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福井作品らしく、自衛隊の存在意義といったものを提起した内容であるが、原作を意識し、その「歴史を変えようとしながら歴史に呑み込まれていく」という原則を守りながら、それに抗う者達の思いをうまく描き出している。
 
登場人物の半生を描く濃密な描写は少ないものの、熱血キャラの主人公が多い福井作品の中でも異色な、世を捨て斜にかまえた主人公鹿島や、現代に対する虚無感を抱えた的場などの脇役を味わい深く描いている。歴史上実在する人物も登場し、それらの人々の思惑を取り込みつつ、それぞれの信念のもとで戦うことになるが、旧作の『[[戦国自衛隊 (映画)|戦国自衛隊]]』とはストーリー、登場人物共に一切関係がない。
 
[[パラレルワールド|並行世界]]という概念を考えると、[[ブラックホール]]のようなものに侵食される現代世界というのは違和感があるが、[[歴史改変SF|歴史改変もの]]について作者なりに正面から取り組み、しっかりとその意味を読者に問い掛けている。また、軍事的な様子を想像するに難くない用語や細かい[[交戦規定]]などの設定が多用されているので、その点でもリアルさを感じられる。