「資格称号」の版間の差分

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資格とは「あることを行う場合の[[身分]]や[[地位]]、立場」或いは「一定のことを行うために必要とされる条件」とされ、称号とは「身分や資格を表す名称、肩書き」などとされるように、「資格」と「称号」とは相互にきわめて親和性、関連性の高い[[概念]]である<ref>[[松村明]][[編集|編]]『[[大辞林|大辞林 第三版]]』([[三省堂]]、[[2006年]])1074頁及び1226頁、[[新村出|新村出編]]『[[広辞苑|広辞苑 第六版]]』([[岩波書店]]、[[2011年]])1199頁及び1375頁参照。本項目で言う「称号」とは基本的に「資格」を指すものであるが、「学位制度」に基づく称号との混同を回避する観点から、「資格」にかかる「称号」については極力「」を付け表記している。また、「資格」に関する「称号」についても「称号」とのみ表記する場合や「資格称号」と形容する場合があるため、区別の意味で「」をつけ表記した。</ref>。そのため、資格について[[法令]]上、「称号」と呼称することがあるほか、[[教育]]、それぞれの[[職業]]領域の分野でもしばしば「資格」について「称号」ないし「資格称号」などと形容されることがある<ref name="Securities analyst">報道記事での「資格称号」概念の用例としては、日本証券アナリスト協会の基礎講座開設について報じた「アナリスト協会、通信基礎講座を開設」『日本経済新聞』2004年2月26日朝刊10頁などを参照のこと。なお、当該記事では日本国際アナリスト協会が2004年度から通信基礎講座を開設するとともに証券アナリストの資格に準じる候補者制度を創設することを報じており、それによって受験者のすそ野を広げていく狙いについて伝える内容となっている。なお、候補者に登録した者には候補者としての資格称号OCMAの使用が可能になるという。</ref>。しかし、「資格称号」という概念そのものについては法令上規定がなく、行政や民間、学術領域でも具体的な定義や基準の定めがないことから通俗的な概念として使用されている<ref>資格と称号は本来的には別個の概念であるため、資格付与を事業とする[[機関]]・法人によっては「資格・称号」「資格、称号」または「資格(称号)」などというように、資格と称号を分けたうえで併記して形容されることがある。例えば、[[自彊術普及会|公益社団法人自彊術普及会]]の{{PDFlink|[http://www.jikyou.com/common/img/info/pdf/002shidousha.pdf 指導者資格・称号の授与等に関する規程]}}など参照。また、資格の称号については「称号資格」と形容される場合もある。[[日本ソムリエ協会]]の[[ベネンシアドール]]の資格などはその例である。[http://www.sommelier.jp/honbu/article/101503/ 日本ソムリエ協会ウェブサイト]参照。</ref>。特に[[栄誉称号]]、[[名誉称号]]や[[学術称号]]、[[職務称号]]等、多様な称号概念の一つとして資格称号と呼称することが多い。本項では資格の称号としての側面について解説する<ref>なお、項目名は[[栄誉称号]]や[[学術称号]]、職務称号など他の称号との比較と整合性をとる観点から一般的に用いられている資格称号を採用した。</ref>。
 
