「アパルトヘイト」の版間の差分

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* '''カラード'''(1980年に280万人、人口の9%。白人と、サン人やコイコイ人など先住民族との混血を中心にした混成グループで、オランダやイギリスの植民地であった[[インドネシア]]や[[マレー人|マレー]]から奴隷として連れられてきた住民との混血も含まれる。また、混血でないコイコイ人や[[ケープマレー]]人も含む。使用言語はおもにアフリカーンス語。ケープタウン周辺に集住しており、ケープ州の最大民族であった)
* '''アジア人'''(1980年に90万人、人口の3%。[[インド系移民と在外インド人|インド系]]、マレー系住民が主。ナタール州に集住していた)
**アジアにおいて唯一の[[先進国]]である[[日本人]]は1961年以降、経済上の都合から「'''名誉白人'''」扱いとされていた<ref>{{Harvtxt|伊藤正孝|1992|p=27}}</ref>ただし、白人専用のホテル・レストランなどの使用が認められたに過ぎず、永住権や不動産取得などは認められなかった。また、日本人が白人と性交渉をおこなった場合は背徳法が適用された<ref>{{Harvtxt|伊藤正孝|1992|pp=27,59}}</ref>。日本は1980年代後半から最大の貿易相手国になる。また、国際的に孤立していた南アフリカと、反[[共産主義]]という共通点から数少ない国交を持っていた[[中華民国|中華民国人/台湾人]]も、名誉白人扱いであった<ref>{{Harvtxt|峯陽一|1996|pp=225-226}}</ref>。中華民国人については一時期、[[中華料理]]店を白人用に指定した際、中華料理店への入店に限って白人扱いとされたが、中華民国の経済発展を受け名誉白人扱いになったとされる<ref>{{Harvtxt|吉田一郎|2010|p=247}}</ref>。また、[[香港]]からの[[華僑]]と[[華人]]も名誉白人と扱われた<ref>[https://web.archive.org/web/20080709144156/http://www.time.com/time/magazine/article/0%2C9171%2C895835%2C00.html South Africa: Honorary Whites], ''[[TIME]]'', 19 January 1962</ref><ref>[https://books.google.co.uk/books?id=1npFnaydPJEC&lpg=PA215&ots=j5Pqt5jmMS&dq=%22honorary%20white%22%20south%20africa%20%22hong%20kong%22&pg=PA159#v=onepage&q=%22hong%20kong%22&f=true ''A Matter of Honour: Being Chinese in South Africa''], Yoon Jung Park, Lexington Books, 2008 page 159</ref>。
* '''黒人'''(1980年に2300万人、人口の73%。[[ズールー人]]、[[ソト人]]、[[コサ人|コーサ人]]、ンデベレ人、[[ツワナ人]]など、[[バントゥー系民族]])
最大勢力である黒人に対し、カラードやインド人といった人口規模が白人に及ばない人種は黒人に比べやや優遇され、白人・黒人間の緩衝地帯となると同時に白人による分断統治の対象となった。カラードやインド人には教育予算や医療施設も白人ほどではないが整備された。カラードの集住するケープ州においては、選挙権が剥奪される一方でカラードの優遇雇用法が施行され、とくに黒人流入の多くなった70年代後半以降にはカラードに経済的利益をもたらした。このため、民主化後初の選挙である1994年の選挙においてカラードは国民党に多く投票した<ref>{{Harvtxt|峯陽一|1996|p=135}}</ref>。