「ヒドロホウ素化」の版間の差分

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m mhchem syntax
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== 反応 ==
ボランBH<sub>3</sub>はアルケンに対し、HとBH<sub>2</sub>に分かれて付加する形をとる。
: <cechem>RCH=CH2\ + BH3 -> RCH2CH2BH2</cechem>
しかし、生成したモノアルキルボランも他のアルケンに対してヒドロホウ素化を起こす。
: <cechem>RCH=CH2\ + RCH2CH2BH2 -> (RCH2CH2)2BH</cechem>
: <cechem>RCH=CH2\ + (RCH2CH2)2BH -> (RCH2CH2)3B</cechem>
この結果、多くの場合にはボランの3つのB-H結合すべてが反応してトリアルキルボランが生成する。
 
30行目:
=== ヒドロホウ素化-酸化 ===
アルキルボランは[[過酸化水素]]と[[塩基]]により処理することで、ホウ素を[[ヒドロキシル基]]に置換することができる。この反応はホウ素にヒドロペルオキシイオンが付加した後、ホウ素上のアルキル基が1,2-[[転位]]して水酸化物イオンが脱離してホウ酸エステルへと変化し、それが[[加水分解]]される機構で進行する。
:<cechem>(RCH2CH2)3B\ + 3H2O2\ + 3NaOH -> 3 RCH2CH2OH\ + Na3BO3\ + 3H2O</cechem>
 
転位の際のアルキル基の[[立体配置]]は保持される。また、アルキルボランを[[クロロクロム酸ピリジニウム]](PCC)で酸化すると直接[[アルデヒド]]または[[ケトン]]を合成することもできる。