「アナキズム」の版間の差分

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{{出典の明記|section=1|date=2016年3月12日 (土) 00:31 (UTC)}}
[[ファイル:Kropotkin Nadar.jpg|thumb|[[ピョートル・クロポトキン]]]]
政治思想としては、一般に[[左翼]]と呼ばれる。しかし、その内容は多様であり、一個の思想というより、複数の思想の総称といえる。たとえば歴史上のアナキズムの古典とされる[[プルードン]]、[[ミハイル・バクーニン|バクーニン]]、[[ピョートル・クロポトキン|クロポトキン]]の三人においてさえ、思想はまったく異質である。資本主義のシステムを批判したプルードンのアナキズム([[プルードン主義]]、"無政府連合主義")はフランス流の合理的思考の影響を引き摺り、革命の運動論と組織論を展開したバクーニンのアナキズム([[バクーニン主義]]、"[[集産主義的無政府主義|無政府集産主義]]")は[[青年ヘーゲル派|ヘーゲル左派]]的な[[ヘーゲル学派|ヘーゲル主義]]の色彩を色濃く残し、相互扶助による社会を構想したクロポトキンのアナキズム([[クロポトキン主義]]、"無政府共産主義")は徹底して反ヘーゲル的である。彼らに共通するのは思想内容よりも、自由を強固に求めるというアナキズム的傾向である。
 
=== マルクス主義との対立 ===
[[カール・マルクス|マルクス]]は[[プロレタリア独裁]]の立場から、[[ピエール・ジョゼフ・プルードン|プルードン]]を根強く酷く批判し、またバクーニンとは[[第一インターナショナル]]において激しく論争した。そのためバクーニン以後のアナキストは自らを「反[[権威主義]]者」と位置づけ、マルクスを「権威主義者」として批判し、マルクス主義者は[[第二インターナショナル]]においてアナキズムを敵視した。このため伝統的なアナキズム思想史やマルクス主義思想史ではマルクスはアナキズムと敵対的と見なされ、[[資本論]]などでも「無政府性」は批判的に使われている。しかしマルクスもまた国家についての究極的立場は「国家の死滅」であり、その意味ではマルクスの思想もまたアナキズムだともいえる。さらにマルクス以前の、やはり権威主義的傾向とされる[[ブランキ]]もまた到達すべき社会は「規則ある無政府」であるという。これは無秩序としての無政府ではなく、固有の秩序を持つ無政府のことであり、それを求めるブランキもまたアナキストの側面がある。<ref>千坂恭二「バクーニンとクロポトキン。アナキズムとマルクス主義の対立史観の由来について」『情況』2009年5月号</ref>
 
また多くのアナキストは、[[プロレタリア独裁]]を根拠に[[共産党]]の[[一党独裁制]]を行い[[国家主義]]の強い[[マルクス・レーニン主義]]を「[[国家社会主義]]」({{en|state socialism}})とも呼んだ。これに対してマルクス・レーニン主義者、特に[[コミンテルン]]などの[[スターリン主義]]者は、アナキストを統一的な理論や戦略を持たない無責任な[[極左冒険主義]]、あるいはコミンテルンを批判し利敵行為を行っているとして裏切り者と呼ぶこともあった{{要出典|date=2016年3月12日 (土) 00:31 (UTC)}}。
 
=== アナルコ・サンディカリスム ===