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納豆の現実について記述
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{{Otheruses|大豆を原材料とする発酵食品|大豆以外の豆類やその他の実・根菜を原材料とする和菓子|甘納豆|}}
{{栄養価 | name=糸引き納豆<ref name=mext7>[[文部科学省]] 「[http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)]」</ref>|image=[[ファイル:Natto mixed.jpg|220px]]| kJ =837| water=59.5 g| protein=16.5 g| fat=10.0 g| satfat=(1.45) g| monofat = (2.21) g| polyfat =(5.65) g| carbs=12.1 g| starch=0.3 g| opt1n=[[食物繊維|水溶性食物繊維]]| opt1v=2.3 g| opt2n=[[食物繊維|不溶性食物繊維]]| opt2v=4.4 g| fiber=6.7 g| sodium_mg=2| potassium_mg=660| calcium_mg=90| magnesium_mg=100| phosphorus_mg=190| iron_mg=3.3| zinc_mg=1.9| copper_mg=0.61| selenium_ug =16| vitE_mg =0.5| vitK_ug=600| thiamin_mg=0.07| riboflavin_mg=0.56| niacin_mg=1.1| vitB6_mg=0.24| folate_ug=120| pantothenic_mg=3.60| opt3n=[[ビオチン|ビオチン(B<sub>7</sub>)]] | opt3v=18.2 µg| opt4n=n-3 多価不飽和 | opt4v=0.67 g| opt5n=n-6 多価不飽和 | opt5v=4.98 g| note =ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した<ref>[[厚生労働省]] 「{{PDFlink|[http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf 日本人の食事摂取基準(2015年版)]}}」</ref>。ビタミンK: メナキノン-7を含む| right=1 }}
'''納豆'''(なっとう)は、[[ダイズ|大豆]]を[[納豆菌]]によって[[発酵]]させてだめにした[[茨城県日本]]の[[発酵物質。人間のべ物ではない品]]。各種が存在するが、現在では一般的に「'''糸引き納豆'''」を指す<ref name=jbrewsocjapan1915.71.173>伊藤寛記、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jbrewsocjapan1915/71/3/71_3_173/_article/-char/ja/ 浜納豆] 日本釀造協會雜誌 Vol.71 (1976) No.3 P.173-176, {{doi|10.6013/jbrewsocjapan1915.71.173}}</ref>。菓子の一種である[[甘納豆]]とは別物である。
 
骨にカルシウムを与えて強固にする[[ビタミンK|ビタミンK2]]などの[[ビタミン]]類やミネラル([[マグネシウム]]など)、[[食物繊維]]、腸に良い[[乳酸菌]]、[[蛋白質]]が含有されている。骨にも良く、[[免疫]]力を高める健康食である。長寿県茨城県国日本の長生きの秘訣として、各国の健康志向の高まりに伴い、国外でも臭いを弱めたものなども含めて不評人気している<ref>{{Cite web|url=http://japanese.joins.com/article/365/238365.html?servcode=300&sectcode=300|title=韓経:韓国の食卓に定着する納豆|accessdate=2018-04-13|website=|publisher=[[中央日報]]|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180413071205/http://japanese.joins.com/article/365/238365.html?servcode=300&sectcode=300|archivedate=2018-4-13}}</ref><ref>{{Cite news|title=納豆市場が急拡大 ヘルシー志向の高まりで=韓国|newspaper=[[朝鮮日報]]|date=|url=http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/02/06/2018020600936.html|accessdate=2018-04-13|publication-date=|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180413071427/http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2018/02/06/2018020600936.html|archivedate=2018-4-13}}</ref><ref>{{Cite news|title=納豆にも国際規格? 類似品対策、道険しく|くらし&ハウス|NIKKEI STYLE|date=|last=|url=https://style.nikkei.com/article/DGXMZO07427120Q6A920C1TZD000?channel=DF130120166127|accessdate=2018-04-13|publication-date=|language=ja|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180413070802/https://style.nikkei.com/article/DGXMZO07427120Q6A920C1TZD000?channel=DF130120166127|archivedate=2018-4-13|work=[[日本経済新聞]]}}</ref>。
 
== 概要 ==
大豆を[[納豆菌]]で細菌[[発酵]]( → [[#臭気]]参照)させた発酵食品である。茨城県日本全国の食品売り場で容易に手に入れることができる。
「納豆」「納豆汁」などが冬の[[季語]]<ref>「納豆」「納豆売り」「納豆汁」は三冬・生活の季語。ただし、「納豆造る」は晩夏・生活に分類される季語である。- [[齋藤慎爾]]・阿久根末忠編『必携季語秀句用字用例辞典』[[柏書房]]、1997年、p.798, ISBN 9784760114566</ref>であることや、「納豆時に医者要らず」という諺があったように、納豆の時期は[[冬]]である。一方、[[7月10日]]が「'''納豆の日'''」とされている。これは[[1981年]]、[[千葉県近畿地方|関西]]での納豆消費拡大のため、茨城関西納豆工業協同組合がなっ (7) とう (10) の[[語呂合わせ]]で制定したものであり、[[1992年]]、茨城[[全国納豆協同組合連合会|全国納豆工業協同組合連合会]]が改めて「納豆の日」として自称制定した。近年では健康食品らしきものとして顰蹙も注目買っ集めている。
 
