「奄美群島」の版間の差分

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名称の由来については、今なお不明な点が多い。伝承では[[琉球王国]]の[[創世神話]]に登場する「アマミキヨ」(アマミコ、阿麻弥姑)神に由来するとされる。ただし琉球王国の神話や「アマミキヨ」の起源は文献上[[10世紀]]から[[13世紀]]の間までしか遡れず、[[7世紀]]には日本列島の中央政権にその名称と存在が知られていたこととは時間的な開きが生じている。また「アマミキヨ」の名称使用自体が[[沖縄本島]]周辺に限られており、奄美群島では「テルクミ」の名称で伝わっている(沖縄本島に隣接する[[与論島]]では「アマミキヨ」)。加計呂麻島ノロの伝承ではアマミキヨが湯湾岳に神降りしたとされて居る。これらの事を含めて「アマミキヨ」とは奄美そのものを指し、琉球王国の成立には奄美勢力の南下、または奄美を経由した本土勢力が深く関わっていたのではないかと指摘する研究者もいる{{誰|date=2010年3月}}。「アマミキヨ」降臨の地とされる「アマンデー」(奄美嶽、海見嶽)もその立地条件や奄美群島北部には希少な[[御嶽 (沖縄)|御嶽]]的存在であり、それらが琉球王国の聖地とされる「[[斎場御嶽]]」と酷似しているため琉球領時代に持ち込まれた伝承とも言われている{{要出典|date=2010年3月}}。
 
長らく「奄美'''諸島'''」、「奄美'''群島'''」と2通りの呼称があり、[[国土地理院]]は前者を、[[法令]]<ref group="注">例えば、1954年に制定された[[奄美群島振興開発特別措置法|奄美群島復興特別措置法]]。</ref>や[[海上保安庁]][[海洋情報部]]は後者を用いてきた<ref name="tbh27">{{PDFlink|[http://www1.kaiho.mlit.go.jp/GIJUTSUKOKUSAI/KENKYU/report/tbh27/tbh27-02.pdf 我が国の広域な地名及びその範囲についての調査研究]}} 「海洋情報部技報」Vol.27、海上保安庁海洋情報部海洋研究室 安城たつひこ・同航海情報課 割田育生</ref>が、[[2010年]][[2月15日]]に国土地理院と海上保安庁海洋情報部によって構成される地名等の統一に関する連絡協議会は「'''奄美群島'''」を決定地名に採用した<ref>{{cite web |url=http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa60003.html |title=『奄美群島』を決定地名に採用 |accessdate=2013年5月19日 |archiveurl=https://archive.is/20120731202454/http://www.gsi.go.jp/kihonjohochousa/kihonjohochousa60003.html |archivedate=2012年7月31日 |deadlinkdate=2017年10月 }} 国土地理院、2010年2月19日</ref>。
 
== 概要 ==
;=== 地理 ===
* 面積:1231:1,231.47km<sup>2</sup>(一部境界線未定地域あり)<ref name="kpsumh26">「[https://www.pref.kagoshima.jp/aq01/chiiki/oshima/chiiki/zeniki/gaikyou/h26amamigaikyou.html 平成26年度奄美群島の概況]」鹿児島県、2015年8月24日閲覧</ref>
* 人口:118,773人(2010年[[国勢調査]])<ref name="kpsumh26"/>
* 構成:1市9町2村([[2006年]][[3月20日]]、名瀬市・笠利町・住用村が合併して[[奄美市]]が発足)<ref name="kpsumh26"/>
: [[鹿児島市]]から奄美大島までは約370km、北東端(奄美大島)から南西端(与論島)までは約200km、与論島から[[沖縄本島]]までは約25km([[那覇市]]までは約120km)。
: 中心都市は、奄美大島にある[[奄美市]][[名瀬市|名瀬]]である。
* 気候:年平均気温は21度前後、年間降水量は約3,000mm前後と、日本の中でも温暖で雨が多い。[[亜熱帯]]気候、また[[海洋性気候]]を呈する<ref name="kpsumh26"/>。
:* 地勢:奄美大島から徳之島の北東部にかけての地域は[[中生代]]以前の地層と[[火成岩]]からなり、急峻で海岸線も入り組んでいる。一方、喜界島や徳之島の南西部、沖永良部島、与論島は[[サンゴ礁]]由来の[[琉球石灰岩]]からなり、地形が平坦で河川が少ない<ref name="kpsumh26"/>。
* 自然:[[生物地理区]]の分類では[[トカラ列島]]を通る[[分布境界線|渡瀬線]]を境に北側が[[旧北区]]、南側が[[東洋区]]となっている。[[生物学]]的に、奄美群島は[[九州]]本土よりも沖縄県の方が近い。[[2017年]]に奄美群島を区域とする[[奄美群島国立公園]]が誕生した
; 政治
 
