「韓国人メジャーリーガー」の版間の差分

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このように、当時の韓国ではアマチュアから直接渡米してメジャーに挑戦する事例が主流であったため、必然的に、韓国国内のプロ野球球団と新人選手の獲得で競合する事例も増えていった。例えば2000年には、韓国の[[ロッテ・ジャイアンツ]]がドラフト1次指名(日本のドラフト1巡目に相当)で[[秋信守]]を指名したが、秋はこれを拒否し、[[シアトル・マリナーズ]]とマイナー契約を結んだ。高校時代の秋は投手兼打者だったが、渡米後は打者(外野手)に専念し、2006年途中に[[クリーブランド・インディアンス]]にトレードされてからはチームの主軸打者として安定した活躍を続けた。2013年には再びトレードで[[シンシナティ・レッズ|レッズ]]に移籍し、同年オフには[[フリーエージェント (プロスポーツ)|FA]]で[[テキサス・レンジャーズ|レンジャーズ]]に移籍し、2014年からの7年契約を結んでいる。国内のプロ球団からドラフトで上位指名されるほどの有力アマチュア選手が、ドラフト指名を拒否してメジャーに挑戦するケースは、日本では2008年に[[田澤純一]]が、[[社会人野球]]・[[JX-ENEOS野球部|新日本石油]]から直接、[[ボストン・レッドソックス]]に入団してから本格的に懸念されるようになったが、韓国ではそれよりも前に現実化していた。
 
しかし、アマチュアから直接メジャーに挑戦する韓国人選手は数多くいたが、2006年に[[柳済国]]がメジャーに昇格して以降は、新たにメジャーに昇格する選手はしばらく途絶えた。この伸び悩み現象を象徴するのが、[[南尹熙]](ナム・ユンヒ、のちに「ナム・ユンソン」に改名)と[[丁栄一]](チョン・ヨンイル)のメジャー挑戦失敗である。南は、2006年に[[斗山ベアーズ]]のドラフト1次指名を拒否して[[テキサス・レンジャーズ]]とマイナー契約を結び、丁は、翌07年に[[KIAタイガース]]の1次指名を拒否して[[ロサンゼルス・エンゼルス・オブ・アナハイム|ロサンゼルス・エンゼルス]]とマイナー契約を結んだ。いずれも高校卒で、韓国プロ球団のドラフト1次指名を拒否してメジャーに挑戦したのだが、渡米後は故障などが原因で伸び悩み、南はマイナーリーグのアドバンストA(1A+)、丁はクラスA(1A)が最高ランクで、それぞれ球団から解雇され韓国へ帰国した。韓国プロ野球規約第105条2項では、メジャーへのアマチュア有力選手の流出を防止するため、国内プロ球団のドラフト指名を拒否して外国球団と契約した選手に対しては、外国球団から解雇されても、韓国プロ球団とは2年間契約できないと定められている。そのため、南と丁はこの規定の対象になってしまった。南は、日本球界入りを模索し、2012年の春季キャンプで[[読売ジャイアンツ]]と[[北海道日本ハムファイターズ]]の入団テストを受けたが、結果はいずれも不合格だった。その後、南と丁は、いずれも2012年時点では韓国の独立球団である[[高陽ワンダーズ]]に所属していた<ref>[[室井昌也]]「[http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/baseball/npb/2013/columndtl/201211070004-spnavi 大谷翔平のメジャー挑戦を考える 日ハムが示した韓国の実例とは?]『sports navi』
2012年11月10日</ref>。丁は、2013年には[[四国アイランドリーグplus]]・[[香川オリーブガイナーズ]]に入団したが<ref>[http://www.oliveguyners.jp/release/2013/03/post-856.html 外国人選手 チョン・ヨンイル選手 入団決定および入団会見のお知らせ][[香川オリーブガイナーズ]]、2013年3月8日</ref>、同年7月に戦力外通告を受け退団<ref>[http://www.oliveguyners.jp/release/2013/07/post-887.html チョンヨンイル選手退団のお知らせ][[香川オリーブガイナーズ]]、2013年7月1日</ref>、同年8月の韓国プロ野球ドラフト会議では、[[SKワイバーンズ]]から5順目8位(全体で53位)で指名され入団している<ref>[http://3coco.org/a/modules/d3pipes_3/index.php?page=clipping&clipping_id=3880 【コラム】大リーグ行きの急行列車はない][[朝鮮日報]]、2013年9月1日</ref>。
 
2014年12月に、日本の[[千葉ロッテマリーンズ]]が獲得した[[李大恩]]<ref>[http://www.marines.co.jp/news/detail/14619.html 李大恩選手との契約について]千葉ロッテマリーンズ公式ホームページ、2014年12月25日配信 </ref>は、高校卒業後の2007年8月に[[シカゴ・カブス]]とマイナー契約して入団したが、メジャーには昇格できずに3A止まりだった。渡米から7年が経過してもメジャーに昇格できなかったために、日本プロ球団からの誘いに活路を求めた事例であると言える<ref>[http://www.sponichi.co.jp/baseball/news/2014/11/22/kiji/K20141122009328750.html ロッテ カブス3Aの韓流150キロ右腕・李大恩獲り ]『スポニチアネックス』2014年11月22日</ref>。
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== 参考文献 ==
*『[[大谷翔平]]のメジャー挑戦を考える 日ハムが示した韓国の実例とは?』[[室井昌也]]、2012年11月10日[http://sportsnavi.yahoo.co.jp/sports/baseball/npb/2013/columndtl/201211070004-spnavi]
*『[[週刊ベースボール]]』2013年2月4日号、p106~107『韓国球界、メジャーへの「必然」』木村公一