「康熙字典」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
→‎特徴: 索引について補った
25行目:
字義についても『説文解字』『[[玉篇]]』『広韻』『集韻』をはじめとした先行字書を参照してこれらにある字義を収載している。それまでの字書と比べてすぐれた大きな特色は、すべての字義に対して字書及び古典籍からの用例を示している点である。音韻、字義のいずれについても、出典名は書名に加えて篇名も表示されており、すべて文字を四角で囲んで示しているから一目瞭然である。なお、『康熙字典』独自の見解を示すときは必ず「〇按」と示した後に書かれている。
 
『説文解字』以来のそれまでの中国の字典と同様、『康熙字典』は熟語を収録していない。この点は、日本の近代以降に編纂された漢和辞典とは大きく異なっている。したがって、すべての語義は字義に分解する形で解説されている。また、巻頭に検字と部首目録を備えるのみで、本格的な索引が付されていない点も大きく異なっている。
 
欠点としては、専門知識に乏しい多数の高級官僚によって短期間に作られたために誤りや不正確な記述が多いこと、編集方針が徹底しなかったことによる例外が多数見られること、などが挙げられる。刊行当初は勅撰の字典であるために無謬であるとされ、欠点を述べることは許されなかったが、のちに皇帝自らが欠点を認め、臣下に改訂を命じている。具体的な補正については次々項で述べる。