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囲碁は[[日本]]のみならず[[中華人民共和国]]、[[中華民国]]([[台湾]])、[[大韓民国|韓国]]、[[朝鮮民主主義人民共和国|北朝鮮]]などでも盛んに行われ、その他にも[[北アメリカ]]・[[南アメリカ]]、[[ヨーロッパ]]などでも行われている。今日、囲碁は世界80ヶ国以上で打たれており、[[世界選手権]]も行われている。
 
レジャー白書によると、日本の囲碁人口は[[2017年]]で推計190万人である。[[2013年]]の年齢別構成は男+女合計で10歳代11.8%、60歳以上8.1%であった。
 
== 用具・用具に関係する囲碁用語 ==
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=== コンピュータ囲碁 ===
{{Seealso|コンピュータ囲碁}}チェスの世界では、[[1996年]]の[[ガルリ・カスパロフ]]との対局で、初めて単一のゲームで世界チャンピオンにコンピュータが勝利した。また、[[1997年]]にはオセロの世界チャンピオンであった[[村上健]]がコンピュータとの6番勝負で6戦全敗し、[[2006年]]にはシャンチーのプログラムが[[シャンチー#称号|大師]]との対局に勝利、[[2012年]]には引退した[[棋士 (将棋)|将棋棋士]]の[[米長邦雄]]がコンピュータに敗れた。こうした他のゲームにおけるコンピュータの躍進と比較すると、コンピュータ囲碁の棋力は伸び悩み、2000年代前半においてもアマチュアの有段者に及ばない程度の棋力であった。
 
コンピュータ囲碁が他のゲームに比較して進歩が緩やかだったのは、前述の囲碁の総局面数の多さやゲーム木の複雑性も影響しているが、それだけではない。将棋やチェス、シャンチーより局面数の少ない9路盤においても、[[2005年]]まではコンピュータはアマチュア初段の域を出ることができていなかった<ref name=":1" />。初めてコンピュータが9路盤でプロに公の舞台で勝ったのは[[2008年]]のエキシビジョンマッチでのMoGo対[[タラヌ・カタリン]]戦(1勝2敗)である<ref name=":1" />が、プロ側が9路盤の対策を練った2012年の電気通信大のイベント、[[2014年]]の第1回囲碁電王戦ではいずれもコンピュータ側が全敗した<ref>{{Cite web|url=http://www.asahi.com/igo/topics/TKY201211270576.html|title=コンピューターにプロ全勝 九路盤、巧みにミス誘う|accessdate=2018-12-22|website=|publisher=朝日新聞|language=ja}}</ref><ref>{{Cite web|url=https://news.mynavi.jp/article/20140211-a106/|title=「第1回囲碁電王戦」プロ棋士の張豊猷八段と平田智也三段がコンピュータに全勝|accessdate=2018-12-22|date=2014-02-11|website=マイナビニュース|language=ja}}</ref>。
 
こうしたコンピュータ囲碁の進歩の難しさの一因に、囲碁において評価関数を作るのが非常に難しい点が挙げられる<ref name=":1" />。将棋やチェスでは駒の損得や局面の状態に応じた評価関数が作りやすく、オセロにおいても隅や辺の重要な部分のパターンで評価関数が作成されてきた<ref name=":1" />。しかし囲碁にはそうした評価方法が存在せず全ての石の価値が平等であり、オセロの隅のように大きな重みをもつ箇所も存在しない。「形の良さ」「厚み」「味の良さ」「石の軽さ」などが複雑に絡み合っており、評価関数を設定することで強いコンピュータを作るのは非常に困難であった<ref name=":1" />。
 
しかし2006年レミ・クーロンが[[モンテカルロ法]]を応用して作成したCrazy Stoneがひとつの転機となる<ref name=":2">{{Cite web|url=https://wired.jp/2016/03/15/the-mystery-of-go/|title=なぜ「囲碁」だったのか。なぜ「10年かかる」と言われていたのか──AlphaGo前日譚|WIRED.jp|accessdate=2018-12-22|website=WIRED.jp|language=ja-jp}}</ref>。クーロンはこれを「モンテカルロ木探索」と名付けた。従来の評価関数を作成して着手を選択させる手法とは異なり、モンテカルロ木探索ではコンピュータにランダムな着手を繰り返させて多数の対局を行わさせ、さらにその中で有望な展開に多くの探索を繰り返させ、最も勝率が高くなる着手を決定させる<ref name=":1" />。従来の手法よりモンテカルロ木探索は囲碁に適合し、ほかのプログラムもこぞってこれを採用した<ref name=":2" />。コンピュータ囲碁の棋力は2006年から1年に1~2子ほどの速さで向上し、2012年ごろにはアマ六・七段程度の棋力にまで達したが、そこからは棋力の伸びが停滞した。[[2015年]]の段階でも、コンピュータがプロに勝つにはまだ10年以上かかるとクーロンや他の関係者は語っていた<ref name=":2" />。
 
ところが、[[2016年]]にモンテカルロ木探索に[[ディープラーニング]]と[[ニューラルネットワーク]]の技術を組み合わせた[[AlphaGo]]を[[Google DeepMind]]社が発表した。AlphaGoは数千万の棋譜による学習の後、数百万の自己対戦を繰り返し強化された。ヨーロッパのプロ棋士である樊麾に2015年10月に勝利していたことが公表され、2016年3月に行われた韓国のトップ棋士である[[李世乭]]との五番勝負も4勝1敗で制した。2016[[2017]]には中国のトップ棋士である[[柯潔]]とも三番勝負を行い、3連勝して人間との戦いから引退した。{{Seealso|AlphaGo対李世ドル|AlphaGo対柯潔}}AlphaGoの登場は、コンピュータがプロを上回るのはまだまだ先だろうと考えていた囲碁界に大きな衝撃を与えた。AlphaGoの技術を使用した囲碁AIはプロ棋士を凌駕する棋力を有するようになり、AlphaGoをはじめとする囲碁AIの様々な手法は従来の定石や布石に大きな影響を与え、新たな布石や定石の流行を生むようになった。
 
== 文化における囲碁 ==
=== 囲碁の別称とその意味 ===
囲碁にはさまざまな別称・雅称があるがたのヨーロッパのプロ棋士である樊麾に2015年10月に勝利していたことが公表され、2016年3月に行われた韓国のトップ棋士である[[李世乭]]との5番勝負も4勝1敗で制した。中には中国の故事に由来するものも多い。
 
そのような故事由来の異称の代表である'''[[爛柯]]'''(らんか)は中国の神話・伝説を記した『[[述異記]]』の次のような話に由来する。[[晋 (春秋)|晋]]の時代、木こりの王質が信安郡の石室山に入ったところ童子たちが碁を打っているのを見つけた。碁を眺めていた王質は童子から[[ナツメ]]をもらい、飢えを感じることはなかった。しばらくして童子から言われて斧を見ると、その柄('''柯''')が朽('''爛''')ちていることに気付いた。王質が山を下り村に帰ると知っている人は誰一人いなくなっていた。