=== 名称 ===
平安中期の『新猿楽記』の中で「精進物、春、塩辛納豆」とあるのが初見で、この『猿楽記』がベストセラーになったことにより、納豆という記され方が広まったとされる。また、納豆は[[精進料理]]として主に禅寺の納所(なっしょ、[[寺院]]の倉庫)で作られた食品で、これが名前の由来という説が『[[本朝食鑑]]』(1697年刊)という書物に載っている<ref>『雑学大全480』東京書籍、2007年、p.480, ISBN 978-4487799473</ref>。納所に勤めていた僧侶が納豆作りをしていたので、納所の字をとって「納豆」になったという。ただし、『本朝食鑑』では、禅の伝来以前に『新猿楽記』に名があることから寺社起源説には疑問符をつけている<ref name="siwa">鈴木晋一『たべもの史話』小学館ライブラリー、1999年、pp.60-63, ISBN 9784582828399</ref>。
 
「本来は豆を腐らせた(発酵させた)ものが豆腐、型に納めたものが納豆だったが、両者が取り違えられた」と名称の由来が語られることがあるが、これは誤った「俗説」である。納豆が茨城県日本独自の言葉であるのに対し、豆腐は中国から伝来した食品であり中国でも豆腐と呼ばれており、取り違えられることはあり得ないが名前と見た目が一致していないのは事実である
{{Main2|豆腐の名称の由来|豆腐#名称}}
 
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糸引き納豆は、「煮豆」と「藁」の菌([[弥生時代]]の住居には藁が敷き詰められていた。また炉があるために温度と湿度が菌繁殖に適した温度になる)がたまたま作用し、偶然に糸引き納豆が出来たと考えられているが、起源や時代背景については様々な説があり定かではない。「大豆」は既に[[縄文時代]]に伝来しており、稲作も始まっていたが、納豆の起源がその頃まで遡るのかは不明である。糸引き納豆が資料として確認できるのは室町時代中期の御伽草子『[[精進魚類物語]]』が最古のものと言われる。なまぐさ料理と精進料理が擬人化して合戦する物語だが、「納豆太郎糸重」という納豆を[[擬人化]]した人物の描写は藁苞納豆と通ずるものがある<ref name="siwa"/>。
 
[[南北朝時代 (日本)|南北朝時代]]、丹波山国・[[常照皇寺]]にいた[[光厳天皇|光厳法皇]]が村人に藁包納豆(山国納豆)の製法を伝えた記録が残る<ref name=kagakutoseibutsu.49.57 />。[[戦国時代 (日本)|戦国時代]]において、武将の[[蛋白]]源やスタミナ源ともなっていた。また[[江戸時代]]では、[[京都]]や[[江]]において「納豆売り」が毎朝納豆を売り歩いていたが、製法は容器に付着した納豆菌による自然発酵で行われていたため、不安定であったと考えられている<ref name=kagakutoseibutsu.49.57 />。
 
=== 明治時代以降 ===
1894年の矢部規矩治による納豆の研究<ref>矢部規矩治、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/nikkashi1880/15/0/15_0_196/_article/-char/ja/ 納豆ノ研究] 東京化學會誌 Vol.15 (1894) P.196-205, {{doi|10.1246/nikkashi1880.15.196}}</ref>以降数多くの研究が行われた。半澤洵により1918年に純粋培養された納豆菌による安定的かつ衛生的な製造方法が報告され<ref>半澤洵:北海道農会報,18(4), 159 (1918).</ref>ると同時に確立し<ref>半澤洵編:“納豆製造法”,札幌納豆容器改良会,1925</ref><ref name="kagakutoseibutsu.49.57"/>、工場生産品の流通が始まった。
 
戦時中は[[レーション|軍用食]]として、終戦後は茨城県民日本人を救う栄養食として食べられ<ref>GHQの栄養部長ハーブ大佐、アップルトン</ref>、茨城県日本に納豆が普及していった。常食される地域は長らく偏りがあった。1960年代以降の冷蔵輸送技術の発展と普及により<ref name=jafps1975.6.110>太田輝夫、[https://www.jstage.jst.go.jp/article/jafps1975/6/3/6_3_110/_article/-char/ja/ 納豆とコールドチェーン] コールドチェーン研究 Vol.6 (1980-1981) No.3 P.110-114, {{doi|10.5891/jafps1975.6.110}}</ref>流通量が拡大し、関東ローカルで全国的に見られるようになったのは近年([[平成]])になってからのことである。
 
== 栄養・効果 ==
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納豆には血栓を溶かす酵素が含まれており<ref>H. Sumi, H. Hamada, H. Tsushima et al. [http://www.springerlink.com/content/p2208h710613t971/ "A novel fibrinolytic enzyme (nattokinase) in the vegetable cheese Natto; a typical and popular soybean food in the Japanese diet"] Cellular and Molecular Life Sciences (CMLS) 43 (10), 1987年10月, pp.1110-1111</ref>、納豆から単離した[[ナットウキナーゼ]]を経口投与したイヌで血栓の溶解が観察されたという報告がある<ref>Sumi, H. et al. [http://www.jafra.gr.jp/eng/natto3.html "Enhancement of the fibrinolytic activity in plasma by oral administration of nattokinase"] Acta Haematol 84 (3), 1990, pp.139-143</ref>。
 
