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[[File:Barrè chord index finger barrè indice.jpg|thumb|right|人差し指でのバレー]]
'''バレー'''(''Barre'')()・または'''セーハ'''([[スペイン語|西]]:ceja '''セーハ'Ceja'')とは、[[ギター]]・[[ウクレレ]]等の[[撥弦楽器]]において用いられる、一本の[[指]]で同[[フレット]]上の複数の[[弦 (楽器)|弦]]を同時に押弦する奏法のこと。バレーを用いたコードフォーム([[和音]]を演奏する際の弦の押さえ方)を'''バレーコード'''(''Barre chords'')と呼ぶ。(バレーのみでコードフォームを作るわけではなく、通常はバレーしていない指での通常の押弦を併用する。)
 
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== 解説 ==
[[image:Guitar_barre_chord.jpg|thumb|right|Fコード型のコードフォーム例]]
指一本につき弦一本を押さえるコードに比べ、バレーコード指一本で複数の弦を押さえるため、通常の押弦の際により強い力を要する。コツを掴めば、必要以上に力をかけずに押さえる事ができるが、一般に初心者には難しいテクニックとされる。ギターおいて最も代表的なバレーコード『F』を覚える事はギター初心者にとって最初の難関とも言われFコードが押さえられずに挫折してしまうというケースもしばしば見られる。Fコードのようなローポジション(ヘッド側)ほど難しいがFード掴めば必要以上に力をかけなくとも押さえる事が出来、慣れれば演奏はギター初心者にとって最初幅・表現難関ともに広が言われる。
 
バレーは開放弦(弦を押さえずに音を出す弦)を使わないコードフォームで多用される。コードフォームにはいくつの形があるが、一つのフォームを覚えれば、その形のまま押さえるポジションをハイポジション(ブリッジ側)あるいはローポジションに移動するだけで多数のコードを鳴らす事が可能になり、指板上をくまなく使用できる。例えば、[[バレーコード#コード表|コード表]]に示した「Fコード・F#コード・Gコード」の例では、Fコードのフォームをそのまま移動することでF#・Gコードを押さえている。また、同じ[[和音#コードネーム|コードネーム]]でもハイポジションで別の押さえ方をすることが可能になる。故り、演奏の幅・表現ともテクニックとして必須なのであ広がる。
 
=== 人し指でのバレー ===
(各コードのフォームについては[[バレーコード#コード表|コード表]]を参照。)
 
人差し指でのバレーの典型的な目的は、いわば人差し指に[[カポタスト]]の役目をさせる事だと言える。例えばし指で1〜6弦1フレットをバレーし、その上にEコードの形を中指・薬指・小指で作ればFコードとなる。また、人し指で1〜5弦(あるいは1〜6弦)2)2フレットをバレーし、その上にAコードの形を作ればBコードとなる。
 
ロックなどでは、Fコードを押さえる際に人し指は1,2弦だけをバレーし、6弦1フレットは親指で押さえて指の負担を減らす等、しばしば代替法や簡略化したフォームも使用される(いわゆるロックフォーム)。これは、ロックではチョーキングを多用するためネックを深く握るフォームが有利であり、[[エレキギター]]や[[スティール弦アコースティックギター]]は[[クラシックギター]]よりネックが細いため親指を使用しやすいという事情のためでもある。
Fコードのフォームをそのまま1フレット分ハイポジションに移動すればF#(G♭)コードとなり、さらに1フレット分ハイポジションに移動すればGコードとなるなど、一つのフォームでいくつものコードを演奏することが可能になる。
 
その他、ローポジションのAコードでも人し指先の腹の部分を使って2〜4弦をバレーするプレイヤーもいる。
ロックなどでは、Fコードを押さえる際に人指し指は1,2弦だけをバレーし、6弦1フレットは親指で押さえて指の負担を減らす等、しばしば代替法や簡略化したフォームも使用される(いわゆるロックフォーム)。これは、ロックではチョーキングを多用するためネックを深く握るフォームが有利であり、[[エレキギター]]や[[スティール弦アコースティックギター]]は[[クラシックギター]]よりネックが細いため親指を使用しやすいという事情のためでもある。
その他、ローポジションのAコードでも人指し指先の腹の部分を使って2〜4弦をバレーするプレイヤーもいる。
 
