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=== 試作型 ===
[[ファイル:MiG-23Prototyp.jpg|thumb|250px|MiG-23のプロトタイプである23-11可変翼試作戦闘機]]
; [[23-01 (航空機)|23-01]](01('''MiG-23PD'''、'''МиГ-23ПД'''<small>ミーク23ペデー</small>、'''Ye-230''')
: [[:vi:H%C3%ACnh:Mig-23pd.jpg|23-01]][[:vi:H%C3%ACnh:Mig-23pd.gif|23-01の三面図]]
: STOL試作[[戦闘機]]。[[MiG-21 (航空機)|MiG-21]]と同じ、尾翼付きデルタであるが、胴体側面に円形の空気取り入れ口を配置し、機首に大型の[[レドーム]]を備えていた。武装は2連装23mm[[機関砲]]を搭載。主[[エンジン]]はMiG-21が装備していたR-11F2S-300を改設計したR-27-300(推力7,800kg)で、胴体内にリフトエンジンとして2基のコリェソフRD-36-35(推力2,350kg)を装備していた。[[1967年]][[4月3日]]に初飛行して以来、数回実験を行うが、リフトエンジンが飛行中に完全な死重となることに加え、リフトエンジンに機体内部空間を割り当てねばならぬため燃料や機材の搭載量が限定されるなどの不都合が多いことがすぐに判明。こうした欠点に加え将来の発展性も失望されたため、開発中止となった。1967年[[7月]]のドモデドヴォ航空ショーに登場した際、西側は[[NATOコードネーム]]「'''フェイスレス'''(Faithless:不信心者)」と名付け、本機が[[ソビエト連邦|ソ連]]の次期戦闘機の有力候補と見ていた。
; 23-11('''MiG-23'''、'''МиГ-23'''<small>ミーク23</small>、'''Ye-231''')
: 可変翼試作戦闘機。技術的問題から開発の遅れていた[[レーダー]]を搭載しておらず、機体性能の試験機として用いられた。エンジンは23-01と同じR-27-300。1967年[[6月10日]]に初飛行。上記の23-01が開発中止になったため、本機が採用された。
; 23-31('''MiG-21PD''')
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=== 初期型 ===
[[ファイル:Mig-23s.jpg|thumb|250px|MiG-23S]]
; [[MiG-23S (航空機)|MiG-23S]]'''(23S('''{{lang|ru|МиГ-23С}}'''<small>ミーク23エース</small>
: 前線[[戦闘機]]として開発された初期量産型。所期の高性能[[レーダー]]が間に合わなかったため、当時の[[MiG-21 (航空機)|MiG-21]]に搭載していたのと同じサプフィール21(RP-22)レーダーを搭載していた。このため戦闘能力は限定的で、MiG-23の主兵装となるはずであった中距離[[ミサイル]]も使用できず、赤外線誘導式のK-13(AA-2)AAM(空対空ミサイル)を4発搭載した。ミサイルの誘導装置としては、デーリタNとラズーリSが搭載された。[[エンジン]]は[[ツマンスキー R-27|R-27]]が搭載された。[[1969年]]から[[1970年]]にかけて[[モスクワ]]の[[ズナーミャ・トルダー]]で少数が生産されたのち、主として[[練習機]]として使用された。の1年後には、システムのアップグレードや改善などを行った機体に生産が変更となり、名称が'''MIG-23SM'''に変更となった。NATOのコードネーム'''フロッガーA'''の名称が与えられた。
; [[MiG-23UB (航空機)|MiG-23UB]](23UB('''{{lang|ru|МиГ-23УБ}}'''<small>ミーク23ウベー</small>
: MiG-23Sをもとに開発された複座の戦闘訓練戦闘機で、転換用高等[[練習機]]としても用いられた。レーダーは装備しないものの、限定的な戦闘能力は有していた。だが、MIG-23ML以降のレーダー誘導を使用する中射程のAAMでの射撃訓練に使用される際には制約が発生するため、レーダー波照射ボットを搭載した。量産機では機体構造は中期型に準じたものに修正され、エンジンは[[ツマンスキー R-29|R-27F2M-300]]となり主翼も張り出しのあるものに変更された。複座型は、他機種におけるのと同様「スパールカ」の愛称で呼ばれた。生産は[[1970年]]から[[1978年]]まで[[イルクーツク]]の[[イルクーツク航空機工場]]で行われた。NATOのコードネームは'''フロッガーC'''
 
