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回折は音波、水の波、電磁波(可視光やX線など)を含むあらゆる波について起こる。単色[[光]]を十分に狭い[[光学スリット|スリット]]に通しスクリーンに当てると回折によって光のあたる範囲が広がる。また、スリットが複数の場合や単一でも波長より広い場合、[[干渉 (物理学)|干渉]]によって縞模様ができる。この現象は、量子性が顕著となる粒子の[[ビーム (物理学)|ビーム]](例:[[電子線]]、[[中性子線]]など)でも起こる(参照:[[ド・ブロイ波|物質波]])。
 
== 結晶回折 ==
電子線や中性子線などを[[結晶]]などに当てて得られる回折図形から結晶構造の解析を行うことができる。これは電磁波である[[X線]]でも同様な結晶構造の解析を行うことができる。それぞれ[[電子回折|電子回折法]]、[[中性子回折法]]、[[X線回折|X線回折法]]として結晶構造の解析手法が確立されている。
 
== 写真撮影 ==
[[写真]]撮影においても、絞りを小さく絞ると光の回折現象により画像の鮮明さが低下する。この現象については[[小絞りボケ]]の項を参照されたい。
 
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このとき<math>\theta_\mathrm{0}</math>は光の入射角、<math>d</math>は格子成分の同士の距離、そして<math>m</math>は正負の整数を表す。回折が起こった光は、回折格子の各成分により回折が起こった光が合わさることで観察され、本質的には回折と干渉パターンの畳み込みである。
 
== 回折限界 ==
1873年に[[エルンスト・アッベ]]によって[[光学顕微鏡]]の[[分解能]]を高めることは困難であること以下の式により示された。
 
光の波長:''λ''、媒体の屈折率:''n'' 、入射角: <math>\theta</math> 、[[開口数]]:NA
 
:<math>d=\frac{ \lambda}{2 n \sin \theta} = \frac{\lambda}{2\mathrm{NA}}</math>
 
従来の幾何光学系では回析限界のため[[光学顕微鏡]]の分解能は200nmが限界とされてきた。近年、この限界を超える[[超解像顕微鏡]]が徐々に普及しつつある<ref>Rice, James H. "[https://pdfs.semanticscholar.org/ee04/0aa52d21827297a3505bb6f187daed134d7e.pdf Beyond the diffraction limit: far-field fluorescence imaging with ultrahigh resolution.]" Molecular BioSystems 3.11 (2007): 781-793.</ref>。また、[[集積回路]]の製造においては[[ステッパー]]で使用される光源の波長が短い程、微細化が可能になるが、実用的な波長を短くする事には限界があるので[[液浸]]により[[屈折率]]を高めたり、[[開口数]]を大きくすると[[分解能]]が向上する。
 
== 分類 ==
障害物(または開口)の大きさと、波源・観測点から障害物までの距離によって、2種類に分類できる。
* [[フラウンホーファー回折]]:障害物から無限大の距離にあるとき。入射波と回折波が、平面波として考えられる。
* [[フレネル回折]]:障害物から有限の距離にあるとき。入射波と回折波の両方または片方が、平面波と考えられない。
 
== 理論 ==
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[[X線回折]]と[[中性子回折]]は散乱断面積が小さいため運動学的回折理論で多くが扱えるが、[[電子回折]]では散乱断面積が大きいため動力学的回折理論で取り扱う必要が出てくる。
 
== 脚注 ==
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== 関連項目 ==