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家屋の内外で越冬する例についての説明を追加。
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== 特徴 ==
一般の[[カメムシ]]類とは異なり食性である。多くの種は捕食性で、主として昆虫などの小型[[無脊椎動物]]を捕食すらえるが、ヒトを含む[[脊椎動物]]に対する吸血性を発達させたものがあり、昆虫食の種でも捕らえたり触れたりしたときなどに偶発的にヒトを刺すこともある。ヒトなどから吸血する種の一部は[[感染症]]の媒介者ともなり、[[シャーガス病]]の原因となる。トリパノゾーマを媒介するブラジルサシガメなどの ''Triatoma'' 属の種が有名である。
 
外形は、一般のカメムシ類に比べてやや細長い体型のものが多い傾向があり、[[カモドキサシガメ]]亜科のように非常に細いものもあるが、一部には腹部の両側が張り出した形のものもある。頭部は普通のカメムシ類が三角形であるのに対して、細長く、複眼は前胸から前方に離れており、左右に突き出していることが多い。また、普通は両複眼の間かその直後にある横溝で前頭部と後頭部とに分けられる。口器は3節からなる<ref>これに対し、マキバサシガメ科の口吻は4節からなり、このような特徴の差異は両者が互いに別の系統に属することの有力な根拠とされる。</ref>下唇が外を覆い内部に細い口針を格納した口吻で、普通のカメムシ類の口吻が針状で胸部の下に折り畳まれているのに比べ、はるかに太くて短く、頭部の前端から前方に突き出して下方に弓なりに湾曲し、鉤状になって頭部の下面に収まる。
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多くの種が山野に普通に生息する。樹上性のものや、地上性のものがある。それぞれに[[昆虫]]や[[クモ]]など小型の[[無脊椎動物]]などを餌としている。獲物の種類をあまりえり好みしない広食性の種類もあるが、限られた範囲の獲物しか狙わない狭食性の種類もある。狭食性のものの例としては[[フサヒゲサシガメ]]など、いくつかの種は[[アリ]]を捕食するのに特化しており、アリの巣周辺に陣取る。また、[[アカシマサシガメ]]などのように[[ヤスデ]]しか捕食しないものもいくつか知られている。
 
種によっては、室内に生息する昆虫を求めて家屋内で生活するものがある。[[ヨーロッパ]]では[[トコジラミ]](いわゆるナンキンムシ)を獲物として屋内に生息する種があり、人体に集まるトコジラミを追って、やはり人体に接近、接触する場合がある。不用意に払いのけて刺されることがあり、しかもこれが痛むために嫌われる。特に唇を刺されることがよくあり、「接吻虫」の異名を持つと言う。また、[[オオトビサシガメ]]などのように、家屋の外壁・サッシ等の隙間または屋内で[[越冬]]する例も知られている
 
[[哺乳類]]などの住みかに生息し、その血を吸うことを通常の習性にする種があり、ヒトを狙う種もある。[[中南米]]には''Triatoma''、''Rhodnius''、''Panstrongylus''といった諸属の吸血性のサシガメが約90種知られており、その一部が[[シャーガス病]]の病原体を媒介することが知られている。日本には[[ネズミ]]を宿主とする[[オオサシガメ]]''Triatoma rubrofasciata'' (De Geer, 1773)が[[沖縄県|沖縄]]に分布しており、[[ネズミ]]が巣を去ったり駆除されたりしたときに飢えてヒトからも吸血することが知られている。ただ、[[高度経済成長期]]以降は人の住居が旧来の木造民家からコンクリート建築に置き換わってきたため、稀なものとなってきている。