「腐生植物」の版間の差分

削除された内容 追加された内容
style / +1xl
6行目:
腐生植物とは、[[種子植物]]の内で、植物体に[[光合成]]で自活する能力がなく、[[菌類]]と[[共生]]して栄養素を得て生活するものを指して呼ぶ言葉である。[[腐生菌|腐生]]は普通は菌類に対して使われる言葉で、生物死体などを分解して栄養とする生活形態のことである。ここではこう呼ぶものの、これらの植物が外界の有機物を直接摂取するわけではないし、得ている[[有機物]]の源泉も多様である。その実際の生活様式はむしろ[[菌類]]への[[寄生]]であり、最近はより正確に'''菌従属栄養植物'''という名が提案されている。
 
これらの植物はほとんどないしまったく[[葉緑体]]を持たない。全株が真っ白であるものや、逆にほとんど真っ黒のものもある。葉は鱗片状に退化し、茎にまとわりつく。したがって、地上から伸びた茎の先に花だけが並んでいる、といった状態になる。ごく小型の植物が多く、たとえば[[ヒナノシャクジョウ科]]や[[ホンゴウソウ科]]のものは多くは背丈が数センチであり、地表をなめるように観察しなければ発見できない。さらにラン科の[[リザンテラ属|リザンテラ]]は全草が地下にあり、花すら地表より下で開花する。他方で同じラン科の[[ツチアケビ]]は高さが1m近くなり、全株が橙色で秋には大きな果実を鈴なりにつけるため非常に目立つ。同属のタカツルランはさらに大型で、[[つる植物]]となり樹木にはい上がる。
 
また後述のように、一見十分な量の緑葉を備え光合成で自活をしているように見えながら、実は有機物などの供給を共生菌に大きく依存しており、完全に自活してはいない植物もかなりあることが知られている。