「ヴィレンドルフのヴィーナス」の版間の差分

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この小像は、写実的な肖像というより、むしろ理想化された女性の姿を表している。像の女陰、乳房、膨張した腹部は非常に顕著であり、多産・豊穣との密接な関係を示唆している。小さな腕は乳房の上でまとまっており、像には明瞭な顔面がない。頭部は、組み紐の巻いたものや、目、頭飾りの一種と考えられるもので覆われている。
 
ヴィーナスという綽名は、肥満体ともいえるこの小立像を古典的な「[[ウェヌス|ヴィーナス女神]]」のイメージと比較させずにおかないが、現代の分析では異論が生まれている。「こういう小立像を皮肉にも《ヴィーナス》と名づけるのは、未開社会についての、女性についての、あるいは美意識についての、現代におけるある種の仮定にぴったりと合うのだ」と[[クリストファー・ウィットコム]]は指摘している<ref>[http://witcombe.sbc.edu/willendorf/ 『先史時代の女:ヴィレンドルフのヴィーナス (Women in Prehistory:The Venus of Willendorf)』]</ref>。同時にまた、この像を旧石器時代の古ヨーロッパ文化の[[地母神]] (Earth Mother goddess) に同定することに対する、専門的見地からの異論もある。ある専門家は{{誰|date=2012年4月}}、像が太っているのは、[[狩猟採社会]]におけるこの女性の高い地位を表すものだと述べ、また、像が、明らかな多産・豊穣に加えて、安全と成功の象徴であった可能性を示唆している。
 
立像の脚は、自立して立っていられるような形には作られていない。このため、像は、単に眺めるためではなく、むしろ携える目的で造られたと想像されている。ある考古学者は、この像は、[[太母|太母神]] (Mother Goddess) の聖像というより、単なる幸運のお守りだと言っている。他の学者は{{誰|date=2012年4月}}、この像は、おそらく多産の護符として、膣に挿入するようデザインされた可能性を提起している。