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労働基準法の本則には賞与の定義はないが、同法施行時の[[通達]]により、「賞与とは、定期又は臨時に、原則として労働者の勤務成績に応じて支給されるものであって、その支給額が予め確定されていないものをいうこと。'''定期的に支給され、かつその支給額が確定しているものは、名称の如何にかかわらず、これを賞与とはみなさない'''こと。」と定義されている(昭和22年9月13日発基17号)。
 
賞与も[[労働基準法]]上の「[[賃金]]」の一種である(労働基準法第11条)。月給などの一般的な賃金は「賃金支払の五原則」(労働基準法第24条)にのっとって支給しなければならないが、賞与の支給については労働基準法に定めがなく、法令上支給が強制されているものではないので、支給の有無やその計算方法、支給時期等は原則として各企業の任意である。もっとも、企業が制度として賞与を支給することを定める場合、「賃金支払の五原則」に基づいた支給基準や計算方法、支給時期等は'''[[就業規則]]に記載しなければならない'''(労働基準法第89条)。また労働契約の締結に際し、労働者に対して'''[[労働条件]]の明示事項'''として賞与に関する事項を明示しなければならない(労働基準法第15条)<ref>労働条件の明示にあたって、賞与に関する事項は法令上書面の交付は義務付けられておらず、口頭でもよい。もっとも実務上は労働者に書面を交付するよう、強く[[行政指導]]が行われている(平成11年2月19日基発81号)。また、短時間労働者に対しては「賞与の有無」については文書で明示しなければならない([[パートタイム労働法]]第6条)。</ref>。
 
一般的な4月~翌年3月の1年間を[[会計事業年度]]とする企業では、4~9月までの企業の業績や従業員の実績、[[労働組合]]との交渉状況等を基にした賞与を12月に、10月~翌年3月までの企業の業績等を基にした賞与を6月に支給すると定めることが多い。そのため4月に新規採用された従業員に支給する最初の賞与(6月支給分)については、[[研修]]や[[試用期間]]の関係で全く支給されないか、低額(1ヶ月分未満)に抑えられる場合も多い。またこれらに加え、'''決算賞与'''として、決算月(3月)に支給する旨を定める企業も多い。
 
[[厚生労働省]]「平成29年就労条件総合調査結果の概況」によれば、'''賞与制度がある'''企業割合は'''90.1%'''となっており、そのうち、「賞与を支給した」が95.7%、「賞与を支給しなかった」が4.3%となっている。賞与制度がある企業のうち、賞与の算定方法がある企業割合は、管理職では81.0%、管理職以外では 83.8%となっている。そのうち、算定方法別に企業割合をみると、管理職、管理職以外ともに「考課査定により算定(個人別業績)」(管理職55.6%、管理職以外62.3%)が最も多く、次いで「定率算定(基本給全体が対象)」(管理職53.1%、管理職以外56.7%)となっている。賞与制度があり、賞与の算定方法において個人別業績を採用している企業における主たる評価基準別の企業割合をみると、管理職、管理職以外ともに「成果(目標)達成度」(管理職55.5%、管理職以外47.0%)が最も多く、次いで「職務遂行能力」(管理職24.5%、管理職以外25.1%)となっている。