「フィトステロール」の版間の差分

コレステロールが摂取量の40％40%以上が小腸から吸収されるのに対し、植物ステロールは吸収率が5％5%以下でありコレステロール吸収を阻害する<ref>http://www.fdsc.or.jp/AnnualReport/AR27/AR27_49_60Naito.pdf</ref>。食品の成分や添加物として、フィトステロールはコレステロールを減少させる（腸でのコレステロール吸収を抑える）作用を持つとされ<ref>Ostlund, R. E.; Racette, S. B.; Stenson, W. F. (2003). "Inhibition of cholesterol absorption by phytosterol-replete wheat germ compared with phytosterol-depleted wheat germ". ''Am. J. Clin. Nutr.'' '''77''' (6): 1385–1589.</ref>、また、がんの予防に効果がある可能性があるとされる。フィトステロールは天然には植物油中、特に[[シーバックソーン油]] (1640mg/100g)<ref>Li, T. S. C.; Beveridge, T. H. J.; Drover, J. C. G. (2007). "Phytosterol content of sea buckthorn (''Hippophae rhamnoides'' L.) seed oil: Extraction and identification". ''Food Chem.'' '''101''' (4): 1633–1639. {{doi|10.1016/j.foodchem.2006.04.033}}</ref> や大豆油 (327mg/100g)<ref>[http://www.talksoy.com/pdfs/2006OilsBrochure.pdf The Marketing Edge: Phytosterols Qualisoy]</ref> に存在する。植物油から取り出されるフィトステロール混合物としてコレスタチン (cholestatin) が知られる。これは[[β-シトステロール]]、[[カンペステロール]]、{{仮リンク|スティグマステロール|en|Stigmasterol}}、[[ブラシカステロール]]からなり、[[サプリメント]]として販売されている。ステロールはヒトのコレステロールを最大15%減少させるとされている。

ただしシトステロール血症と呼ばれる極めて稀な遺伝性代謝疾患のあるヒトは植物ステロールを添加した食品を避けたほうが良い。なぜならばこの疾患をもつヒトは植物ステロールの吸収率が高く、早期のアテローム性動脈硬化症と心臓病を引き起こす可能性があるためである。もっとも2011年現在、世界中で報告されているシトステロール血症例はわずか45例で、その全ては厳密な医療監視下にある<ref>[http://www.fsc.go.jp/fsciis/foodSafetyMaterial/show/syu03480190208 オーストラリア・ニュージーランド食品基準機関(FSANZ)、植物ステロールについてのファクトシートを公表]　 食品安全委員会、2011年11月28日</ref>。

*{{Hfnet|581|植物ステロール}}
*[http://cholesterollab.jp/　 植物ステロールの啓発] （[[植物ステロール研究会]]）