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『'''特警ウインスペクター'''』(とっけいウインスペクター)は、[[1990年]](平成2年)[[2月4日]]から[[1991年]](平成3年)[[1月13日]]まで[[テレビ朝日]]系で毎週日曜日8時00分から8時30分([[日本標準時|JST]])に全49話が放送された、[[東映]]制作の[[特撮テレビ番組一覧|特撮テレビドラマ]]。「[[メタルヒーローシリーズ]]」の第9作にあたる。
 
== 概要 ==
{{出典の明記|section=1|date=2015年5月12日 (火) 01:46 (UTC)}}
=== 特徴 ===
大きな特徴としては、従来のヒーロー作品のように怪人を率いる悪の組織が存在せず、犯罪や災害等から人々を救うというコンセプトが挙げられる<ref name="最強114">{{Harvnb|最強戦士列伝|2014|p=114|loc=「総論『ウインスペクター』とは何だったのか?」}}</ref><ref name="宇147UA">{{Harvnb|宇宙船147|2014|pp=112-113|loc=「宇宙船Archives 特警ウインスペクター」}}</ref>。
 
当時、[[東京・埼玉連続幼女誘拐殺人事件]]の影響によって漫画・アニメはおろか特撮も批判の対象にされていた<ref>{{Cite book|和書|year=1998|month=8|title=スーパーヒロイン画報|pages=|author=|publisher=[[竹書房]]|id=ISBN 4-8124-0388-X}}</ref>{{efn|[[バンダイ]]で玩具開発を担当していた[[野中剛]]は、新聞への投書が直接的な要因であったことを証言している<ref name="宇147堀">{{Harvnb|宇宙船147|2014|pp=110-111|loc=「特別対談 [[堀長文]]×[[野中剛]]」}}</ref>。}}。そのため、「悪を倒すだけが正義ではない」というメッセージを視聴者に伝えるためにいわゆる「怪人」キャラや「レギュラーとしての悪の組織」をあえて登場させず、犯人を倒さず逮捕するという内容や、人命救助を重点においた<ref name="最強114" /><ref name="宇147堀" /><ref name="宇152">{{Harvnb|宇宙船152|2016|pp=102-103|loc=「特別対談 [[宮下隼一]]×[[野中剛]]」}}</ref>。その結果として、設定面ではヒーロー番組らしいSF的要素を取り入れているが、ストーリーは一般向けの刑事ドラマに近い現実的かつハードな作風のものが非常に多くなっている<ref name="最強114" /><ref name="宇147堀" />。
 
このほか、メタルヒーローシリーズとしては初めてとなる、全篇を通しての集団ヒーロー体制が導入されている。それ以前にも途中参入による集団ヒーロー化はあったものの、当初から集団ヒーローとして登場したのは本作品が初となる。これ以降、メタルヒーローシリーズはこれまでの単独ヒーロー体制から、集団ヒーロー体制へと方向転換することとなる。
 
強化服の着脱の描写もリアリティを志向しており、特にタイムリミットの設定は物語に緊迫感を持たせ、任務完了時にヘルメットを外して爽やかに汗を飛び散らせる描写は本作品を象徴するものとなっている{{Sfn|最強戦士列伝|2014|pp=110、114}}<ref name="宇147UA" />。
 
ウインスペクターの装備の多くは武器ではなく救助用装備と設定されており、人命救助に重点を置いていることを強調している<ref name="宇147UA" />。ただし、剣型のマックスキャリバーなど武器にしか見えないものも多く{{efn|ファイヤーのスーツアクターを務めた[[横山一敏]]は、マックスキャリバーを見て武器にしか見えないことに疑問を感じたという<ref name="宇148">{{Harvnb|宇宙船148|2015|pp=110-111|loc=「特別対談 [[横山一敏]]×野中剛」}}</ref>。}}、怪人が登場しないため生身の人間に使用するケースもあり、過剰な装備と言われることもあった<ref name="宇148" />{{efn|バンダイの野中剛は、怪人の登場しないヒーロー番組のあり方にスタッフは苦心していたと証言している<ref name="宇148" />。}}。
 
事件解決後は必ずしもハッピーエンドとは限らず、悲劇的な結末を迎えるエピソードも数多い。また、事件の複雑化で1話では解決できない場合は、前後編構成も用いられる。
 
=== 評価 ===
{{要出典範囲|視聴率は好調であり、日曜朝8時に放送された特撮番組の中では平均・最高と共に最高の視聴率を記録している。|date=2016年4月}}
 
玩具面についてレスキュー装備という設定を不安視する声もあったが<ref name="宇148" />、[[バンダイ]]の林田伸一は「厳しかった中でも大型武器のギガストリーマーのようなものは好調で新規需要を開拓・拡大できた」と述べている<ref>{{Cite journal|和書|year=1991|month=10|journal=トイジャーナル1991年2月号|pages=|author=|publisher=トイジャーナル編集局}}</ref>。玩具開発を担当した[[野中剛]]は特警手帳なども好調であったと証言している<ref name="宇148" />。ギガストリーマーは前作から導入された大型武器を発展させて「1号武器との合体」という要素を加え、以後のシリーズでも恒例となった{{Sfn|宇宙船156|2017|pp=134-135|loc=「RPSF RESCUE POLICE SECRET FILES 第10回」}}。
 
またアクションフィギュア『スーパーリアルボイスDXファイヤーテクター』では日本のテレビキャラクター玩具として初めて音声合成チップを内蔵し、次作『[[特救指令ソルブレイン]]』をはじめ以後の様々な商品へと波及していった{{Sfn|宇宙船147|2014|p=118|loc=「名作SF3Dモデル・ワールド BUILT.28 特警ウインスペクター スーパーリアルボイスDXファイヤーテクター」}}。
 
=== 備考 ===
前作まで石井ゴシック体だったオープニング・エンディングのクレジットテロップが、本作品より石井明朝体(東映特撮作品では先に『[[仮面ライダーBLACK RX]]』{{efn|主題歌歌手・ナレーターも本作に引き継がれている。}}で使用)となり、3作後の『[[特捜ロボ ジャンパーソン]]』まで使用されている。
 
また、『[[巨獣特捜ジャスピオン]]』初期より省略されていたアイキャッチ映像が復活した。
 
本作からCDアルバムの「ヒット曲集」が2枚リリースされるようになり、挿入歌が前作までの倍近くに増えた。
 
第4話は監督陣の間で誰が担当するか取り合いになったといい、脚本を執筆した[[宮下隼一]]はそれを嬉しく思い後年のインタビューでも記憶に残ったエピソードとして挙げている<ref name="宇152" />。
 
『[[仮面ライダー電王]]』などの脚本家・[[小林靖子]]は、本作の第25話「雨に泣くロボット」を見て脚本家になろうと決意したと語っている。
 
雑誌展開では、『[[宇宙刑事シャリバン]]』以来しばらく掲載しなかった[[小学館]]の「[[てれびくん]]」が復活。以後『[[仮面ライダーシリーズ|平成仮面ライダーシリーズ]]』に移行するまでのシリーズ最終作の『[[テツワン探偵ロボタック]]』まで[[1990年代]]以降のシリーズの全作品を掲載した。
 
== あらすじ==