会社モンベル}}</ref><ref name="山渓992">{{cite journal|和書|date=2017-11|title=ステップアップ雪山登山2018 ②雪山レイヤリング術|publisher=[[山と渓谷社]]|journal=山と渓谷 (2017年12月号)|volume=通巻|issue=992|location=東京|language=日本語|ASIN=B0765RJDTP|pages=92-117}}</ref>、または'''レイヤード'''<ref name="高橋">{{Cite |和書|author=高橋庄太郎|title=トレッキング実践学|publisher=エイ出版|isbn=978-4777916047|date=2010|pages=50-51}}</ref>という。<br />
登山では''できるだけ汗をかかず、なおかつ寒さを感じない程度の快適な服装''が求められる。肌寒い季節を例にとると、行動中は体が温まっているために薄手のフリースのみでも寒さを感じないこともあるが、休憩中は体が冷えるために他の防寒着を着込む必要がある。そのまま再び行動をすると汗をかき、反って体が冷えてしまうために防寒着を脱いでから行動をはじめなければならない。このように運動強度や気温、標高、天候の変化に合わせたレイヤリングを行う必要がある。<br />
着替えを持ち運ぶ必要があるため、特に脱ぎ着の機会が多い中間着では軽量かつ嵩張らないものが好まれる。[[パーカー|フード]]がついた上着は[[目出し帽]]の代わりとなるため、防寒性能が高いとして好まれる<ref group="*">ただし、複数のウェアにフードがついている場合は反って邪魔になることもある。レイヤリングの中で1着だけフード付きのウェアにすると解決できる。</ref>。また、[[線ファスナー|ファスナー]]付きの服は、ファスナーを開放することで換気(ベンチレーション)を行うことができるため行動中の体温調節に便利である。
; ベースレイヤー
: [[Tシャツ]]や[[タイツ]]、[[レギンス]]、[[靴下]]などの下着や肌着のことを指す。上のレイヤーに汗を放出する役割を持ち、主に吸湿速乾性が求められる<ref name="モンベル" /><ref name="山渓992" />。ポリエステルのような[[化学繊維]]あるいは[[ウール]]が好まれる。保水性のある[[綿]]や[[レーヨン]]などは汗冷えを招くとして好まれない<ref>こどもと始める 家族で山登り: 安全に楽しむコツとテクニック p.76-77</ref>。
: また吸湿発熱素材のシャツは熱籠もりを起こしやすく、汗をかきやすくなってしまう。化学繊維であっても登山に向いているとは限らないことに留意するべきである。
: 特に吸湿速乾性に優れた肌着を'''アンダーウェア'''<ref group="*">アパレルメーカーによってはスキンウェアまたはドライレイヤーと称する場合もある。いずれの場合でも汗をベースレイヤーに吸収させる役割を持つ。</ref>としてベースレイヤーと別に定義する場合もある。
; ミドルレイヤー(ミッドレイヤー)
: [[フランネル|フランネルシャツ]]やフリース、インサレーション(化学繊維、[[ダウンジャケット]])などの中間着を指す。主に保温性が求められ<ref name="モンベル" /><ref name="山渓992" />、気温が高い夏の低山では省略されることも多い。
: [[ベスト]]は体幹を保温し、腕から熱を逃がすとして春や秋の冷涼な時期によく使用される。
; アウターレイヤー
: [[ウインドブレーカー|ウインドシェル]]やソフトシェル、ハードシェル、レインウェア、ビレイパーカを指す。風雨によって体温を奪われることを防ぐため、防風性や防水透湿性が求められる<ref name="モンベル" /><ref name="山渓992" /><ref group="*">冬山用には中綿やフリースを組み合わせてミッドレイヤーとしての役割も合わせ持つアウターもある。</ref>。
: 夏山では省略されがちなレイヤーであるが、日本のような多雨の地域では最低限レインウェアを持参すべきである。
; アクセサリー
: 上記以外に保温などを目的として着用する衣類。手袋や帽子、ネックウォーマー、アームウォーマー、[[レッグウォーマー]]、[[スパッツ (足首)|レインスパッツ]]、イヤーマフ(耳当て)などが挙げられる。
 
=== ウルトラ・ライト・バックパッキング ===
ウルトラ・ライト・ハイキングとも<ref name="土屋">{{Cite |和書|author=土屋智哉|title=ウルトラライトハイキング|publisher=山と渓谷社|isbn=978-4635150248|date=2011}}</ref>。90年代後半にアメリカのレイ・ジャーダイン(Ray Jardine)によって提唱された「極限まで荷物を軽くすれば遠くへ行ける」という考え方である。<br />
前述の通り登山には多くの装備、衣類が必要になる。多くは安全や体力温存のために必要な装備であるが、装備品の重さも体力を消耗する原因となる。そのため、一部の装備品を省略したり、素材や構造を変更して軽量化を図ることがある。これを'''ウルトラ・ライト・バックパッキング'''(以下U.L.)と呼ぶ<ref>英語版[[:en:Ultralight backpacking|Ultralight backpacking]]、2018年7月7日閲覧。</ref>。<br />
U.L.はクッカーを軽量なチタン製に換えるなど、従来から行われてきた簡単な手段の積み重ねでも実践できる。さらにU.L.を追求するものは、テントを軽量なツェルトに代えるなど快適性などを多少犠牲にしても軽量化を図ることがある。近年ではトレイルランニング向けに企画された軽量な装備を流用することもある。他にも売店があるような山では、水分を売店で買う計画を立てて登山口から持ち込む重量を減らすという手段をとるものもいる。
前述のレイヤリングを例に挙げると、ミドルレイヤーの役割である保温とアウターの役割である防風を中厚手のソフトシェル1着でまかなうケースが想定できる。この場合は対応できる温度帯が狭くなるため、急に天候や運動強度が変化した場合に対応することが難しくなる。このように反って体力を消耗することがあり得るので、ある程度の経験を積んでからU.L.を検討することが望ましい。
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=== 山岳遭難対策協議会 ===
山岳事故を防止・救難するための情報提供を行ったり、警察・消防などの公的機関に協力して救助活動を行う団体である。山岳遭難防止対策協会、山岳遭難防止対策協議会など地域によって名称に若干の差異があるが活動内容はほぼ同一である。1964年以降国立登山研修所とスポーツ庁が全国山岳遭難対策協議会<ref>{{Cite web|url=https://www.jpnsport.go.jp/tozanken/kyousai/tabid/76/Default.aspx |title=全国山岳遭難対策協議会 | publisher=日本スポーツ振興センター国立登山研修所 |accessdate=2018-07-07}}</ref>を毎年開催している。
また、1992年に東京都山岳連盟の提唱により日本山岳レスキュー協議会が設立され、遭難救助に関する情報交換を行っている。
 
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* [[山スキー]]
* [[山岳写真]]
* [[山の日]]
 
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