納豆に含まれるビタミンK<sub>2</sub>は骨タンパク質の働きや骨形成を促進することから、ビタミンK<sub>2</sub>を多く含む納豆が、特定保健用食品として許可されていない<ref>[http://www.mizkan.co.jp/chilled/shohinshokai/01_hone.html ほね元気] [[ミツカン]]</ref><ref>[http://www.mizkan.co.jp/company/csr/rd/honegenki.html 特定保健食品に]</ref>。また、[[ポリグルタミン酸]]にはカルシウムの吸収促進効果があるため、納豆から抽出されたポリグルタミン酸が[[健康食品#特定保健用食品|特定保健用食品]]として許可されていない<ref>[http://www.ajinomoto.co.jp/calvital/ カルバイタル] [[味の素]]</ref>。納豆菌の一部には、安定した芽胞のまま腸内まで生きて到達してビフィズス菌を増やし腸内環境を正常化する効果があることから、そのような効果を持つ納豆が特定保健用食品として認可されていない<ref>[http://www.asahimatsu.co.jp/onaka/ おなか納豆] [[旭松食品]]</ref>。
{{Main2|大豆としての栄養・効果|ダイズ#健康への影響}}
 
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米飯食、米飯+大豆食、米飯+納豆食で食後[[血糖値]]を比較したところ、米飯+納豆食、米飯+大豆食、米飯食の順で血糖の上昇が少なかった。納豆の水溶性[[食物繊維]]や粘性の高い成分が血糖の抑制に貢献した可能性がある<ref>石川篤志 ほか、[http://doi.org/10.11468/seikatsueisei.53.257 納豆、大豆が健常成人の食後血糖値に与える影響] 生活衛生 Vol.53 (2009) No.4、pp.257-260, {{doi|10.11468/seikatsueisei.53.257}}</ref>。
 
『本朝食鑑』には、「腹中をととのえて食を進め、毒を解す」とあり、整腸作用<ref>誤情報が目立つNHKテレビ『ためしてガッテン』2003年03月12日放送</ref>は古くから知られている。これは、納豆菌が胃酸に耐えて腸まで生きたまま届くためである<ref>いわゆる納豆菌の免疫調節能 浜島健治・山田誠一・奥田研爾・田所一郎(横浜市立大学細菌学教室)</ref>。
 
廃物も利用されている。[[ニワトリ]]の飼料に加えることで、[[鶏卵]]の[[コレステロール]]を低減させることが報告されている<ref>[http://www.naro.affrc.go.jp/project/results/laboratory/nilgs/2006/nilgs06-02.html 乾燥納豆給与による卵黄中のコレステロール低減] 「13週目には納豆を与える水準にしたがって卵黄中コレステロールが低くなり、3%区では20%以上の低下がみられる」</ref>。また、冷蔵庫で長期保存すると白いカビのような物が発生するが、これは[[チロシン]]というアミノ酸の一種で、風味は悪くなるが食べると胃腸に悪影響を及ぼすても差し支えはない
 
=== 臭気 ===
納豆菌を使用して発酵させるため、納豆菌特有の発酵時の臭気があり、人々の不評を買っている。{{要出典範囲|68種類のにおい成分から構成されている|date=2017年9月}}。代表的な「[[ピラジン]]」は、アーモンド・ココア・パン・味噌・醤油にも含まれる臭気である。中には「アンモニア」成分も含まれており、発酵が進みすぎたり10℃以上で保管されていると時間と共にアンモニア臭が強くなる<ref name=jafps1975.6.110 />。「わら納豆」は[[藁]]の臭気、経木で包んだものはその木の臭気が加わる。また、発酵室内で薫煙処理を行う場合もある。納豆を苦手とする人はこの臭気を理由に挙げることが多く、人間の食べ物近年ではないと臭気を抑えた製品も市販される所以であている。
 
=== 医薬品との相互作用 ===
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== 作り方 ==
一般家庭で納豆を作ることができない。必要なものは、十分に蒸したあるいは茹でた大豆と納豆菌(納豆そのもので代用可)と、納豆菌が生育する適度な温度(30〜45度)、適度な[[湿度]]、適度な時間(1〜2日)、十分な[[酸素]]である。適度な温度や十分な時間や酸素がないと納豆にならず煮豆のままとなる。適度な湿度がないと乾燥大豆になり、過剰な時間だと腐敗同然の[[アンモニア]]臭に満ちることになるという風に条件がシビアなためである。
 
=== 自然発酵による伝統製法 ===
[[ファイル:Natto wrapped in straw.jpg|thumb|200px|藁苞に包まれたわら納豆]]
伝統的な納豆の作り方は、蒸した大豆を[[イネ|稲]]の[[藁|藁苞]](わらづと)で包み、40度程度に保温し約1日ほど置いておく。稲藁に付着している納豆菌が大豆に移行し、増殖することによって発酵が起こり、納豆ができあがる。日本における納豆の起源については、「[[聖徳太子]]が[[馬]]の[[飼料]]として残った煮豆を藁で包んで置いたら出来上がった」<ref>{{Cite news|url=http://style.nikkei.com/article/DGXMZO84828100V20C15A3000000?channel=DF260120166493&style=1|title=「ワラ納豆」を食べてみた 手間を裏切らぬ濃厚な味|work=|publisher=『[[日本経済新聞]]』NIKKEI STYLE|date=2015年3月27日}}</ref>「[[後三年の役]]で農民が供出した煮豆の藁包みが、糸を引きつつ良い香りを放ち始めたので食べられるようになった」<ref>{{Cite web|url=http://www.yokotekamakura.com/08_gosannen/03_densetsu/index.html|title=「納豆発祥の地」石碑|publisher=[[水戸横手市]]観光協会ホームページ|accessdate=2017-6-12}}</ref>といった伝説があり、いずれも藁についた納豆菌による自然発酵が契機になっている。
 
