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=== 主題 ===
[[1878年]]当時の競売カタログには「印象・日の入り」と記載されていることを理由に、[[日の出]]ではなく[[日の入り]]を描いたとする説があった<ref name="yomiuri2016">[[読売新聞]] 2016年3月2日 夕刊 11頁</ref>。これについて[[マルモッタン美術館]]の2014年の研究によると、描かれた方角は当時モネが滞在した現地のホテルが1830年創業のアミロテホテルであること、画中の水門や太陽の位置などから、風景は港の南東で太陽の昇る時刻に描かれたと判明し、日の出が画題であることが確定した。<ref>[[#marmottan2015|モネ展図録(2015: 22-23)]]。</ref>
この絵に描かれた実際のル・アーヴル港は、第二次世界大戦の爆撃で失われてしまっている。しかし、地図や絵画など多数の資料が残されているため風景に描かれたモチーフは詳細に特定できる。19世紀後半のル・アーヴル港は国の出資により大規模な工事が行なわれていた。画面右側に描かれているのはア・ブラと呼ばれる土を掘り出すための手動式回転クレーンである。その更に後ろに描かれた3本の垂直線は、ミ=マレ船渠に停泊する船のマストである。船渠は1872年当時は完成したばかりであり、画面左側には船渠の水を抜く施設の煙突が見える。画面中央には船渠の入り口となるトランザトランティク水門が描かれ、入渠できるよう開門されていることから満潮時の水門を描いていることがわかる。<ref>[[#marmottan2015|モネ展図録(2015: 19-22)]]。</ref>
 
=== 画法 ===