現在のところ、「資格称号」の具体的な例という概念としては、概ね以下の3つに類型化することの意味確認できる。
 
# '''専門資格'''としての「資格称号」= [[公認会計士]]など[[士業|士業系資格]]や[[技能検定]]で付与される[[技能士]]など、職業上の肩書きとなり得る資格・[[免許]]の名称を「称号」ないし「資格称号」と形容する場合<ref>例えば、公認会計士の資格については[http://sangyoutsuusoku.hourei.info/sangyoutsuusoku35.html 監査法人に関する内閣府令]では第3条の三にて「社員の公認会計士の称号並びに使用人の氏名及び公認会計士又は会計士補等の称号」と規定され、[[内閣府]]の[[府令]]の中で公認会計士を「称号」と形容されている。また、公認会計士そのものを直接「資格称号」と形容しているわけではないが、[[金融庁]]内部の懇談会の議論で一部専門家委員の発言では公認会計士の上位資格・関連資格を設けるかいなかの論議でそれらの資格を「称号」及び「資格称号」と形容している例がある。[http://www.fsa.go.jp/singi/kaikeisi/gijiroku/20100625.html 金融庁第8回公認会計士制度に関する懇談会議事録]参照。さらに、同じく[[業務独占資格]]である[[建設業法]]の第27条に規定する技術検定制度に定める[[建設機械施工技士]]、[[土木施工管理技士]]、[[建築施工管理技士]]、[[電気工事施工管理技士]]、[[管工事施工管理技士]]、[[造園施工管理技士]]について1級、2級とも実際に「称号」として法令に明記しており、加えて、[[資格#名称独占資格|名称独占資格]]である[[技術士]]の資格を称号と形容する例([http://www.engineer.or.jp/gijutsusi/ 公益社団法人 日本技術士会 技術士とは]参照)や、これらの類型には含まれない[[中小企業診断士]]などの資格も「称号」と形容されることがある(社団法人[[中小企業診断士協会]][[会長]] [[新井信裕]][[著作|著]]{{PDFlink|[http://www.j-smeca.jp/attach/koueki/message_15.pdf 『中小企業診断士資格活用の術(すべ)を検証する』]}}参照。)以上の事例から、国家資格のうち業務独占資格、名称独占資格及びこれらの類型に属さない士業系資格やそれに類似する名称を持つ資格まで広く「称号」ないし「資格称号」として形容されていることがわかる。但し、必ずしもすべての国家資格・免許の名称を「称号」ないし「資格称号」と形容することができるわけではない。例えば[[教員免許]]などは基本的に「○○学校教諭○○免許状」という形式で付与されるが、免許状に明記されている「[[教諭]]」は[[役職|職名]]であると同時に[[職階]]である([[教員の職階]]参照)。仮に[[学校]][[教員]]として採用されたとしても、初任の職名が「教諭」となるとは限らず、教諭に補せられたとしても、さらに昇進すれば職名が変ることになり、或いは退職すれば自ずと「教諭」ではなくなるため、「教諭」の呼称は免許状の名称として残るだけである([[幼稚園教員]]も同様のことがいえる)。また、[[公共機関]]への[[任用資格]]としては、例えば[[社会教育主事|社会教育主事任用資格]]や[[社会福祉主事|社会福祉主事任用資格]]などがあるが、これら任用資格の求められる職種に採用され、資格名称たる[[主事]]に補職すれば資格名称を職名として名乗ることができるが、異動や昇進、退職等の関係から恒久的にその職名のままでいるとは限らないため、資格名称を「称号」ないし「資格称号」として保持していると看做すことは困難である。まして、社会福祉主事任用資格は大学教育等で一定の単位を履修すれば自動的に取得でき、特段、資格の証書や免状を交付されるわけではなく、[[児童指導員|児童指導員任用資格]]についても教員免許等の取得で自動的に発生する場合があり、「資格称号」として用いることは難しい。さらに、[[通関士]]や[[船舶料理士]]などのように[[資格試験]]に基づき、士業資格同様の名称を与えられるものは別として、その他の[[資格#必置資格|必置資格]]や[[資格#検定資格|検定資格]]については「称号」として形容できるか明確な基準、用例を見ることはできない。</ref>
 