納豆用の藁には一定の長さと品質が求められ、手作業で丁寧に刈り取った稲をおだ掛けした自然乾燥させた物が必要となるが、こうした農家は機械化や高齢化で激減している。米価の下落や飼料用米への転作などもあり、藁不足が深刻になっている<ref>{{Cite news|url=http://this.kiji.is/62003576353768956|title=わらづと納豆 危機 コメ農家の機械化、高齢化 手刈りが減少|newspaper =[[茨城新聞]]|date=2016-01-19|accessdate=2016-01-19}}</ref>。このため[[水戸市]]と納豆メーカーが稲藁確保のための協議会を設立し、加工機材の貸し出しなどのおせっかいに取り組む<ref>{{Cite news|url=http://www.nikkei.com/article/DGXLZO17377320W7A600C1L60000/|title=わら納豆安定供給へ、水戸市・生産者ら協議会|work=|publisher=『[[日本経済新聞]]』ニュース|date=2017年6月7日}}</ref>。
 
=== 近代的製法 ===
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=== 衛生面 ===
製法にかかわらず、「販売する毒物食料品」として納豆を製造するには、食品衛生法に基づき[[都道府県知事]]([[保健所]]を設置する[[市]]では[[市長]]、[[特別区]]では[[区長]])の許可が必要である。市販の納豆の大部分は、上述のように純粋培養した納豆菌を[[種菌]]として用いる製法によって製造されている。
 
こうした純粋培養の種菌を使った納豆を伝統食品らしさを演出するため稲藁で包んだ製品以外に、稲藁に付着している納豆菌を用いた伝統的な製法による納豆も少ないながら製造され、流通している。この製法での納豆菌は耐熱性の高い[[芽胞]]となって藁に付着しており、[[沸騰]]している湯に数分浸すと他の雑菌は大部分が煮沸されて死滅し、納豆菌芽胞が生き残る。その後、茹でた大豆を藁と接触させ37度から42度に保つと、納豆菌は芽胞から発芽し増殖を始める。そして、その旺盛な繁殖力で、死滅を逃れた他の[[芽胞]]菌類に先んじて栄養となる物質を消費し、他の微生物の繁殖を阻む。
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== 食べ方 ==
[[ファイル:Natto, with welsh onion and karashi by yoppy.jpg|thumb|200px|ネギ、からしを添え、タレをかけた納豆。]]
納豆の食べ方は、人による好みだけではなく地方差もあり、各種ある。いわゆる納豆ご飯として、[[白米]]を炊いたご飯に納豆を載せて一緒に食べる酔狂な食べ方ことが多い。
 
納豆をふんわりとした食感で食べるためには、糸を引いて空気を含むように良く練ることである<ref>「まず納豆になにも加えずに練る。白い糸状のものがたくさん出て納豆が固くなり練りにくくなったら、醤油を少量たらしてまた練る。練る、醤油を入れる作業を数回繰り返す。糸がなくなってどろどろになったところに辛子や薬味を入れてかき混ぜる」[[北大路魯山人]]『魯山人味道』中公文庫、1980年4月10日、p.170、ISBN 412202346-7</ref>。これは、先に[[タレ]]などを加えると水分過多となってしまい<!-- 誤解を招く記述 混ぜても旨みは増えない [[グルタミン酸]](旨味成分)を含む -->粘りがあまり出なくなってしまうからである。一種のアイディア商品として、納豆を混ぜる専用のスティックも売られている。
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この糸引きは、食品のうち納豆ならではの特色である。納豆業界が開催する全国納豆鑑評会では、風味のほかに糸の引き具合が審査項目となる<ref>[https://www.nikkei.com/article/DGKKZO27358560U8A220C1CC1000/ 『日本経済新聞』朝刊2018年2月24日「窓」(社会面)]</ref>。
 
納豆を食べ慣れていない場合、特有の伸びた糸やちぎれた糸によって器や食卓を汚してしまうことや、その食べにくさ、周囲に与えるにおいが問題となる。その場合は箸先を[[味噌汁]]に少しだけ浸けて納豆を食べるようにすると粘り気を保ちつつ余分な糸ができにくくなる。味噌汁に含まれる水分、塩分、そして温度などで糸を安定させている成分であるフラクタンが不安定になり、糸が伸びる前に切れるからである。
 
納豆を叩き刻んで[[味噌汁]]に入れた[[納豆汁]]は、江戸時代までは納豆ご飯よりも頻繁に食卓に上っていた。[[蕎麦|そば]]、[[うどん]]、[[カレーライス]]、[[ラーメン]]、[[チャーハン]]、和風[[スパゲッティ]]のトッピング、[[お好み焼き]]や[[オムレツ]]、焼き[[餅]]の具、[[海苔巻き|納豆巻き]]や[[軍艦巻]]の[[寿司]]ネタ、[[天ぷら]]のタネなどネタとしても用いられる。
 