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[[ファイル:MIG_23_MF_Poland_0012.jpg|thumb|250px|MiG-23MF]]
前線[[戦闘機]]として開発された。
; [[MiG-23M (航空機)|MiG-23M]]('''23M({{lang|ru|МиГ-23М}}'''<small>ミーク23エーム</small>
: [[ソビエト連邦|ソ連]]国内向け型。[[エンジン]]は[[ツマンスキー R-29|R-29B-300]]となり、主翼の可変翼の前縁付け根部には半円形の切り込みが付けられており、可変翼を後退させると[[ドッグトゥース (航空)|ドッグトゥース]]を形成して翼端失速を防いでいる。機首の火器管制レーダーはパルス・ドップラー・レーダーのサプフィール23D-Sh[[レーダー]]を搭載した。このレーダーは、アメリカのF-4Jに搭載されていた、AN/AWG-10レーダーから取得した情報を基に開発されたと言われており、射程外射程(BVR)AAMのR-23(AA-7)が搭載可能となり、[[MiG-21 (航空機)|MiG-21]]クラスの目標であれば距離55kmで探知可能で、35kmの距離からR-23により攻撃することが可能となった。このレーダーの搭載により、機首部の電波透過材部の形状が大幅に変更となった。また、初めて本格的な採用となった赤外線探知装置としてTI-23を装備した。これは、のちにTI-23-1によって更新された。ミサイル誘導装置としては、デーリタNGとラズーリSMが搭載された。NATOのコードネームは'''フロッガーB'''。
;:; [[MiG-23M(E) (航空機)|MiG-23M(E)]]'''{{lang|ru|МиГ-23М(Э)}}'''<small>ミーク23エメー</small>
:: 輸出型。[[ワルシャワ条約機構]]外への輸出用で、機体能力は大幅にダウングレードされていた。サプフィール21レーダーを装備し、赤外線探知装置は装備しなかった。赤外線誘導型のR-23Tは運用可能であったものの、レーダー誘導型のR-23Rは運用できなかった。主として[[アラブ諸国]]で運用された。輸出は[[1973年]]より開始された。
;:; [[MiG-23MS (航空機)|MiG-23MS]]('''23MS({{lang|ru|МиГ-23МС}}'''<small>ミーク23エメース</small>
:: 輸出型。サプフィール21を装備した。ワルシャワ条約機構外への輸出用で、エンジンがR-27、レーダーが「ジェイバード」になるなど、機体能力は大幅にダウングレードされていた。サプフィール21レーダーを装備した。赤外線誘導型のR-23Tは運用可能であったものの、レーダー誘導型のR-23Rは運用できなかった。主として[[アラブ]]諸国や[[アフリカ]]諸国で運用された。輸出は[[1973年]]より開始された。
;:; [[MiG-23MF (航空機)|MiG-23MF]]('''23MF({{lang|ru|МиГ-23МФ}}'''ミーク23エメーフ</small>
:: ワルシャワ条約機構向け輸出型。MiG-23Mとほぼ同規格の機体で、MiG-23Mと同じサプフィール23Dレーダーを搭載した。輸出は[[1977年]]より開始され、のちにワルシャワ条約機構外へも輸出された。
 
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[[ファイル:Mig-27.jpg|thumb|250px|MiG-27ML]]
[[戦闘爆撃機]]として開発された。
; [[MiG-27 (航空機)|MiG-23B]]('''{{lang|ru|МиГ-23Б}}'''<small>ミーク23ベー</small>
: MiG-23MSをもとに開発された初期型。ソーコル23S照準システムフォーン・レーザー測距儀などの対地攻撃用機器を装備した。[[エンジン]]は国内対抗機のSu-17Mと同じ[[AL-21 (エンジン)|AL-21F-3]]が搭載された。[[1971年]]に初飛行し、[[1972年]]から[[1973年]]にかけて24機がモスクワのズナーミャ・トルダーで生産された。これらは実際に部隊配備され、習熟訓練に用いられた。
;:; [[MiG-27 (航空機)|MiG-23BM]]('''{{lang|ru|МиГ-23БМ}}'''<small>ミーク23ベエーム</small>
:: [[ソビエト連邦|ソ連]]国内向け型。MiG-23Mをもとに開発され、エンジンも同じ[[ツマンスキー R-29|R-29B-300]]に変更された。[[1972年]]に初飛行し、MiG-27として制式採用された。
;:; [[MiG-27 (航空機)|MiG-23BN]]('''{{lang|ru|МиГ-23БН}}'''<small>ミーク23ベエーヌ</small>
:: 輸出型。
