「ジャカード織機」の版間の差分

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穴の有無に従って上下する金属針とシャフトを連動させてシャフトを個別に上下させ、穴によって指示された経糸だけを引き上げて横糸を通し、[[織組織|カードのパターン]]通りの模様を織る。それまで複雑な模様の布を織ることは非常に手間がかかったが、模様に対応したパンチカード('''紋紙'''と呼ばれる)によって織機の糸の上げ下ろしを制御することで、格段に簡単になった。初めは人力を用いたが、19世紀半ばに[[蒸気機関]]を用いた力織機に応用された。
 
しかしジャカード織機は操作が複雑すぎたため、約40年後の1843年により操作が簡単な[[{{仮リンク|ドビー織機]]|en|Dobby loom}}が発明され、簡単なパターンの模様の場合はドビー織機が使われるようになった。ドビー織機は簡単なパターンの模様しか織ることしかできないが、簡単なパターンでも長大な紋紙を読み込ませる必要があったジャカード織機に比べて、ドビー織機はわずか16枚の穴の開いた板('''紋板'''と呼ばれる)を用意するだけで良く、織る速度も速くなった。
 
現在は複雑な模様の織物をジャカード織、連続した模様やストライプなどの簡単な模様(ドビー柄)の織物をドビー織と呼んでいるが、近年では紋紙や紋紙がコンピュータデータ化されて物理的に用意する必要が無いため、どちらのタイプの布でもジャカードで織られていることが多い。特にネクタイはほとんどジャカードで織られる。なお、現在の織機はジャカードやドビーと言った開口装置と織機本体が分離されていて、別々のメーカーや別々の方式のものをそれぞれ組み合わせて使えるが、織機本体ではエアジェット織機やウォータージェット織機と言ったジェット織機が普及しているため、それらと組み合わせると織る速度が比較的遅いジャカード織機でも19世紀とは比較にならないすさまじい速さで布が織られる。