「ロックンロール」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
Femiyesno (会話 | 投稿記録)
→‎終焉: ロックへの変貌
Femiyesno (会話 | 投稿記録)
出典と 最初のロック曲の記事
3行目:
'''ロックンロール'''({{en|Rock and Roll}}, {{en|Rock ’n’ Roll}})は、[[1950年代]]半ばに現れた[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の大衆音楽スタイルの呼称である。[[語源]]については、古くから[[アメリカ英語]]の黒人[[スラング]]で「性交」及び「交合」の意味もあり<ref>Jeffrey Peter Hart''"When the Going Was Good: American Life in the Fifties"''p.130, Crown Publishers, Incorporated, 1982.</ref><ref>Francesco Bonami, Raf Simons, Maria Luisa Frisa ''"The fourth sex: adolescent extremes"''p.434, Charta, 2003.</ref><ref>『キャロル・キング自伝』p.61</ref>、1950年代はじめには「バカ騒ぎ」や「ダンス」という意味もあった<ref>北中,1985,p.13.</ref>。これを一般的に広め定着させたのは、[[ディスクジョッキー|DJ]]の[[アラン・フリード]]であった<ref>北中,1985,p.47f.</ref>。
 
[[1960年代]]ば以降には「[[ロック (音楽)|ロック]]」という呼び方が一般化し、「ロックンロール」と呼ぶことは少なくなった<ref name="K113-115">北中,1985,pp.113-115.</ref>。一方で、「ロックンロール」と「ロック」は別の物として使われることがある。1960年代半ばには、ロックンロールが進化して抽象的、芸術的なものも生まれ、新たなサウンドが登場し、それらの総称として「ロック」という言葉が使われるようになった<ref name="K113-115" />。
 
一方で、「ロックンロール」と「ロック」は別の物として使われることもある。1960年代後半、ロックンロールが進化してその枠を壊し、新たなサウンドが生まれ、それらのサウンドの総称として「ロック」という言葉が使われている<ref name="K113-115" />。
 
== 概要/音楽的特徴 ==
ロックンロールは、[[リズム・アンド・ブルース]]や、[[ブルース]]、ゴスペルなどの黒人音楽を基に、[[カントリーミュージック|カントリー・アンド・ウェスタン]]やブルーグラスなど白人の音楽スタイルを融合させて成立したとされている<ref>http://iml.jou.ufl.edu/projects/Fall08/StewartA/history.html</ref>。ロックンロール第1号がどの曲かということは、しばしば議論の対象となってきた。一般的にはビル・ヘイリーとヒズ・コメッツの「ロック・アラウンド・ザ・クロック」(1954年)やエルヴィス・プレスリーの「ザッツ・オールライト」などが有力候補だが、時にはジャッキー・ブレンストン&ヒズ・デルタ・キャッツの「ロケット88」(1951年)が最初の曲だとする説も登場する。また、それ以前のいずれも1949年の曲であるファッツ・ドミノやシスター・レゼッタ・サープ、Goree Carter、ジミー・プレストンの曲をあげる者もいるが、少数意見である。
{{出典の明記|date=2018年6月|section=1}}
ロックンロールは、[[リズム・アンド・ブルース]]や、[[ブルース]]、ゴスペルなどの黒人音楽を基に、[[カントリーミュージック|カントリー・アンド・ウェスタン]]やブルーグラスなど白人の音楽スタイルを融合させて成立したとされている<ref>http://iml.jou.ufl.edu/projects/Fall08/StewartA/history.html</ref>。
 
ロックンロールの楽器編成としては、[[エレクトリックギター]]、[[エレクトリックベース]]、[[ドラムセット|ドラムス]]という構成が代表的である。ジェリー・リー・ルイスらのように[[ピアノ]]や[[サクソフォーン|サックス]]を主体にする例<ref name=Evans2002>S. Evans, "The development of the Blues" in A. F. Moore, ed., ''[[Cambridge Companions to Music|The Cambridge companion to blues and gospel music]]'' (Cambridge: Cambridge University Press, 2002), pp. 40–42.</ref>、{{要出典範囲|プレスリーやエディ・コクランがときおり見せたようなエレクトリックギターの代わりに[[アコースティック・ギター]]を使う例<ref>http://www.gretschguitars.com/features/eddie-cochran </ref>、ロカビリーの一部のように、エレクトリックベースの代わりに[[アコースティック・ベース]]を使う例(ウッド・ベースイトアップ・ベーを使わない例、[[オルガン]]を加える例など多彩である。楽器編成の多彩さは、ロックンロールという音楽が様々な音楽スタイルをそのルーツとしていることを示しているとも言える。|date=2018年6月}}
 
