「エプスタイン・バール・ウイルス」の版間の差分

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=== 抗ウイルス剤 ===
[[ファイル:Sorivudine.svg|サムネイル|EBウイルスに有効な抗ウイルス剤「ソリブジン」]]
EBVに対して有効な抗ウイルス剤は存在するが、以下に述べる理由で本邦においては使用できない状況にある<ref name=":3" />。ゆえに、伝染性単核球症などのEBV感染症の治療法は対症療法となっており、重症例には主に[[副腎皮質ステロイド]]投与や[[ガンマグロブリン]]大量投与が用いられる<ref name=":3" />。
 
過去にはEBVに有効な抗ウイルス剤である[[ソリブジン]]があった<ref name=":20">{{Cite journal|last=Lin|first=J. C.|last2=Machida|first2=H.|date=1988-7|title=Comparison of two bromovinyl nucleoside analogs, 1-beta-D-arabinofuranosyl-E-5-(2-bromovinyl)uracil and E-5-(2-bromovinyl)-2'-deoxyuridine, with acyclovir in inhibition of Epstein-Barr virus replication|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/2847639|journal=Antimicrobial Agents and Chemotherapy|volume=32|issue=7|pages=1068–1072|issn=0066-4804|pmid=2847639|pmc=PMC172345}}</ref><ref>{{Cite journal|last=Lin|first=J. C.|last2=Reefschläger|first2=J.|last3=Herrmann|first3=G.|last4=Pagano|first4=J. S.|date=1992-1|title=Structure-activity relationship between (E)-5-(2-bromovinyl)- and 5-vinyl-1-beta-D-arabinofuranosyluracil (BV-araU, V-araU) in inhibition of Epstein-Barr virus replication|url=https://www.ncbi.nlm.nih.gov/pubmed/1310582|journal=Antiviral Research|volume=17|issue=1|pages=43–52|issn=0166-3542|pmid=1310582}}</ref>が、抗がん剤[[5-FU]]との併用で薬害事故が起き、現在販売は自主的に停止されている状態にある。ソリブジンの代謝産物であるブロモビニルウラシル(BVU)安全情報や5-FUの代謝酵素であるDPD(dihydropyrimidine dehydrogenase)結合して、不可逆的に阻害し、5-FU血中濃度を上げ、5-FUの[[副作禁忌]]である[[白血球]]減少、[[血小板]]減少などの情報周知血液障害や重篤な消化管障害徹底引き起こ。こば、存続可能な薬であった<ref name=":21">{{Cite web|url=https://kusuri-jouhou.com/yakubutu/sorivudine.html|title=ソリブジン物語:この世から消えた有用な医品|accessdate=2018-07-13|website=kusuri-jouhou.com|language=ja}}</ref>害事故の原因である
 
しかし、ソリブジンは安全情報や5-FUとの併用禁忌などの情報周知を徹底すれば、存続可能な薬であった<ref name=":21">{{Cite web|url=https://kusuri-jouhou.com/yakubutu/sorivudine.html|title=ソリブジン物語:この世から消えた有用な医薬品|accessdate=2018-07-13|website=kusuri-jouhou.com|language=ja}}</ref>。
ソリブジンに類似した抗ウイルス剤の[[ブリブジン]]も、ソリブジン薬害事故があった本邦においては使用できない。
 
ソリブジンに類似した抗ウイルス剤の[[ブリブジン]]もまたEBVに有効であるが<ref name=":20" />、ソリブジン薬害事故があった本邦においては、ブリブジンの代謝産物はソリブジンと同じBVUであるがゆえに、使用できない状況にある
また、現行の抗ヘルペスウイルス剤の[[アシクロビル]]のEBVに対する効果は限定的である<ref name=":20" />。
 
また、現行の抗ヘルペスウイルス剤の[[アシクロビル]]のEBVに対する効果は限定的である<ref name=":20" />。慢性活動性EBウイルス感染症の治療の一つとしてアシクロビルの大量投与があるが、これも効果は限定的である<ref name=":3" />。
 
== ウイルス学 ==