;=== 政治 ===
* [[鹿児島県議会]]:奄美市区(定数2)と大島郡区(定数2)
* 衆議院選挙区:[[鹿児島県第2区]](選出議員:[[金子万寿夫]]<[[自由民主党 (日本)|自民党]]>)
 
=== 社会 ===
* [[2014年]][[11月17日]]から、奄美群島全域を対象にして、[[自動車]]と[[自動二輪車]]の「奄美」という[[ご当地ナンバー]]の交付が始まった。
 
== 島嶼 ==
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|}
 
なお、[[海上保安庁]]作成の[[水路図誌]]においては、徳之島の西方65キロメートルに位置する[[硫黄鳥島]](沖縄県島尻郡久米島町)は、奄美群島に分類されている(国土地理院では奄美群島に含めない)<ref>[{{cite journal|和書| title = 南西諸島の地域名称の歴史的および政治的背景| author = 水谷知生| journal = 地理学評論 Series A| publisher = 日本地理学会| date = 2009| volume = 82| issue = 4| pages = 300-322| url = https://www.jstage.jst.go.jp/article/grj/82/4/82_4_300/_pdf]| p.302format = PDF}}</ref>
 
== 歴史 ==
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奄美群島の食文化・[[奄美料理]]は、歴史的経緯から[[沖縄料理]]・[[薩摩料理]]との共通点が多い。名物料理としては[[鶏飯]]、[[油そうめん|油ぞうめん]]、[[蘇鉄味噌]]を使った地豆味噌などがあり、[[奄美黒糖焼酎]]、[[みき (飲料水)|みき]]、[[がじゃ豆]]などが名産品として知られる。
 