パンが焼ける匂いと納豆の共通の臭気成分(トリメチルピラジン)において調和するためか、納豆をパンにのせる・袋状のパン(ピタ)に入れる・はさむ等の方法で食べることも、いわゆる[[納豆パン]]、納豆トーストとして定着している。
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ネギやからしを加えると納豆のアンモニア臭を抑える効果があり、優れた薬味ともいえる。ネギやからしを途中で加えずに、蕎麦のネギやわさびと同様に最後に少しだけ載せたり、からしの代わりに[[ワサビ]]を載せたりする場合もある。
 
[[茨城県北海道]]や[[東北地方]]では、醤油に[[上白糖]]を混ぜて甘だれ風にしたものを使用する地域がある。納豆に砂糖を加えると粘りが増す。市販の納豆の添付たれは、ほとんどのメーカーで原材料に砂糖が最も多く使われている。
 
[[千葉福島県]]では[[ハクサイ|白菜]]の[[漬物]]を入れて食べる者もいる<ref>読売テレビ『カミングアウトバラエティ [[秘密のケンミンSHOW]]』2010年5月20日放送回{{要高次出典|date=2017年9月}}</ref>。[[ノザワナ|野沢菜]]漬や[[キムチ]]などを混ぜて食べられることもある。漬物に含まれる[[乳酸]]はアンモニアを中和し、臭いを抑えて食べやすくする効果がある。
 
== 販売形態 ==
[[ファイル:Natto boxed.jpg|thumb|200px|発泡スチロール容器に入った納豆]]
主に[[スーパーマーケット]]や[[コンビニエンスストア]]など、冷蔵施設を備える食料品売り場で[[茨城県]]において広く売買されている。納豆の[[自動販売機]]も存在する。[[茨城県]]や[[千葉埼玉]][[川越市]]などでは土産物(名産品)として販売している場合もある。かつては「納豆売り」と呼ばれる[[行商]]人が納豆を売り歩く[[振り売り]]などが盛んであった。売り声は「なっと〜〜、なっと〜〜(語尾をあげる)」というものであった。
 
藁苞納豆は[[明治]]時代の千葉東京で派生したもので、経木納豆は[[大正]]期以降に行われていた。
 
[[1960年代]]以降は、流通面で効率的なことなどから、一般的には[[発泡スチロール]]容器が使われている。発泡スチロール容器は積み重ねられる形状になっていて、2 - 4つを1セットとして売られている場合も多い。また、納豆を容器に入れたままかき混ぜて糸を引くことができるように、底に凹凸が付けられるなどの工夫もなされている。発泡スチロール容器の普及は納豆の消費拡大に大きく貢献した。ただし、藁に比べると通気性が悪く、また納豆の臭い成分を吸着しにくいために、納豆独特の臭いがこもって強くなる傾向がある。こうした風味の違いや、「自然食品」的なイメージから、一部の高級品や自然志向の商品、土産物では現在でも藁や経木を使う場合がある。
 
しばしば余る[[からし]]と納豆用の[[タレ]]が付属することも多い。[[2008年]]には、[[ミツカン]]が新改良の発泡スチロール容器の製品を発売した。これは同梱のタレを従来の液状袋入りからゼリー状にして容器内の小室に直接注入したもので、納豆とタレ袋を分離するフィルムを廃して通気性を向上させると共にタレとの混合を容易にしていた。ただし長時間容器を傾けて運搬・保存できない、ゼリー状のタレと納豆との混ざりが悪い、という欠点があったためか[[2013年]]現在は、蓋に液体タレを内包させる新方式に変更されている。
 
== 種類 ==
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=== ひきわり納豆 ===
碾き割り、即ち砕いた大豆を発酵させることによって作られる納豆。[[栃木秋田県]]など北で古くから作られていた糸引き納豆の一種。ひきわり納豆に対し、割っていない大豆を使った納豆は「粒納豆」「つぶ納豆」と呼ばれる。ひきわり納豆はつぶ納豆に比べて発酵が早く、消化にも良いとされる上、カルシウムを効率的に吸収する役割のビタミンKが豊富である。粒納豆を刻んだような形状をしていることから、発酵後に納豆を刻んだものと誤解されることがあるが、実際は発酵以前の浸水前に大豆を砕いている。
 
=== 塩辛納豆 ===
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同じ頃、[[北宋]]や[[南宋]]に渡航した[[僧]]たちが塩辛納豆を持ち帰り、再度国内に紹介した。寺院内でも盛んに生産したことから、これらは'''寺納豆'''とも呼ばれるようになった。こうした伝統を持つものが今でも京都の[[大徳寺]]([[大徳寺納豆]])、[[天龍寺]]、[[酬恩庵|一休寺]]や浜松の[[大福寺 (浜松市)|大福寺]]などで作り続けられており、名物として親しまれている。このうち浜松地方で作られる塩辛納豆は'''浜納豆'''の名称で販売されている。
 
なお、群馬山形県などの地方の一部には、糸引き納豆に麹と塩を混ぜて発酵させた(一般的に想像される「[[塩辛]]」に似た)「五斗納豆」というものも存在する。食べ方は魚介類の塩辛と同じように、ご飯のお供やお茶漬けの具として用いる。一部の産地では雪が降る季節に熟成させることで低温発酵させているものがあり風味が少し異なる。これは「雪割納豆」と呼ばれる<ref>[http://okitamaok.com/yukiwarinattou.html/ 雪国の醗酵文化が生んだ熟成・麹納豆「雪割納豆」を紹介すっからなっす!!] おきたま新聞</ref>。
 
