「進水式」の版間の差分

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進水式と同時に船の命名式が行われるのが通例。ただし大型船で[[ドック]]にて建造された場合、進水はドックへの注水となるため命名式のみとすることがある<ref>[http://www.jsanet.or.jp/seminar/text/seminar_173.html 進水式のシャンパン割りはバイキング時代の生けにえの名残り(日本船主協会ホームページ)2014年7月7日閲覧]</ref>。式次第は船台進水もドック進水もほぼ同様だが進水式が終わると、[[艤装]]が開始され、それが終了するとようやく竣工し船舶として完成体となる。進水式の場合はそれがたとえ量産型の船舶であっても必ず一隻ごとに催す。
 
大型船の進水式では地元民を招待したり一般公開するなど、イベント的な要素もある<ref>[https://www.zaikei.co.jp/releases/677877/ 常石造船 2018年9月20日、8万トン級ばら積み貨物船の進水式を一般公開(常石造船株式会社 プレスリリース)] - [[財経新聞]]</ref><ref>[https://this.kiji.is/410411716956849249?c=39546741839462401 【平成の長崎】漁船進水式を見学 諫早の有喜中生徒が歓声 平成4(1992)年] - [[長崎新聞]]</ref>。
== 概要 ==
 
==起源==
西洋で行われていた進水を祝う催しが装飾や儀式に変化していったという説がある<ref name=trafficnews81351_1>[https://trafficnews.jp/post/81351 シャンパン瓶を船にぶつけて祝う「進水式」、本当は怖い儀式? 変化したそのあり方] - 乗りものニュース</ref>。[[ヴァイキング]]は進水式において人間を[[生贄]]として捧げていたたとされ、後には生贄ではなく[[血]]を連想させる[[赤ワイン]]を使う風習となり、さらに[[白ワイン]]から[[シャンパン]]に変化したのが通説とされる<ref name=trafficnews81351_1 />。
 
== シャンパン ==
[[File:140329-N-PO203-344 (13503531194).jpg|thumb|right|[[ニール・アームストロング (調査船)]]の命名進水式でシャンパンボトルを割るカリ・アームストロング(ニールの孫娘)]]
前述のように進水式では[[シャンパン]]の[[ボトル]]を船体に叩きつける儀式が行われるが、法律で規定されているわけではないのでワインやウイスキーなど他の酒類が使われることもある。[[2014年]]に行われた[[イギリス海軍|英海軍]][[航空母艦|空母]][[クイーン・エリザベス (空母)|クイーン・エリザベス]]の命名式では、同艦が[[スコットランド]]の[[ロサイス]]で建造されたことから[[ボウモア蒸留所]]の[[スコッチ・ウイスキー]]が選ばれ、[[エリザベス2世|エリザベス女王]]自ら命名とともにギミックのボタンを押し、無事にボトルが割られた<ref>{{Cite news|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3019751?ctm_campaign=nowon|title=英女王、新空母に命名「クイーン・エリザベス」 英海軍最大|work=AFPBBNews|publisher=フランス通信社|date=2014-07-05|accessdate=2014-07-07}}</ref>。
 
日本では[[日本酒]]を使う場合もある<ref>[https://www.kaijipr.or.jp/mamejiten/fune/fune_19.html 船のなるほど 「進水式ってなにをするの[ - [[日本海事広報協会]]</ref>。
 
進水式では、[[シャンパン]]などの[[ボトル]]を船体に叩きつける儀式が行われる(日本でも、上述のように支綱切断によってボトルが叩きつけられるような仕組みになっていることが多いが、[[日本酒]]などを使う場合もある)。これは[[18世紀]]前半に[[赤ワイン]]のボトルを船体に叩きつけた事が起源とされている。[[1811年]]、当時のイギリス皇太子・[[ジョージ4世 (イギリス王)|ジョージ4世]]が軍艦の進水で、その役目を[[女性]]にあてるよう決めたことから、西欧では女性がボトルを割るのが慣習化し伝統として確立した。進水式の際に、船に当たったボトルが割れないと、その船は不幸になると言われている<ref name=":1" />。
 