; [[MiG-27 (航空機)|MiG-27]]('''{{lang|ru|МиГ-27}}'''<small>ミーク27</small>
: ソ連国内向け型。
; [[MiG-27 (航空機)|MiG-23R]]('''{{lang|ru|МиГ-23Р}}'''<small>ミーク23エール</small>
: 前線[[偵察機]]型。Su-17シリーズが偵察機として十分な能力を発揮したため不要となり、計画のみに終わった。
; [[MiG-27 (航空機)|MiG-23BK]]('''{{lang|ru|МиГ-23БК}}'''<small>ミーク23ベカー</small>
: ソ連国内向け型。[[1974年]]に初飛行し、[[1976年]]から[[1982年]]までの間に197機が製造された。[[1980年]]にMiG-27Kと改称された。
; [[MiG-27 (航空機)|MiG-27K]]('''{{lang|ru|МиГ-27К}}'''<small>ミーク27カー</small>
: ソ連国内向け型。
; [[MiG-27 (航空機)|MiG-27R]]('''{{lang|ru|МиГ-23Р}}'''<small>ミーク23エール</small>
: 前線偵察機型。Su-17シリーズが偵察機として十分な能力を発揮したため不要となり、計画のみに終わった。
; [[MiG-27 (航空機)|MiG-27M]]('''{{lang|ru|МиГ-27М}}'''<small>ミーク27エーム</small>
: ソ連国内向け型。MiG-27Kを補完する目的で開発されたややグレードの劣る派生型。1976年に初飛行し、[[1978年]]から[[1983年]]までの間に[[ウラン・ウデ]]の[[ウラン・ウデ航空機工場]]で162機が製造された。
; [[MiG-27 (航空機)|MiG-27D]]('''{{lang|ru|МиГ-27Д}}'''<small>ミーク27デー</small>
: ソ連国内向け型。MiG-27をMiG-27M仕様に改修したもの。
;:; [[MiG-27 (航空機)|MiG-27MLバハドゥール]]('''{{lang|ru|МиГ-27МЛ БАХАДУР}}'''<small>ミーク27エメール・バハドゥール</small>
:: 輸出型。[[1986年]]に初飛行した。生産・運用国の[[インド]]では'''MiG-27Mバハドゥール'''と呼ばれている。
 
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[[ファイル:MIG-23-hatzerim-1.jpg|thumb|250px|MiG-23MLD(輸出型)イスラエルの国籍マークをつけているのはイスラエルが捕獲したシリア空軍機であるため(垂直尾翼にシリアの国籍マークが残っている)]]
主として、迎撃任務もこなせる高規格の[[マルチロール機|多目的戦闘機]]として開発された。
; [[MiG-23A (航空機)|MiG-23A]]('''М23A({{lang|ru|иГМиГ-23А}}'''<small>ミーク23アー</small>
: 前線[[戦闘機]]として開発された試作型。
; [[MiG-23ML (航空機)|MiG-23ML]]('''23ML({{lang|ru|МиГ-23МЛ}}'''ミーク23エメール</small>
: 後期型の初期型。垂直尾翼前縁から胴体背部まで伸びていたドーザル・フィンが大型化され、機体構造の軽量化と主翼の前縁フラップを強化しており、飛行性能は飛躍的に向上したとされる。火器管制レーダーは能力向上型のサプフィール23ML系列の「アメジスト」[[レーダー]]が搭載されたと言われている。これにより、85km先の目標を探知可能となり、新しい[[R-24 (ミサイル)|R-24R]][[ミサイル]]の搭載により、55kmの距離から攻撃が可能となった。赤外線探知装置も新しく更新され、TI-23Mの装備により35km先の目標を探知可能となり、赤外線誘導方式のR-13TAAMによる長射程迎撃能力を有している。ミサイル誘導装置は、ラズーリSMLに更新された。機体後部にあるエアーブレーキの前に、レベールNレーダー警戒装置のセンサーを収容したブリスター型のフェアリングが取付けられ、[[敵味方識別装置]]のSPO-2Mを装備して、戦闘能力が大幅に向上した。[[エンジン]]も当時としては非常に高出力な部類に入る、アフターバーナー時推力12990kg(127.4kN)の[[ツマンスキー R-35|R-35-300]]が搭載されており、胴体中心線下面には、23mm機関砲を収容したUPK-23-250ガン・ポッドを搭載できるようになった。[[1974年]]より生産された。NATOのコードネームは'''フロッガーG'''。
; [[MiG-23UM (航空機)|MiG-23UM]]('''23UM({{lang|ru|МиГ-23УМ}}'''<small>ミーク23ウエーム</small>