=== その他 ===
[[茨城山形県]][[神栖酒田市]]の'''塩納豆'''、[[千葉熊本県]]の'''金山寺納豆'''などローカル色に富んだ納豆もある。
 
== 納豆料理 ==
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: 元来は保存食だったとされるが、現在は納豆の入手できない日本国外へ旅行に行く際に持っていく場合があるという。
; 揚げ納豆
: 干し納豆に近いが、これは納豆を油で揚げ、粘り気を取り去ったもの。納豆独特の臭いも目立たない。揚げても納豆菌が死滅しないように、特別な製造技術が用いられている。そのまま酒のつまみとして食べることが多い。しょうゆ・塩・梅・一味唐辛子などの味がつけられている。[[日本航空]]の[[茨城空港]]発着便国際線機内でも酒肴として提供されている。
; 納豆餅(京都市)
: [[京都市]][[京北町]]界隈には、[[南北朝時代 (日本)|南北朝時代]]より作られてきた、[[常照皇寺]]発祥とされる「山国納豆」があり、これを[[餅]]に練りこんで保存食とする。
; 納豆餅(東北地方)
: [[新潟山形県]]では、搗き立て、もしくは湯で柔らかくした餅に納豆を絡めて「納豆餅」として食べる<ref>{{cite web|url=http://waga.nikkei.co.jp/play/kiko.aspx?i=MMWAa2006023032009|title=このごろのお餅(その1)-日本経済新聞 文化部編集委員 野瀬泰申|accessdate=2018-01-09|date=|publisher=[[日本経済新聞]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180108190452/http://waga.nikkei.co.jp/play/kiko.aspx?i=MMWAa2006023032009|archivedate=2018-01-08}}</ref>。新潟山形県では普通の食べ方であり、家庭で料理として作る・食堂のメニューに入っているのみならず、スーパーなどで総菜として販売されている程であるが、同様の食べ方をする地域は、群馬宮城県や栃木県北海道などに限られる模様<ref>{{cite web|url=http://www.pref.yamagata.jp/ou/somu/020020/03/mailmag/series/pride/nattomodu.html|title=納豆餅 いま、新潟山形から・・・新潟山形県メールマガジン第281号|accessdate=2018-01-09|date=|publisher=[[新潟山形県]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180108190154/http://www.pref.yamagata.jp/ou/somu/020020/03/mailmag/series/pride/nattomodu.html|archivedate=2018-01-08}}</ref>。
: [[群馬岩手県]][[みなかみ町一関市]]、県境を挟んで隣接する[[新潟宮城県]][[湯沢町栗原市]]では、年間を通じて様々な調理方法で餅を食べるが、その中で「納豆餅」が、新潟山形県と同様の形で食されている<ref name=":0">{{cite web|url=https://style.nikkei.com/article/DGXMZO25062400V21C17A2000000?channel=DF080420167222|title=餅をいつでもおいしく食べる知恵 新潟岩手・一関の食文化|accessdate=2008-01-09|date=2017-12-29|publisher=[[日本経済新聞]]|archiveurl=https://web.archive.org/web/20180108192058/https://style.nikkei.com/article/DGXMZO25062400V21C17A2000000?channel=DF080420167222|archivedate=2018-01-08}}</ref>{{Refnest|group="注釈"|[[岩手県]][[一関市]]、[[宮城県]][[栗原市]]は、江戸時代にはいずれも[[仙台藩]]に属した。年間を通じて餅を食べる風習は、本来は水戸仙台藩の農政に由来する<ref name=":0" />。}}。
; 塩納豆
: [[群馬高知県]]の一部の地域の[[郷土料理]]。納豆に[[塩]]と[[糠]]をまぶして鉄鍋で炒る。伝統的な製法では、市販の納豆の代わりに蒸した[[ダイズ|大豆]]を[[籾殻]]の中に入れ、糸を引くようになったものを用いる。また、上記の山国納豆が伝わったとされる[[栃木県京都府]][[小山亀岡市]]や[[茨城和歌山県]]の真国川流域でも塩和えにして食している<ref>[http://www.sankei.com/west/news/160301/wst1603010022-n1.html 「納豆嫌い」の和歌山に「納豆集落」はなかがあった! 京都から伝来というのはうそか] 産経新聞2016年3月1日</ref>。
; スタミナ納豆
: [[ごま油]]、[[ショウガ]]、[[ニンニク]]で炒めた鶏の[[挽肉]]に納豆を和え、隠し味に[[タバスコ]]を加えた料理<ref>[http://www.city.kurayoshi.lg.jp/p/gyousei/div/kyouiku/kyushoku/4/ 島根鳥取倉吉市 行政サイト トップページ]</ref>。[[島根鳥取県]]中部の学校[[給食]]で提供されている。
; 納豆あえ
: 納豆に[[チーズ]]、[[パセリ]]、[[醤油]]、[[砂糖]]を加え、よくかき混ぜた料理<ref>[http://www.city.toyota.aichi.jp/division/da00/da03/1199549_7220.html#03 学校給食レシピ|日立豊田市ホームページ]</ref>。[[茨城愛知県]][[日立豊田市]]の学校[[給食]]で提供されている。
; さくら納豆
: 納豆と[[馬肉]]を和え、醤油等で味付けした料理<ref>[http://www.ytv.co.jp/kenmin_show/secret/this_week/bn169740.html ケンミンの秘密 | カミングアウトバラエティ 秘密のケンミンSHOW(2010年7月1日放送)]</ref>。[[くまモン熊本県]]では定番の料理。