== 概要内容 ==
[[画像: Mackinaw_actual_launch_2005-04-02.jpg|thumbnail|220px|造船台から川に滑り落とす進水式の様子。]]
[[File:Marsuinul launching.jpg|thumb|ルーマニア海軍 潜水艦 [[マルスィヌル]] 進水式]]
進水式には大別して2種類ある。
 
進水する方法には、造船台に乗ったままドックに水を注入して進水式とする場合「ドック進水」と、造船台から進水台を滑り水面に入水する場合「船台進水」がある。このうち、造船台から進水台を滑り水面へと入る進水式の場合、通常は船側または船尾から水に入る。これは、船首側から進水すると勢いが付きすぎてしまい、場合によっては転覆してしまう恐れがあるためである。
 
現代では大型船は安全性が高いドック進水が一般的である<ref name=trafficnews81351_2>[https://trafficnews.jp/post/81351/2 シャンパン瓶を船にぶつけて祝う「進水式」、本当は怖い儀式? 変化したそのあり方] - 乗りものニュース</ref>
 
[[日本]]における進水式では、まず命名式が行われた後、支綱切断の[[儀式]]を行う。この支綱は[[くす玉]]と[[シャンパン]]などに繋がれており、切断と連動してシャンパンなどが船体に叩きつけられると同時に船名を覆っていた幕が外れ、くす玉が割られ、くす玉本体とその周辺から大量の[[紙テープ]]・[[紙吹雪]]などが舞う中、進水台を滑り(またはドックに注水し)進水となる<ref name=":2">[http://onozo.co.jp/ja/ceremony 進水式情報] 尾道造船 2017年7月17日閲覧</ref>。
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[[海上自衛隊]]では、命名式を行った後、続けて造船会社による進水式を行うため『命名進水式』と称している<ref>[http://www.mod.go.jp/msdf/formal/operation/meimei.html 海上自衛隊:活動内容:命名・進水式] </ref>。
 
進水式では、[[シャンパン]]などの[[ボトル]]を船体に叩きつける儀式が行われる(日本でも、上述のように支綱切断によってボトルが叩きつけられるような仕組みになっていることが多いが、[[日本酒]]などを使う場合もある)。これは[[18世紀]]前半に[[赤ワイン]]のボトルを船体に叩きつけた事が起源とされている。[[1811年]]、当時のイギリス皇太子・[[ジョージ4世 (イギリス王)|ジョージ4世]]が軍艦の進水で、その役目を[[女性]]にあてるよう決めたことから、西欧では慣習化し伝統として確立した。進水式の際に、船に当たったボトルが割れないと、その船は不幸になると言われている<ref name=":1" />。
 
[[2014年]]に行われた[[イギリス海軍|英海軍]][[航空母艦|空母]][[クイーン・エリザベス (空母)|クイーン・エリザベス]]の命名式では、同艦が[[スコットランド]]の[[ロサイス]]で建造されたことから[[ボウモア蒸留所]]の[[スコッチ・ウイスキー]]が選ばれ、[[エリザベス2世|エリザベス女王]]自ら命名とともにギミックのボタンを押し、無事にボトルが割られた<ref>{{Cite news|url=http://www.afpbb.com/articles/-/3019751?ctm_campaign=nowon|title=英女王、新空母に命名「クイーン・エリザベス」 英海軍最大|work=AFPBBNews|publisher=フランス通信社|date=2014-07-05|accessdate=2014-07-07}}</ref>。
 
[[古代ローマ]]では進水する船を清めるために[[ワイン]]が使われたほか、[[ヴァイキング]]は[[奴隷]]などを[[生贄]]として神にささげて船の進水を祝ったと言われている。
 
[[神道]]式で進水式を斎行する時の一例として、まず[[手水]]、[[修祓]]、降神、献饌、[[祝詞]]奏上を行ってから、[[神職]]が米や塩や酒や切麻などで船を清める。次に神職は[[命名]]書を船主に進め、船主は舳にて命名書を読む。次に[[玉串]]拝礼、撤饌、昇神を行い、神職は忌斧を船主に渡す<ref>出雲大社教教務本庁『出雲大社教布教師養成講習会』1989年9月全427頁中278頁</ref>。