その他、[[ビジネス]]の業界をはじめ様々な職業領域の世界においても民間資格としての「資格称号」の例が多数見られ、[[経営]]上の資格である[[経営調査士]]、[[経営アナリスト]]、[[金融]]関係では[[証券アナリスト]]や「国際資格称号」である[[国際公認投資アナリスト]]、[[医療]]関係の資格称号である[[メンタルケアカウンセラー]]などその例は多岐にわたる<ref>経営調査士については一般社団法人日本経営調査士協会の[http://www.keieichosa.gr.jp/katsudo/mra.html ウェブサイト]を、証券アナリストについては[[日本証券アナリスト協会|公益社団法人日本証券アナリスト協会]]のウェブサイト [http://www.saa.or.jp/saaj/analyst/index.html 証券アナリストとは]を参照のこと。なお、日本証券アナリスト協会が資格試験を実施している国際公認投資アナリストとは、国際的な[[非営利法人]] 国際公認投資アナリスト協会(The Association of Certified International Investment Analysts)が定める資格であり、ACIIA®に加盟する[[欧州証券アナリスト協会連合会]](EFFAS)、[[アジア証券・投資アナリスト連合会]](ASIF)はじめ世界35協会が採用している「国際資格称号」である。詳しくは日本証券アナリスト協会ウェブサイト [http://www.saa.or.jp/curriculum/ciia/guide.html CIIA®(国際公認投資アナリスト)とは]を参照されたい。また、メンタルケアカウンセラーについては特定非営利活動法人医療福祉情報実務能力協会の[http://www.medin.gr.jp/sikakunintei.html ウェブサイト]参照されたい。一般に民間資格の「資格称号」は「秘書士」、「情報処理士」などの資格名称を言う場合が多いが、稀に民間の検定制度である会計ソフト実務能力検定では同検定で合格した[[等級]]を「資格称号」として認定しているなど、「資格称号」の指し示す対象も認定機関により差異がある。[http://www.csaj.jp/zaimu/guideline.html 一般社団法人 コンピューターソフトウェア協会 資格称号ガイドライン]参照。また、[[日本]]の[[武道]]その他の[[文化]][[芸術]]分野の[[流派]]などでも、それぞれの主宰者が定める[[段級位制|段級位]]及び称号を「資格称号」などと言う例がある。[[無外流居合兵道|財団法人無外流]][http://www.mugai.or.jp/ ウェブサイト]参照。以上の例から民間資格の場合、「称号」ないし「資格称号」という概念について国家資格よりも多様な用い方をしていることがわかる。</ref><ref name="Securities analyst"/>。
一方で、資格の知名度が低い場合、或いは専門性や難易度が低く、同様の資格がいくつも氾濫していて技術の証明に不十分である場合もあれば、或いは存在しない資格があたかも将来、国家資格なり公的資格になるという形で取得の講座受講を勧誘する[[資格商法]]という形で悪用される場合も少なくない<ref>国の出先機関においても民間団体が、国、地方公共団体等の名称を使用し、あたかも公的に認定されたものであるかのような印象を与えたり、指定試験機関とまぎらわしい名称や国家資格に似せた称号を用いるなどの方法により、勧誘を誘っている例が見られることから注意を喚起している例がある。注意喚起の一例として[http://www.ktr.mlit.go.jp/gijyutu/gijyutu00000015.html 国土交通省関東整備局 技術情報]参照。</ref>。そのため、[[日本]]などでは、「資格称号」全般を体系立てて規制する法令や[[制度]]はないものの、[[マネジメント]]関連の資格については[[経済産業省]]の要請の下、同省所管[[社団法人]][[全日本能率連盟]]が『マネジメント関係資格称号に関する自主規制規約』を制定し、一定の基準を満たす「優良資格称号」について登録する制度を設置しており、一部、[[民間]]の「資格称号」の信頼性を担保する制度も整備されつつある<ref> [http://www.zen-noh-ren.or.jp/certification/index.html 社団法人全日本能率連盟 資格の登録・認定]参照。また、「登録資格称号」の事例としては日本経営調査士協会前掲URLなど参照。</ref>。また、全能連本体でも、会員団体と共同で開発した「認定資格称号」を定めており、中でも[[認定マスターマネジメント・コンサルタント]](J-MCMC)及び[[認定マネジメント・コンサルタント]](J-CMC)の取得者については[[国際公認経営コンサルティング協議会]]の定める「国際資格称号」 [[公認経営コンサルタント]](CMC)を同時に取得できるなど国際的な評価の観点から資格の専門性を保証する制度を取っている<ref>全日本能率連盟の定める認定資格称号の詳細については全能連ウェブサイト [http://www.zen-noh-ren.or.jp/certification/aboutCer.html 認定資格称号について]を参照のこと。</ref><ref>全日本能率連盟編『登録資格称号一覧』(全日本能率連盟、2011年)参照。</ref>。
 
== 資格称号の例(主に国際資格、公的資格、民間資格について) ==
* 新村出編『広辞苑 第六版』(岩波書店、2011年)ISBN 400080121X
* 松村明編『大辞林 第三版』(三省堂、2006年)ISBN 4385139059
* 全日本能率連盟編『登録資格称号一覧』(全日本能率連盟、2011年)
 
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