== 地域教育 ==
大学、短期大学といった[[高等教育]]機関は、存在しない。
* 中心都市は、奄美大島にある[[奄美市]][[名瀬市|名瀬]]である。
* 大学、短期大学といった[[高等教育]]機関は現在、1つも存在しない。奄美大島では[[2004年]]度より[[鹿児島大学]]法文学部の大学院がサテライト教室を、奄美市中央公民館金久地区分館3階にて開講している。鹿児島大学大学院より教授が派遣され、集中講義形式(一部はインターネットによる中継画像)で授業が行われている。事務員を1名同館3階事務室に常駐させている。詳細は、奄美市役所で聞ける。大学卒であれば科目等履修生になることができ、鹿児島大学の大学院の単位を取得できる。また徳之島でも[[2007年]]度から開講され、徳之島町亀津の生涯学習センターにて授業が行われている。こちらは初年度は奄美大島からのインターネットの中継画像による授業が多かったが、[[2008年]]度からは徳之島で開講される授業が増えた(どちらの島で開講するかは科目ごとの受講生の人数による)。但し2007年度までは文部科学省の助成があった為に受講可能な科目数が多かったが、2008年度からはそれが無くなったためにサテライト教室で受講可能な科目は大幅に減ってしまった。科目は「奄美根ざした講座」が提示されており、受講生はそれぞれの島の社会人である為、授業風景は教授が一方的に講義するよりも、教授と学生との双方向のやりとりが盛んで和気藹々としている。このサテライト教室から鹿児島大学大学院に進んだ生徒が3名いる(2006年度現在)。[[2009年]]度も開講予定である。過去には[[1891年]]から[[1894年]]にかけて設置されていた[[鹿児島師範学校]]教員養成講習科分教場や、[[琉球列島米国民政府|米軍占領統治]]下の[[1952年]]から[[1953年]]にかけて設置されていた[[琉球大学]]大島分校が存在した。
* 高校卒業後の[[専門学校]]としては[[奄美看護福祉専門学校]]と[[奄美情報処理専門学校]]が奄美市名瀬にある。
* [[テレビ放送]]、AM放送の[[中継局]]は設置されている。FM放送は[[日本放送協会|NHK]]の中継局と[[コミュニティ放送]]局の[[ディ!|ディ!ウェイヴ]]のみで、鹿児島県を対象地域とする[[エフエム鹿児島]]は聴取不可能<ref>現時点では[[radiko]](無料版<鹿児島県内であれば無料で聴取可能>、および有料会員制「radikoプレミアム」とも)は未提供になっている。ただし、[[龍郷町]]にある[[エフエムたつごう]]では、一部の時間帯に限定ではあるが、FM鹿児島(μFM)の番組が同時配信されている([http://img01.amamin.jp/usr/f/m/t/fmtatsugo/FM%E3%81%9F%E3%81%A4%E3%81%94%E3%81%86%E7%95%AA%E7%B5%84%E8%A1%A82014.06.15.jpg 2014年6月15日付の番組表])</ref>。
**地域の新聞社として[[南海日日新聞]]と[[奄美新聞]]がある。
**[[全国紙]]・[[西日本新聞]]([[ブロック紙]])においても、新聞社によるが、鹿児島県・[[宮崎県]]、更には[[熊本県]]などのテレビ面を載せることがある。
**なお全国紙、県域[[地方紙]]2紙については、現在も本土(南日本のみ[[鹿児島市]]、他[[福岡市]]か[[北九州市]])から空輸か船便での輸送が必要である都合で、朝刊の配達は早いところでも昼前後、ところによっては夕方(本土で夕刊が配達される時間)か翌朝になることもある。そのため、[[産経新聞]]<ref>[[産経新聞西部本部|九州・山口版]]はブロック統一版であるため、番組表の内容は対象となる8県で全く同じものである</ref>を除く、鹿児島県向けの新聞には、発行日当日と翌日([[新聞休刊日]]は翌々日も)の鹿児島県内のテレビ番組表も収録されている。また[[沖縄県]]の3局を視聴できる地域もあり、[[南日本新聞]]朝刊(奄美地域では夕刊は配達されていなかったが[[2009年]][[2月]]に夕刊は廃刊)の「第2テレビ頁」に、沖縄の3局の翌日(新聞休刊日は翌々日も)の[[番組表]]を載せている。(奄美のローカル新聞にも掲載)
* [[2014年]][[11月17日]]から、奄美群島全域を対象にして、[[自動車]]と[[自動二輪車]]の「奄美」という[[ご当地ナンバー]]の交付が始まった。
* [[生物地理区]]の分類では[[トカラ列島]]を通る[[分布境界線|渡瀬線]]を境に北側が[[旧北区]]、南側が[[東洋区]]となっている。[[生物学]]的に、奄美群島は[[九州]]本土よりも沖縄県の方が近い。
 
* 大学、短期大学といった[[高等教育]]機関は現在、1つも存在しない。奄美大島では[[2004年]]度より[[鹿児島大学]]法文学部の大学院がサテライト教室を、奄美市中央公民館金久地区分館3階にて開講している<ref>{{cite web| title = 奄美サテライト教室| publisher = 鹿児島大学法文学部| url = http://www.leh.kagoshima-u.ac.jp/wp_leh/?page_id=13548| accessdate = 2018-07-29}}</ref>。鹿児島大学大学院より教授が派遣され、集中講義形式(一部はインターネットによる中継画像)で授業が行われている。事務員を1名同館3階事務室に常駐させている。詳細は、奄美市役所で聞ける。大学卒であれば科目等履修生になることができ、鹿児島大学の大学院の単位を取得できる。また徳之島でも[[2007年]]度から開講され、徳之島町亀津の生涯学習センターにて授業が行われている。こちらは初年度は奄美大島からのインターネットの中継画像による授業が多かったが、[[2008年]]度からは徳之島で開講される授業が増えた(どちらの島で開講するかは科目ごとの受講生の人数による)。但し2007年度までは文部科学省の助成があった為に受講可能な科目数が多かったが、2008年度からはそれが無くなったためにサテライト教室で受講可能な科目は大幅に減ってしまった。科目は「奄美根ざした講座」が提示されており、受講生はそれぞれの島の社会人である為、授業風景は教授が一方的に講義するよりも、教授と学生との双方向のやりとりが盛んで和気藹々としている。このサテライト教室から鹿児島大学大学院に進んだ生徒が3名いる(2006年度現在)。[[2009年]]度も開講予定である。過去には[[1891年]]から[[1894年]]にかけて設置されていた[[鹿児島師範学校]]教員養成講習科分教場や、[[琉球列島米国民政府|米軍占領統治]]下の[[1952年]]から[[1953年]]にかけて設置されていた[[琉球大学]]大島分校が存在した
== 関連書 ==
 