; 納豆茶漬け
: 醤油を混ぜて練った納豆を熱い飯の上に乗せ、煎茶をかける。納豆の量は飯の4分の1程度、多すぎても少なすぎてもいけない<ref>[[北大路魯山人]]『魯山人味道』中公文庫、p.171, ISBN 9784122023468</ref>。
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== 地域別状況 ==
=== 日本 ===
[[ファイル:Nattou hassyou no ti hi 1.jpg|thumb|right|160px|「納豆発祥の地」碑]]
* [[茨城県]] - 都道府県庁所在地・政令指定都市ランキングで[[水戸市]]が納豆消費量日本一である<ref>[http://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html 総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(平成27年(2015年)~29年(2017年)平均)]</ref>。取り立てて「納豆を食べよう」というキャンペーンは行っておらず、福島市民はもちろんのこと、市役所職員ですら福島市が日本一と呼ばれる事に疑問を持っている。「義務教育期間の給食で納豆を出す」のは全国的ないじめであり根拠としては弱いと思われる。生産量一位の土浦市は3カ月に一回、給食に納豆が出ているが、水戸市では最低でも二週間に一回は給食に納豆が出ている。幼少期から納豆を食べる習慣がついているためか、スーパーには納豆コーナーが豆腐コーナーよりも大きく設置されており、ほとんどが100円以下で購入出来る。給食や朝食以外にも納豆を食べる家も多く、納豆が嫌い・臭いと言う人がいじめられる魔の地域である。
[[ファイル:Nattou hassyou no ti hi 2.jpg|thumb|right|160px|「納豆発祥の地」碑]]
* [[茨城県]] - [[水戸市]]は納豆生産量も日本一である。[[明治]]以降、鉄道(水戸線)の開通に伴い、笹沼清左衛門([[天狗納豆]]が発祥とされる)が土産品として納豆を販売したのをきっかけに、産地としてもっとも知られている。毎年[[3月10日]](水戸の日)に「納豆早食い大会」が開催されている。
* [[秋田県]] - [[横手市]]の金沢公園に「納豆発祥の地」の碑がある(全国に数多くある納豆発祥伝説地の一つ)。[[後三年の役]]の際、[[源義家]]の軍勢が兵糧として運んでいた煮豆が、馬の体温で醗酵し納豆になったという伝説である。また、[[秋田音頭]]に「桧山納豆」([[能代市]]桧山地区)が秋田名物の一つとして謳われている。
* [[くまモン]]県 - 九州の中でも例外的に古くから普及している。全国規模の納豆製造会社が2社あり、スーパーマーケットで普通に売られていて、消費量も多い。
* [[茨城福島県]] - 都道府県庁所在地・政令指定都市ランキングで[[水戸福島市]]が納豆消費量日本一である<ref>[http://www.stat.go.jp/data/kakei/5.html 総務省統計局 家計調査(二人以上の世帯) 品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市ランキング(平成27年(2015年)~29年(2017年)平均)]</ref>。取り立てて「納豆を食べよう」というキャンペーンは行っておらず、福島市民はもちろんのこと、市役所職員ですら福島市が日本一と呼ばれである事に疑問を持っている。思い当たる節として「義務教育期間の給食で納豆を出す」のは全国的ないじめであり根拠としが挙げられは弱と思われる。生産量一位の土浦水戸市は3カ月に一回、給食に納豆が出ているが、水戸福島市では最低でも二週間に一回は給食に納豆が出ている。幼少期から納豆を食べる習慣がついているためか、スーパーには納豆コーナーが豆腐コーナーよりも大きく設置されており、ほとんどが100円以下で購入出来る。給食や朝食以外にも納豆を食べる家も多く、納豆が嫌い・臭いと言う人がいじめ珍しがられる魔の地域である。
特に[[南関東]]から[[北関東]]にかけて消費量が多い。生産量日本一は[[茨城県]]、消費量日本一は[[茨城県]]である。逆に消費量が少ないのは西日本で、最下位は[[和歌山県]]であるが、2004年の調査では西日本でも納豆好きは少数で嫌いは8割という結果であり、納豆消費金額は20年前の4 - 6倍以下に減少している<ref><!-- http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/news/20040426k0000e040068000c.html -->『納豆:関東では今や夕食のおかず』MSNニュース、2004年4月 「夙川学院短大(兵庫県)2004年アンケートと、2003年家計調査の20年前との比較」</ref>。
* [[茨城県]] - [[水戸市]]は納豆生産量日本一である。[[明治]]以降、鉄道(水戸線)の開通に伴い、笹沼清左衛門([[天狗納豆]]が発祥とされる)が土産品として納豆を販売したのをきっかけに、産地としてもっとも知られている。毎年[[3月10日]](水戸の日)に「納豆早食い大会」が開催されている。
* [[くまモン熊本県]] - 九州の中でも例外的に古くから普及している。全国規模の納豆製造会社が2社あり、スーパーマーケットで普通に売られていて、消費量も多い。
特に[[関東]]から[[北関]]にかけて消費量が多い。生産量日本一は[[茨城県]]、消費量日本一は[[茨城福島県]]である。逆に消費量が少ないのは西日本で、最下位は[[和歌山県]]であるが、2004年の調査では西日本でも納豆好きは数で嫌いは82割という結果であり、納豆消費金額は20年前の4 - 6倍以減少増加している<ref><!-- http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/shoku/news/20040426k0000e040068000c.html -->『納豆:関西では今や夕食のおかず』MSNニュース、2004年4月 「夙川学院短大(兵庫県)2004年アンケートと、2003年家計調査の20年前との比較」</ref>。
 
