「タマ (称号)」の版間の差分

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==概説==
3世紀から6世紀ごろの古代日本の宗教的あるいは政治的な首長の称号としては、「タマ」の他に、「[[ネ (称号)|ネ]]」、「[[ミミおよびミ|ミミ]]」および「[[ミミおよびミ|ミ]]」、「[[トベ]]」、「[[モリ (称号)|モリ]]」、「[[ヒコ]]」、「[[ヒメ]]」などが知られている。こうした他の古代日本の首長の称号と違い、タマは地名に付くことがまれである。タマ(玉)は水晶や碧玉などの宝石類にとりつく「霊力の観念」<ref>溝口睦子、「記紀神話解釈の一つのこころみ」『文学』1973年、490頁</ref>であり、それを操る呪術者の称号と考えられている。宝石類が今日女性に好まれているのと同様、古代において呪術的道具としてタマ(玉)を扱うのは男性よりも女性に多く見られる。
 
タマと呼ばれる長が国を治めるのは、玉を用いた[[呪術]]的[[カリスマ]]<ref>マックス・ウェーバー『支配の社会学』</ref>による。 クシダマ(櫛玉命)とも呼ばれている[[ニギハヤヒ]](邇藝速日)が大和の国を治めたのは[[十種神宝]]と呼ばれる呪器(呪術的道具)によってであり、そのうち4つはタマの呪器<ref>『先代旧事本紀』は4種類のタマとして生玉(いくたま)、死返玉(まかるかへしのたま)、足玉(たるたま)、および道返玉(ちかへしのたま)を伝えている。</ref>によるものであった。