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'''鎌状赤血球症'''(かまじょうせっけっきゅうしょう)は[[遺伝]]性の[[貧血]]病で、[[赤血球]]の形状が鎌状になり[[酸素]]運搬機能が低下して起こる[[貧血]]症。'''鎌状赤血球貧血症'''ともいう。[[疾病及び関連保健問題の国際統計分類|ICD-10]]分類ではD57。ほとんどが黒人に発症し主に[[アフリカ]]、[[地中海]]沿岸、[[中近東]]、[[インド]]北部で見られる。
==原因==
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鎌状赤血球[[遺伝子]]を持つ者は、日本にはほとんど見られないが、[[マラリア]]が比較的多く発症するアフリカにはかなり見られる。鎌状赤血球の遺伝子とマラリアの流行には深い関係がある。マラリアは幼児期にかかると、死に至る可能性が高い感染症である。つまり、鎌状赤血球症自体は保有者の生存に不利であるが、マラリア蔓延地域ではその遺伝子をヘテロに持つものは非保有者と比べて相対的に[[自然選択]]において有利であり(生存確率が高い)、この遺伝子が維持されていると考えられている。しかし保有者ばかりになれば、保有者同士の子にはホモで持つ者が増えるため、非保有者が[[頻度依存淘汰]]的に有利になり、非保有者の割合も一定に保たれていると考えられる。
ヘテロの遺伝子保因者は正常状態では60%が正常赤血球、40%が鎌状赤血球の状態である<ref name="seika">ヴォート 基礎生化学
==症状==
ホモ接合体の患者が重篤な溶血性貧血症状を示す。[[黄疸]]、骨壊死、下腿潰瘍、細菌感染、[[脾臓]]の萎縮による激痛発作、微小血管の閉塞、[[脳卒中]]による神経系損傷
==診断==
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==治療法==
主に発作を抑えることが主体となる。[[脱水症状]]や細菌感染を防ぐことが第一。発作時は、[[生理食塩水]]の大量[[点滴]]、[[輸血]]、[[酸素]]投与が行われる。また、[[ヒドロキシカルバミド|ヒドロキシ尿素]]は、胎児型ヘモグロビンの産生を増加させるので、これが投与されることもある。ヒドロキシ尿素は疼痛発作、入院、輸血の頻度を減らすことが示されているが、実際に処方を受けている患者が少ないことが指摘されている<ref>Stettler N et al.
[[骨髄移植]]などが行われることもあるが、[[免疫抑制剤]]を生涯にわたり飲まなければいけなくなるので、リスクファクターもある。現在は[[遺伝子治療]]も研究が行われている。
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==関連項目==
* [[突然変異]]
* [[赤血球]]
* [[ミスセンス突然変異]]
* [[点突然変異]]
* [[ツタンカーメン]]
* [[マイルス・デイビス]]
* [[グルコース6リン酸脱水素酵素欠損症]]-鎌状赤血球と同じくマラリアに抵抗性をもつ疾患
* [[サラセミア]]-同じく異常ヘモグロビンによる遺伝性の貧血症
== 外部リンク ==
* [https://www.msdmanuals.com/ja-jp/ホーム/13-血液の病気/貧血/鎌状赤血球症 鎌状赤血球症] 血液の病気 - MSDマニュアル家庭版
* [http://www.emedicine.com/emerg/topic26.htm Sickle cell anaemia] (eMedicine)
* [http://clinicaltrials.gov/ct/gui/action/FindCondition?ui=D000755&recruiting=true SCA clinical trials] (ClinicalTrials.gov)
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