「スピノサウルス」の版間の差分

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日本での化石の公開や寄贈について加筆しました。
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=== 食性 ===
[[バリオニクス]]や[[スコミムス]]等の近縁種から想像されるその頭部はやや細長く、現生の魚食性[[ワニ]]である[[インドガビアル]]を思わせる。歯も、魚食性ワニのような“鱗が張り付きにくい表面構造のもの”に類似しており、[[魚]]を主食としていた可能性が高い。近年の[[化石]]に対する[[コンピュータ断層撮影|CT]]検査では鼻腔には細孔が無数にある。ワニのようと同様に、この細孔に水中でセンサー動きを感知するための[[感覚器]]が集中していたと推測され、このことから主に水辺~水中でも活動し獲物を得ていたと思われる<ref name=bbc>[[英国放送協会|BBC]]制作DVD『プラネット・ダイナソー BBCオリジナル完全版』「Episode1:失われた世界」より。</ref>。この一方、現生のワニやクマのように、機会があれば魚以外にも他の恐竜やその死体なども食料としていたと考えられる(事実、近縁種で同じく魚食性が強かったと思われる[[バリオニクス]]の化石では、消化器官にあたる部位から[[イグアノドン]]の未消化の骨が見つかっている)。[[オンコプリスティス]](軟骨魚類ノコギリエイ目)の化石と共に発見されることが多く、2005年に発見された化石には同種の骨の破片が確認されており、両者が捕食者、被捕食者の関係にあったと考えられている<ref name=bbc/>。
 
白亜紀の現アフリカ大陸北部に当たる地域では[[カルカロドントサウルス]]、[[デルタドロメウス]]、そして本種の3種類の肉食恐竜が存在していた。これらは主食となる獲物の対象を異にしていたが、時にはカルカロドントサウルスに襲われることもあったらしく、カルカロドントサウルスに棘突起を噛みちぎられたと思われるスピノサウルスの脊椎も見つかっており、競合しつつ共存していたことがうかがえる(この事例は、スピノサウルスが四足歩行であったか、二足歩行だとしても従来考えられていたよりも脚が短かったと思われ、後述の説を補強する間接的な証拠にもなっている)<ref name=bbc/>。