「内之浦宇宙空間観測所」の版間の差分

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SS-520ロケットによってTRICOM-1R20180203打ち上げ
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|superseding =
|jurisdiction = [[内閣府]]・[[総務省]]・[[文部科学省]]・[[経済産業省]]
|headquarters = [[鹿児島県]][[肝属郡]][[肝付町]]南方1791-13<br />
{{coord|31|15|04|N|131|04|34|E|display=inline}}
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}}
 
[[Image:Mu Rocket Launcher plete.jpg|thumb|250px|M型ロケット発射装置のプレート(2001年8月15日、内之浦宇宙空間観測所、当時は鹿児島宇宙空間観測所)]]
{{mapplot|131.081|31.251|内之浦宇宙空間観測所}}
 
'''内之浦宇宙空間観測所'''(うちのうらうちゅうくうかんかんそくしょ、英語:Uchinoura Space Center、略称:'''USC''')は、[[鹿児島県]][[肝属郡]][[肝付町]](旧[[内之浦町]])にある[[日本]]の宇宙空間観測施設・[[ロケット]][[射場|打ち上げ施設]]である。世界でも珍しい山地に立つロケット発射場である。敷地面積は704,345㎡<ref name="uchinoura">{{cite web|url=http://www.jaxa.jp/projects/pr/brochure/files/centers04.pdf|title=内之浦宇宙空間観測所リーフレット|accessdate=2018-09-27}}</ref>
 
2007年に[[DOCOMOMO JAPAN選定 日本におけるモダン・ムーブメントの建築]]に選ばれた。
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* [[観測ロケット]]等の多種多様な小型[[ロケット]] 全200機以上
**[[2018年]][[2月3日]]、[[SS-520ロケット]]5号機によって超小型衛星[[TRICOM-1|TRICOM-1R]]が打ち上げられた<ref>{{Cite web |url=http://www.meti.go.jp/press/2017/02/20180203001/20180203001.html |title=小型ロケットSS-520 5号機の打上げに成功しました |publisher=経済産業省 |date=2018-02-03 |accessdate=2018-02-03}}</ref>。
計約400機が打ち上げられている<ref name="uchinoura"/>
 
== 主な施設 ==
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* Mセンター(ミューセンター)
*: 標高210m、面積25,000㎡のミューロケットの発射台地(打ち上げ施設)で、ロケット組立、打ち上げ管制、発射装置(発射塔とランチャー)などの機能を持つ<ref name="uchinoura"/>。[[ロケットエンジンの推進剤#固体ロケット|固体燃料ロケット]]としては世界最大級の[[M-Vロケット]]の打ち上げに使用されていた。M-Vロケット廃止に伴いイプシロンロケット打ち上げ用に改修が行われた。[[2001年]]までは2基目のラムダ発射台が設置されており、ロケットセンターがKSセンターに改修された後のラムダロケットの打ち上げに使用されていた。
* KSセンター
*: 標高276m、面積7,000㎡の小型の[[SS-520]][[S-520ロケット]]、[[S-310ロケット]]、[[MT-135ロケット|MT-135型観測ロケット]]の発射台地で、ロケット組立、打ち上げ管制のコントロールセンター、ランチャーなどの機能を持つ<ref name="uchinoura"/>。ラムダ発射台([[国立科学博物館]]前に展示がある)等の設備を有していたロケットセンターの跡地に建設されたものである。ランチャーは高さ約17mの鉄筋コンクリート製ランチャードームの屋内に設置されている。打ち上げ時には天井が開く仕組みとなっており、ロケットはドーム内で打ち上げ態勢に入り、そのまま打ち上げられる。[[1970年]][[2月11日]]に日本初の人工衛星「[[おおすみ]]」はここから打ち上げられた<ref name="uchinoura"/>
* 打ち上げ管制センター
*: 内之浦宇宙空間観測所で打ち上げられるロケットの打ち上げ管制を行う施設。最悪の場合の爆破指令もここで行う。ロケットの最終段燃焼終了後、衛星・探査機の管制は[[相模原キャンパス (JAXA)|宇宙科学研究所]]([[神奈川県]][[相模原市]])内の管制センターに引き継がれる。
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** 34メートルアンテナ
**: 地球周回軌道の科学衛星及び宇宙探査機との交信を行うアンテナ。S帯及びX帯の送受信に対応し、[[電波の周波数による分類#マイクロ波の周波数帯|Ka帯]]の受信にも対応している(受信装置は未整備)。1998年度に完成した。[[臼田宇宙空間観測所]]64mアンテナのバックアップとしても位置づけられている。
* イプシロン管制センター(ECC)
*: イプシロン用に宮原地区に新たに建設された施設。発射管制室、衛星管制室、気象室、打ち上げ時の周辺の陸海空域の安全確認を行う総合防災室、企画調整室、打上げ実施責任者室、会議室等が設けられている<ref name="uchinoura"/>。
* 宇宙科学資料館
*: ロケットや科学衛星、科学機器のモデルなどが展示されている。開館時間 08は8:30〜1630~16:30、原則として年中無休入館料無料である
 
60cm反射式天体望遠鏡は日本光学工業(現[[ニコン]])製。衛星追跡用として開発が行われたもので、国内では珍しい[[グレゴリー式望遠鏡|グレゴリアン式反射望遠鏡]]となっている。
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多くの建物が[[1970年代]]の物、もしくはそれに改修を加えた物であり、設備も古く1970年代の管制装置を[[2006年]]初頭まで運用していた。管制室内で雨漏りまでする状態であったが、その箇所から機材を遠ざけるなどして対処していた。[[1997年]]のM-Vロケット1号機の打ち上げ直前に、[[アメリカ航空宇宙局]](NASA)の宇宙科学局長である{{仮リンク|ウェズリー・ハントレス|en|Wesley Huntress}}らが視察に訪れた際には、「[[マリリン・モンロー]]が[[浮浪者]]の服を着ているみたいだ」と老朽化した施設、設備を嘆いたという<ref>[http://www.isas.jaxa.jp/docs/ISASnews/No.191/isas.html#nasa ISASニュースNo.191 1997.2 ★NASA宇宙科学局長のKSC来訪] </ref><ref> [http://www.isas.ac.jp/ISASnews/No.200/ksc.html ISASニュースNo.200 1997.11 鹿児島宇宙空間観測所]</ref>。
 
[[文部省]]時代には敷地にフェンスは存在しなかったが、[[宇宙航空研究開発機構]]が発足して半官半民の組織となったため、施設管理がシビアになったことと、宇宙観測機の打ち上げ等で人的被害が出ることを危惧して対応が行われた。敷地内には糸川英夫博士生誕100周年記念銅像と「おおすみ」記念碑が並んで設けられている<ref name="uchinoura"/>
 
== 所在地 ==