尚、主に白人ミュージシャンによるロックンロールの中で、特にカントリー・アンド・ウェスタンの要素が強くビートを強調したものを[[ロカビリー]]と呼ぶ<ref>{{cite web|url=http://www.shsu.edu/~lis_fwh/book/classic_rock_n_roll/Rockabilly2.htm|title=ROCKABILLY Definition|website=Shsu.edu|accessdate=19 June 2018}}</ref><ref name="britannica.com">{{cite web|author=Craig Morrison |url=http://www.britannica.com/EBchecked/topic/506220/rockabilly |title=rockabilly (music) - Encyclopædia Britannica |publisher=Britannica.com |date=2013-11-21 |accessdate=2018-06-19}}</ref>。{{要出典範囲|実際には[[1950年代]]のロックンロールのうち、白人の[[演奏]]したものの大部分がロカビリーである為、特に過去の日本では“ロカビリー”と“1950年代のロックンロール”がほぼ同義語として使われることも多かった。|date=2018年6月}}
 
== 詳細/由来と変遷 ==
ロックンロールは、元々は[[リトル・リチャード]]、[[チャック・ベリー]]、<!--英語版にも、北中1985にも登場しないので、一旦コメントアウト:[[オーティス・ブラックウェル]]、-->[[ファッツ・ドミノ]]とエルヴィス・プレスリーらのロカビリーなどの音楽を指した。ロックンロールと[[リズム・アンド・ブルース|R&B]]との間には明確な境界線があるわけではないので、ロックンロールがいつ頃から始まったかについては諸説がある。一説として「ロックンロール」という語は1951年前後にディスクジョッキーのアラン・フリードが「マイ・ベイビー・ロックス・ミー・ウィズ・ワン・ステディ・ロール」(トリキシー・スミス)という曲の歌詞から思いつき、「ムーンドッグロックンロール・パーティ」というラジオ番組をはじめた、というものもある<ref>『ロックの歴史』、中山康樹、講談社、2014年6月(P5)。</ref><ref group="注釈">ただしここでの「ロックンロール」は「ロック」の起源となるような音楽ではない。</ref>。
 
エルヴィス・プレスリーなど、カントリーをルーツに持つ南部・中西部の白人が中心だったロカビリーは白人労働者のファンが多く、チャック・ベリーに代表されるロックンロールのファンにはティーンエイジャーが多かった<ref>http://www.plosin.com/beatbegins/projects/gallant-gardner.html</ref>。
 
{{要出典範囲|その後、白人である[[ビル・ヘイリー]]、[[エルヴィス・プレスリー]]、[[ジェリー・リー・ルイス]]らの稀に見る商業的な成功によってロックンロールは「白人の音楽」として定着す見られようになったくねくねと腰を振り、挑発的にパフォーマンスするエルヴィスの登場は保守的な50年代は衝撃的であり、白人音楽ジョン・レノン黒人音楽「エルヴィス以前固有の熱狂は何もなかった」肉体性を手に入れることとな証言している。|date=2018年6月}}
 
{{要出典範囲|初期のロックンロールの楽曲はアーティスト自身による自作か、[[ブルース]]、[[カントリー・ミュージック|カントリー]]、[[リズム・アンド・ブルース|R&B]]のカヴァーだった。しかし、カヴァーの中にもロックンロールに適した曲が無限にあるわけではない。そこで、ロックンロールが[[ポピュラー音楽]]の中に占める位置が大きくなるにつれて、ロックンロール向きの新曲を大量に生み出す仕組みが求められるようになった。|date=2018年6月}}
 
初期のロックンロールの楽曲はオーティス・ブラックウェルらのプロの作曲家か、[[ブルース]]、[[カントリー・ミュージック|カントリー]]、[[リズム・アンド・ブルース|R&B]]のカヴァー、シンガー自身による自作自演のいずれかだった。
{{要出典範囲|こうした需要に応えたのが[[1958年]]頃から続々と登場した[[アルドン・ミュージック]]、{{仮リンク|ヒル・アンド・レインジ|label=ヒル・アンド・レインジ・ソングス|en|Hill & Range}}などの新興の[[音楽出版|音楽出版社]]だった。これらの会社は[[キャロル・キング]]&[[ジェリー・ゴフィン]]、{{仮リンク|ジェフ・バリー (ソングライター)|label=ジェフ・バリー|en|Jeff Barry}}&[[エリー・グレニッチ]]などの若手作曲家チームを抱え、ロックンロール向きの新曲を次々と送り出した。|date=2018年6月}}
 
これらの音楽出版社の多く、[[ブロードウェイ]]のブリル・ビルディングという建物に入居していた為、その“ブリル・ビルディング・サウンド”と呼ばれることもあった。ブリル・ビルディング・サウンドはポップスの歌手・作曲家分業システムであり、ロックンロールの歴史で重要なチームは、「ハウンドドッグ」「カンサスシティ」「ヤケティ・ヤック」「ラヴ・ポーションNO.9」を作曲した[[リーバーとストーラー]]ぐらいだった<ref>http://www.goodreads.com/book/show/6022920-hound-dog</ref>。
 
一般的には、[[1950年代]]半ばに発表された、[[ビル・ヘイリー]]の『[[ロック・アラウンド・ザ・クロック]]』、エルヴィス・プレスリーの『[[ハートブレイク・ホテル]]』などが、ロックンロールの初期の例として挙げられることが多い<ref>北中,1985,pp.9-32.</ref>。