=== 薬指でのバレー ===
ローポジションのBコード等で使用する。人指し力が入りにくい左手薬のバレーと併用を人差、且つ左手薬は力が入り難いバレーと同時に行うためFコードなどよりしく、易度が高い。Bコード型のフォームでは薬指で3,4弦をバレーし、2弦は小指で押弦する代替法もある。薬指バレーを使用せず、中指・薬指・小指で通常の押弦を行うプレイヤーも多い。
 
== コード表 ==
=== 凡例 ===
*’------’は弦、’|’はフレット、左側のアルファベットは各弦のチューニング、’X’は[[ミュート (ギター)#余弦のミュート|ミュート]]。上から1弦、2弦、3弦の並びで表す。
上から1弦、2弦、3弦の並びで表す。また、押弦する指の一般例を各弦の右に、各弦のチューニングを各弦の左に示す。
------ : 弦
| : フレット
X : [[ミュート (ギター)#余弦のミュート|ミュート]]
● : 人差し指バレーで押さえるポジション
◎ : 薬指バレーで押さえるポジション
○ : バレーではない通常の押弦をするポジション
 
*=== Fコード・F#(G♭)コード・Gコード。1〜6弦をバレー。 ===
●は人差し指バレーで押さえるポジション、◎は薬指バレーで押さえるポジション、○はその他の指で通常の押弦をするポジション。また、一般的な押弦する指を各弦の右に示す。
1〜6弦をバレー。
 
<b>F</b>
*Fコード・F#(G♭)コード・Gコード。1〜6弦をバレー。
<pre>
F
E |--●--|------|------|-- 人(バレー)
B |--●--|------|------|-- 人(バレー)
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<b>F#(またはG♭)</b>
F#(G♭)
E |------|--●--|------|------|-- 人(バレー)
B |------|--●--|------|------|-- 人(バレー)
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1 2 3 4
 
<b>G</b>
E |------|------|--●--|------|------|-- 人(バレー)
B |------|------|--●--|------|------|-- 人(バレー)
57 ⟶ 61行目:
E |------|------|--●--|------|------|-- 人(バレー)
1 2 3 4 5
</pre>
 
*=== Fmコード ===
1〜6弦をバレー。
<b>Fm</b>
<pre>
Fm
E |--●--|------|------|-- 人(バレー)
B |--●--|------|------|-- 人(バレー)
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E |--●--|------|------|-- 人(バレー)
1 2 3
</pre>
 
=== Bコード・Bmコード ===
*Bコード・Bmコード。1〜5弦を人差し指でバレー。Bコードでは2〜4弦を薬指でバレー。2弦を小指で押さえたり、薬指バレーせずに中指・薬指・小指で通常の押弦をするプレイヤーもいる。
<pre>
<b>B</b>
E |------|--●--|------|------|-- 人(バレー)
B |------|--●--|------|--◎--|-- 薬(バレー)
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1 2 3 4
 
<gallery mode=packed heights=200px>
Bm
File:Barrè a base di la maggiore con mini barrè.jpg|薬指バレーで押さえた例(Bコード)
File:Barrè a base di la maggiore 2 - a major shape bar chord 2.JPG|薬指バレーを使用しない例(B♭コード: Bコードを1フレット分ヘッド側に移動)
</gallery>
 
<b>Bm</b>
E |------|--●--|------|------|-- 人(バレー)
B |------|--●--|--○--|------|-- 中
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E |------|--X---|------|------|-- ミュート
1 2 3 4
</pre>
<gallery mode=packed heights=200px>
File:Barrè a base di la maggiore con mini barrè.jpg|薬指バレーで押さえた例(Bコード)
File:Barrè a base di la maggiore 2 - a major shape bar chord 2.JPG|薬指バレーを使用しない例(B♭コード: Bコードを1フレット分ヘッド側に移動)
</gallery>
 
{{commonscat|Guitar chords|ギターのコード}}