「マックス・ヴェーバー」の版間の差分

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T-maru (会話 | 投稿記録)
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ヴェーバーは、西欧近代の文明を他の文明から区別する根本的な原理は「合理性」であるとし、その発展の系譜を「現世の呪術からの解放(die Entzauberung der Welt)」と捉え、それを比較宗教社会学の手法で明らかにしようとした。<ref>マックス・ヴェーバー、『宗教社会学論選』中の「宗教社会学論集 序言」「世界宗教の経済倫理 序論」など。</ref>そうした研究のスタートが記念碑的な論文である「[[プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神]]」(1904年-1905年)である。この論文の中で、ヴェーバーは、西洋近代の資本主義を発展させた原動力は、主としてカルヴィニズムにおける宗教倫理から産み出された世俗内禁欲と生活合理化であるとした。この論文は、大きな反響と論争を引き起こすことになったが、特に当時の[[マルクス主義]]における、「宗教は上部構造であって、下部構造である経済に規定される」という唯物論への反証としての意義があった。<ref>カール・レヴィット『ウェーバーとマルクス』</ref>
 
その後、この比較宗教社会学は、「世界宗教の経済倫理」という形で研究課題として一般化され、[[儒教]]と[[道教]]、[[ヒンドゥー教]]と[[仏教]]、古代[[ユダヤ教]]、の研究へと進んだ。しかし、原始[[キリスト教]]、[[カトリック教会|カトリック]]、[[イスラム教]]へと続き、プロテスタンティズムへ再度戻っていくという壮大な研究計画は、本人がスペインフルエンザ風邪を原因とする肺炎で命を落としたことで未完に終わった。特に、イスラム教については、ほとんど手を付けることはなかった。
 
[[画像:Max and Marianne Weber 1894.jpg|200px|thumb|妻マリアンネと(1894年)]]
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== 入門書 ==
* 青山秀夫『マックス・ウェーバー』(岩波新書、1951年)。度々復刊
* 安藤英治編『ウェーバー プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(有斐閣新書、1977年) ISBN 4641087369
* [[折原浩]]『デュルケームとウェーバー』(三一書房、1981年)
* 住谷一彦、小林純、山田正範『マックス=ヴェーバー』(清水書院、1987年) ISBN 4389410784
* 徳永恂、厚東洋編『人間ウェーバー ― 人と政治と学問』(有斐閣、1995年) ISBN 4641058334
* [[山之内靖]]『マックス・ヴェーバー入門』(岩波新書、1997年) ISBN 4004305039
* 安藤英治『マックス・ウェーバー』(講談社学術文庫、2003年) ISBN 4061595873
* [[折原浩]]『ヴェーバー学の未来 「倫理」論文の読解から歴史・社会科学の方法会得へ』(未來社、2005年) ISBN 4624400577