: 複座の戦闘訓練戦闘機で、MiG-23ML仕様としたもの。
; [[MiG-23P (航空機)|MiG-23P]]('''23P({{lang|ru|МиГ-23П}}'''<small>ミーク23ペー</small>
: [[ソビエト連邦|ソ連]]国内向け型。低空目標の迎撃用に用いられた迎撃専用型で、MiG-23MLに自動操縦装備と連結したデータリング装置を装備して、火器管制レーダーはルックダウン・シュートダウン能力を付与した改良型のサフィール23系列の「アメジスト」レーダーが搭載されていた。赤外線探知装置も更新され、MiG-25PDのものに準じたTI-26の装備により60km先の目標を探知可能となった。[[1977年]]より生産され、[[ソ連防空軍]]で使用された。
; [[MiG-23MLA (航空機)|MiG-23MLA]]('''23MLA({{lang|ru|МиГ-23МЛА}}'''ミーク23エメラー</small>
: 後期型の中期型。MiG-23Pの空軍型で、電子妨害対処能力を高めたアメジストレーダーを搭載しており、赤外線探知装置は、TI-26が装備された。ASP-17MLヘッド・アップ・ディスプレイ(HUD)を装備するなどで、R-24R/Tミサイルの搭載能力が付与されている。[[1978年]]から[[1983年]]まで生産された。
; [[MiG-23K (航空機)|MiG-23K]]('''23K({{lang|ru|МиГ-23К}}'''<small>ミーク23カー</small>
: [[艦上戦闘機]]型。MiG-29KおよびSu-27Kと競合したが、試作は中止さ計画初期に敗ている
; [[MiG-23MLD (航空機)|MiG-23MLD]]('''23MLD({{lang|ru|МиГ-23МЛД}}'''ミーク23エメルデー</small>
: 後期型の後期型。サプフィール23MLAレーダーを搭載しており、機体の[[ピトー管]]に[[ボルテックス・ジェネレーター]]が取付けられ、主翼の固定部前縁部に新たな張り出しを設けることで、大[[迎角]]の飛行時に強力なボルテックスを発生させることで、迎角時の限界を高めて、機動性を向上させている。赤外線探知装置は、TI-26が装備されており、機体後部には[[チャフ]]・[[フレア (兵器)|フレア]]ディスペンサーの装着が可能となっている。また、主翼の可変翼の後退角が変化しても兵装パイロンを常に機体中心線との平行を維持する、スウィベリング式の兵装パイロンを装備している<ref>それ以前の機体には、可変翼の最前進位置用の兵装パイロンしかなく、後退角が変わると大きな空気抵抗を発生させるためほとんど使用されなかった。</ref>。兵装は赤外線誘導式のAAMではR-73(AA-11)、中射程のAAMではR-27(AA-10)が新たに搭載が可能となった。[[1984年]]から生産が開始された。NATOのコードネームは'''フロッガーK'''。
; [[MiG-23MLD (航空機)|MiG-23MLG]]('''23MLG({{lang|ru|МиГ-23МЛГ}}'''ミーク23エメルゲー</small>
: MiG-23MLDの発展型。新型のアクティブ妨害装置や照射式警告観測装置を搭載する予定であった。MiG-29の実用化に伴い計画は中止された。
; [[MiG-23MLD (航空機)|MiG-23MLS]]('''23MLS({{lang|ru|МиГ-23МЛС}}'''ミーク23エメレース</small>
: MiG-23MLDの発展型。MiG-23MLGの輸出型として計画された。
; [[MiG-23MLD (航空機)|MiG-23MLDG]]('''{{lang|ru|МиГ-23МЛДГ}}'''ミーク23エメルデゲー</small>
: MiG-23MLDの発展型。新型のアクティブ妨害装置や照射式警告観測装置を搭載する予定であった。
 
=== 近代化改修型 ===
MiG-23シリーズの近代改修案として提示された派生型。
; [[MiG-23-98 (航空機)|MiG-23-98]]('''98({{lang|ru|МиГ-23-98}}'''<small>ミーク23-98</small>
: [[マルチロール機|多用途戦闘機]]型の近代化改修型。使用国の要求に合わせて3段階のアップグレードに対応できるとされており、[[R-27 (ミサイル)|R-27(AA-10 アラモ)]]や[[R-77 (ミサイル)|R-77(AA-12 アッダー)]]などの各種新型[[ミサイル]]の運用が可能となっている。[[1998年]]に提示された。[[アンゴラ]]のMiG-23がこの規格に改修されている。
; [[MiG-27 (航空機)|MiG-23B-98]]('''{{lang|ru|МиГ-23Б-98}}'''<small>ミーク23ベー-98</small>
: MiG-23BNの近代化改修型。[[1998年]]に提示された。