「ドップラー効果」の版間の差分

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{{sound|Doppler effect.ogg|緊急車両のサイレンにおけるドップラー効果}}
[[Image:Doppler effect.svg|thumb|300px270px|[[波]]の源が左に移っている。[[周波数]]は右よりも左の方が高い。]]
'''ドップラー効果'''(ドップラーこうか、{{lang-en-short|Doppler effect}}<ref>日本超音波医学会では、Dopplerの{{IPA-en|ˈdɒplə}} に近い「ドプラ」と表記・発音する。</ref>または'''ドップラーシフト'''({{lang-en-short|Doppler shift}}))とは、[[波動|波]]([[音|音波]]や[[電磁波]]など)の発生源(音源・光源など)と観測者との相対的な[[速度]]の存在によって、波の[[周波数]]が異なって観測される現象をいう。
[[Image:Doppler effect diagrammatic.png|right|300px|thumb|赤い音源が左手に向かって等速で動いている場合。物体の前方の周波数は上がり、後方は下がる。前後以外の方向の周波数も変化している]]
[[Image:Tempo-spatial model of Doppler shift.png|thumb|300px|公式証明用の時空間モデル(≠原図)]]
[[Image:Redshift.svg|right|200px|thumb|[[赤方偏移]] 光のドップラー効果の一例。左が太陽、右が遠方の銀河BAS11のスペクトル。吸収線(暗線)の位置の変移を測定することで光源の視線方向の後退速度を計算できる]]
'''ドップラー効果'''(ドップラーこうか、{{lang-en-short|Doppler effect}})<ref>日本超音波医学会では、Dopplerの{{IPA-en|ˈdɒplə}} に近い「ドプラ」と表記・発音する。</ref>または'''ドップラーシフト'''({{lang-en-short|Doppler shift}})とは、[[波動|波]]([[音|音波]]や[[電磁波]]など)の発生源(音源・光源など)と観測者との相対的な[[速度]]の存在によって、波の[[周波数]]が異なって観測される現象をいう。
 
== 概要 ==
[[Image:Doppler effect diagrammatic.png|right|300px260px|thumb|赤い音源が左手に向かって等速で動いている場合。物体前方の周波数は上がり後方は下がる。前後以外の方向の周波数も変化している]]
[[Image:Tempo-spatial model of Doppler shift.png|thumb|300px260px|公式証明用の時空間モデル(≠原図)]]
発生源が近付く場合には、波の振動が詰められて[[周波数]]が高くなり、逆に遠ざかる場合は振動が伸ばされて低くなる。例えば、[[救急車]]などが通り過ぎる際、近付くときにはサイレンの音が高く聞こえ、遠ざかる時には低く聞こえるのは、この現象によるものである。
 
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となる。ここで、<math>f</math> : 音源の出す音波の振動数、<math>V</math> : [[音速]]、<math>v_{\rm o}</math> : 観測者の動く速度、<math>v_{\rm s}</math> : 音源の動く速度
 
上記の <math>f'</math> を求める公式は右図の時空間モデルから導くことができる。

図の○は波の山、●は波の谷であり、音源は時刻 0 に原点を通るとしている。速度 <math>v_{\rm o}</math> で原点から離れる観測者が聴く音の周期 <math>T_{\rm o}</math> は山と山の間隔の t 軸への射影であり、図の赤い2つの三角形は相似である。
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== 光のドップラー効果 ==
[[Image:Redshift.svg|right|200px190px|thumb|[[赤方偏移]] 光のドップラー効果の一例。左が太陽、右が遠方の銀河BAS11のスペクトル。吸収線(暗線)の位置の変移を測定することで光源の視線方向の後退速度を計算できる]]
[[光]]の場合でも同様の効果が観測され、遠ざかる光源からの光は赤っぽく見え([[赤方偏移]])、近付く光源からの光は青っぽく見える([[青方偏移]])。しかし、光の伝播は[[特殊相対性理論]]に従うため、通常の波のドップラー効果とは違った現象を見せる。
 
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重要なのは、光の場合には光源が観測者の視線方向に対して垂直に運動しており、視線方向の速度を持っていない場合(<math>\theta</math>=90°)でも光の振動数が変化して見えることである。これを'''横ドップラー効果'''という。
 
実際の活用法としては、[[恒星]]などの天体の可視光[[スペクトル]]に見られる吸収線([[フラウンホーファー線]])の波長の理論値とのズレ(ドップラー・シフト)から、地球とその天体との[[相対速度]]を算出できる。また、同じ[[電磁波]]におけるドップラー効果を利用したものとして[[ドップラー・レーダー]]がある。
 
光のドップラー効果は[[虹#星虹|星虹(スターボウ)]]として観測が可能であるという説がある。
 
=== 実用 ===
実際の活用法としては、[[恒星]]などの天体の可視光[[スペクトル]]に見られる吸収線([[フラウンホーファー線]])の波長の理論値とのズレ(ドップラー・シフト)から、地球とその天体との[[相対速度]]を算出できる。また、同じ[[電磁波]]におけるドップラー効果を利用したものとして[[ドップラー・レーダー]]がある。
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== 原子炉のドップラー効果 ==
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== 脚注 ==
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