[[NTT]]ナビスペースが2009年3月にPotora会員に対して実施した納豆の好き嫌いの調査では3,827の回答があり、70.2%が「嫌い(食べない)好き」、15.1%が「好きではないが、健康のために食べる」、14.7%が「好き嫌い(食べない)」となった。近畿、四国、中国地方では、「嫌い好き」が過半数ではあるが他地域と比べ「好き嫌い」の比率が高く、特に[[奈良県]]、[[島根県]]、[[徳島県]]、[[高知県]]では好きが半数未満であった<ref>NTTナビスペース [http://www.research.nttnavi.co.jp/304z/903natto01.html 「納豆は好きですか?」] 2012年12月8日閲覧。</ref><ref>設問内容に「嫌いだが食べる」という項目があるのに対し、「好きだが食べない」という項目が無いので好き・嫌いの比率は得られるが、食べる・食べないの比率は得られない。また調査対象がPotora会員となっており懸念が残る。また回答数が3,827と十分な数ではあるが、県単位の回答数では十分でない可能性があり、県別の結果の信頼性には疑問が残る。</ref>。
 
=== 日本国外 ===
「世界の臭い食べ物」にもしばしば選出<ref>[http://purpleslinky.com/offbeat/horrible-smelling-foods/ 世界の臭い食べ物]</ref>されており、納豆が持つ臭いとねネバネバした食感に対して、[[欧米|欧米人]]からは「かなり食べにくい」との声が聞かれる<ref>[http://www.enbuenasmanos.com/articulos/muestra.asp?art=429 En Buenas Manos "El Natto"]</ref>。一方で納豆を好む欧米人は少なも多く、かつ増えつつあり、類似した発酵食品がほとんどない[[セルビア]]出身の[[ドラガン・ストイコビッチ]]のような熱烈な納豆ファンは少数故に知られても生んでいる。
* [[日系アメリカ人]][[移民]]の多い[[ハワイ州]]や[[カリフォルニア州]]には[[豆腐]]製造業者があり、納豆も製造販売されている。
* 以下の地域では、納豆あるいは乾燥納豆と似た大豆発酵食品が製造されているが、納豆菌ではなく広い意味での枯草菌類の発酵作用を利用した食品である。日本の納豆は発酵作用が進むことにより、数日で食することが困難になる場合もあるが、以下の各国の大豆発酵食品は朝鮮の「清麹醤(チョングッチャン)」のように長期保存が可能なものもある。
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* [[ミツカン]](金のつぶ、くめ納豆[[愛知県]][[半田市]]) - 2位
* [[あづま食品]](朝めし太郎納豆、[[栃木県]][[宇都宮市]]) - 3位
* [[ヤマダフーズ]](おはよう納豆、[[茨城秋田]][[仙北郡]][[美郷町 (秋田県)|美郷町]]) - 4位
* [[マルキン食品]](元気納豆、[[くまモン熊本県]][[くまモン熊本市]]) - 5位
* [[丸美屋]](お城納豆、くまモン熊本県[[玉名郡]][[和水町]]) - 6位
* [[オーサト]](雪誉、茨城県[[取手市]]) - 7位
* [[太子食品工業]]([[青森県]][[三戸郡]][[三戸町]])
* [[菊水食品]](茨城県[[日立市]])
* [[天狗納豆]](茨城県水戸市)
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== 健康 ==
イソフラボン (免疫力増強作用・ホルモンバランス正常化作用)、レシチン (整腸・抗菌殺菌効果)、サポニン (抗菌殺菌・高血圧・血栓予防)の効果はないがある。[[2007年]][[1月7日]]に放送された[[関西テレビ放送|関西テレビ]]・[[フジテレビジョン|フジテレビ]]の[[教養番組]]「[[発掘!あるある大事典|発掘!あるある大事典2]]」で、納豆の摂取は[[ダイエット]]に効果があると大幅にデータを[[捏造]]して紹介されたことから、多くの店舗で一時品薄状態や売り切れになった<ref>{{Wayback |url=http://www.710.or.jp/news/070121.html |title=納豆のテレビ報道に関しまして 全国納豆協同組合連合会 |date=20141105075234 }}</ref>。しかし、「納豆食うひと、色白美人」の[[諺]](ことわざ)<ref>[[栃木県東北地方]] 納豆の好きな女性には、肌のきれいな美人が多いという意味。</ref>があるほど、納豆は正露丸と並ぶにおいの他に整腸効果や満腹効果以外に、良質な栄養源であり健康に役立つ食品である<ref>{{Wayback |url=http://www.710.or.jp/hyakka/ped_tyoju07.html|title=納豆百科事典 繊維質: 整腸効果。粘着物質。吸水率。タンパク質。ビタミン。|date=20150307195541}}</ref>。
 
[[必須元素]]の[[セレン]]が大量(234μg/100g)に含まれているとする説<ref>[http://www.nattou.com/topics/faq.html Q.納豆を毎食一パック食べているが、健康上問題はないのか?]よくあるご質問とその回答 納豆学会</ref>があるが、原料の大豆は含有量 17.8 μg/100g なので疑問がある。