「かご形三相誘導電動機」の版間の差分

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クローリング
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* 回転子に絶縁部がなく高熱に耐えるので高速域の過負荷に強い。
* ブラシやスリップリングのような摩耗・接触通電部分がないため、保守が簡単で堅牢(数年間の連続運転が可能)。
* 反面、始動[[トルク]]が小さく回転速度の調整範囲が狭い。
* 巻線形誘導電動機に比べ、始動トルクが小さく、大型機では始動時の突入電流を抑制するための始動装置(後述)が必要。
 
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== 構造 ==
かご型[[回転子]]は、棒状の導体の両端を端絡環に[[溶接]]又は[[ろう付け]]した構造になっている。小容量と中容量の誘導電動機では、導体と端絡環と通風翼が純度の高い[[アルミニウム]]の加圧[[鋳造]]で造られた一体構造となっている。<ref>電気主任技術者国家試験問題 第三種機械 平成16年度第3種</ref>
 
時間定格にもよるが、一般的に大型機には他動式の冷却ファン、中・小型機には自己回転軸に装備された自冷式の冷却ファンを装備するものが多く、自冷式では正逆回転のいずれにも対流が発生するように遠心式ファンとカバーの組み合わせとなっている。
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始動と速度制御とを兼ねる方法である<ref>[https://www.jeea.or.jp/course/contents/09201/ 音声付き電気技術解説講座 > 電気応用 > 誘導電動機の可変速制御] 日本電気技術者協会</ref>。
 
* [[インバータ]]法、[[VVVFインバータ制御|可変電圧可変周波数制御]]: 交流入力を大電力半導体素子など(IGBT、GTOサイリスタ、水銀整流器等)を用いたインバータにより(回転数)周波数に比例した交流の電圧を発生させて(電圧V/周波数f=一定制御)、速度を調整するもの。モータの逆起電力に回路のインピーダンス(電圧)降下を加算した電圧を加えることが特徴であるが、これは直流機起動法と共通であり、交流のため制御要素として周波数と位相が加わっている。
** 高起動トルク、高効率で小型モータを採用できる
** 滑らかな速度制御が可能で、運転中に連続的な速度制御が必要な場合に有用。
** 通常の電動機を使用可である場合が多く、既設改造に適する。
** [[高調波]]対策が必要。
** トルク脈動による部分共振が発生する場合がある。
** インバータ故障時商用電源直結運転可能な回路構成にする方法が一般的であるが、大容量機では減電圧始動系の起動回路を併設する必要がある
 
〔参考:火力原子力発電必携(社)火力原子力発電技術協会〕
 
=== クローリング ===
クローリング(次同期運転)とは、始動時に[[同期速度]]の1/7付近でトルクの谷を生じ、負荷の要求するトルクよりも小さくなり加速しなくなる現象である。磁束成分に基本波と同方向の第7調波を多く含むために起きる。始動電流に近い電流が流れ、持続すると焼損する。
 
軽減策として、斜めスロットが使用される<ref>電気主任技術者国家試験問題 第一種機械 平成22年度 問1</ref>。
 
== 脚注 ==