* 『奄美-自然・文化・社会-』([[九学会連合]]奄美調査委員会著、[[松本泰丈]]他、[[弘文堂]]、[[1982年]] ISBN 4335050038)
過去には[[1891年]]から[[1894年]]にかけて設置されていた[[鹿児島師範学校]]教員養成講習科分教場や、[[琉球列島米国民政府|米軍占領統治]]下の[[1952年]]から[[1953年]]にかけて設置されていた[[琉球大学]]大島分校が存在した。
* 『奄美 復帰50年 ヤマトとナハのはざまで』(松本泰丈・[[田畑千秋]]、『[[現代のエスプリ]]』別冊、[[至文堂]]、[[2004年]] ISBN 4784360328)
 
* 高校卒業後の[[専門学校]]としては、奄美市名瀬に[[奄美看護福祉専門学校]]と[[奄美情報処理専門学校]]が奄美市名瀬にある。
 
== マスメディア ==
=== 放送 ===
* [[テレビ放送]]、AM放送の[[中継局]]は設置されている。FM放送は[[日本放送協会|NHK]]の中継局と[[コミュニティ放送]]局の[[ディ!|ディ!ウェイヴ]]のみで、鹿児島県を対象地域とする[[エフエム鹿児島]]は聴取不可能<ref group="注">現時点では[[radiko]](無料版<鹿児島県内であれば無料で聴取可能>、および有料会員制「radikoプレミアム」とも)は未提供になっている。ただし、[[龍郷町]]にある[[エフエムたつごう]]では、一部の時間帯に限定ではあるが、FM鹿児島(μFM)の番組が同時配信されている([http://img01.amamin.jp/usr/f/m/t/fmtatsugo/FM%E3%81%9F%E3%81%A4%E3%81%94%E3%81%86%E7%95%AA%E7%B5%84%E8%A1%A82014.06.15.jpg 2014年6月15日付の番組表])</ref>。
 
=== 新聞 ===
**地域の新聞社として[[南海日日新聞]]と[[奄美新聞]]がある。
 
**[[全国紙]]・[[西日本新聞]]([[ブロック紙]])においても、新聞社によるが、鹿児島県・[[宮崎県]]、更には[[熊本県]]などのテレビ面を載せることがある。
 
**なお全国紙、県域[[地方紙]]2紙については、現在も本土(南日本のみ[[鹿児島市]]、他[[福岡市]]か[[北九州市]])から空輸か船便での輸送が必要である都合で、朝刊の配達は早いところでも昼前後、ところによっては夕方(本土で夕刊が配達される時間)か翌朝になることもある。そのため、[[産経新聞]]<ref group="注">[[産経新聞西部本部|九州・山口版]]はブロック統一版であるため、番組表の内容は対象となる8県で全く同じものである</ref>を除く、鹿児島県向けの新聞には、発行日当日と翌日([[新聞休刊日]]は翌々日も)の鹿児島県内のテレビ番組表も収録されている。また[[沖縄県]]の3局を視聴できる地域もあり、[[南日本新聞]]朝刊(奄美地域では夕刊は配達されていなかったが[[2009年]][[2月]]に夕刊は廃刊)の「第2テレビ頁」に、沖縄の3局の翌日(新聞休刊日は翌々日も)の[[番組表]]を載せている(奄美のローカル新聞にも掲載)
 
== 脚注 ==
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=== 注釈 ===
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{{Reflist|group="注"}}
=== 出典 ===
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== 参考文献 ==
* 『奄美-自然・文化・社会-』([[九学会連合]]奄美調査委員会著、[[松本泰丈]]他、[[弘文堂]]、[[1982年]] ISBN 4335050038)
* 『奄美 復帰50年 ヤマトとナハのはざまで』(松本泰丈・[[田畑千秋]]、『[[現代のエスプリ]]』別冊、[[至文堂]]、[[2004年]] ISBN 4784360328)
 
== 関連項目 ==
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== 外部リンク ==
* [http://www.goontoamami.jp/home ぐーんと奄美] 一般社団法人 奄美群島観光物産協会]
* [http://www.geocitiesmlit.cogo.jp/SilkRoad-Lakekokudoseisaku/2917chitok/japan/amamicrd_amaoga_tk_000008.html 奄美群島の概要] 世界飛び地領研究会交通省
* [http://amami-wcc.net/amami/ 奄美群島とは] 環境省奄美野生生物保護センター
 
 
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