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3年以下の懲役刑を言い渡す場合においては、情状によって、その刑の全部又は一部の執行を猶予することができる([[執行猶予]])。
 
そこで、しばしば実刑判決を必ずさせるための立法技術として、懲役刑の短期を5年ないし7年に設定する場合がある。特に、短期を7年とすると、[[量刑|法律上の減軽]]の適用が無い通常の事例において、[[酌量減軽]](刑法66条)を適用しても短期が3年6月となるため、執行猶予を法律上適用することができなくなる。
 
短期を7年とした犯罪としては、強盗・強制性交等罪がある(かつては、強盗致傷罪もそうであったが、酷であるとして刑法改正により短期が6年に引き下げられ、酌量減軽による執行猶予の余地を認めた)。
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=== 仮釈放 ===
==== 仮釈放の許可基準 ====
仮釈放が許可されるための条件については、刑法28条が「改悛の状があるときは、有期刑についてはその刑期の3分の1を、無期刑については10年を経過した後、行政官庁の処分によって仮に釈放することができる。」と規定している。この「改悛の状があるとき」とは、単に反省の弁を述べているといった状態のみを指すわけではなく、[[法務省]]令である「[http://elaws.e-gov.go.jp/search/elawsSearch/elaws_search/lsg0500/detail?lawId=420M60000010028 犯罪をした者及び非行のある少年に対する社会内における処遇に関する規則]」28条の基準を満たす状態を指すものとされており、そこでは「'''仮釈放を許す処分は、悔悟の情及び改善更生の意欲があり、再び犯罪をするおそれがなく、かつ、保護観察に付することが改善更生のために相当であると認めるときにするものとする。ただし、社会の感情がこれを是認すると認められないときは、この限りでない'''」と規定されている<ref group="注">更生保護法の施行以前は「仮釈放、仮出場及び仮退院並びに保護観察等に関する規則」32条が同様の規定を置いていたが、そこでは、悔悟の情及び改善更生の意欲、再び犯罪をするおそれ、相当性、社会の感情の4つを「総合的に判断」するものとされていた。</ref>。
 
また、同規則18条では「'''仮釈放の審理にあたっては、犯罪又は非行の内容、動機及び原因並びにこれらについての審理対象者の認識及び心情、共犯者の状況、被害者等の状況、審理対象者の性格、経歴、心身の状況、家庭環境及び交友関係、矯正施設における処遇の経過及び審理対象者の生活態度、帰住予定地の生活環境、審理対象者に係る引受人の状況、釈放後の生活の計画、その他審理のために必要な事項'''」をそれぞれ調査すべき旨が規定されている。
 
ここで審理における調査事項のひとつされている「被害者等の状況」については、従来は必ずしも十分な調査が行なわれておらず、被害者側に意見表明の権利もない状況にあった。しかし、被害者保護の社会的要請(国民世論)の高まりを受け、2005年の[[更生保護法]]の成立を契機に、被害者が希望すれば仮釈放の審理の際に被害者側が口頭や書面で意見を述べることが可能となった。
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===== 報道による誤解 =====
日本では新聞やテレビの報道で、仮釈放の可能性を認めず受刑者を一生涯拘禁するものをこれまで'''[[終身刑]]'''と表現し無期刑とは異なる別の刑と表現してきたが、刑法的には、無期刑と終身刑は別表現の[[同義語]]であり、その中には仮釈放の可能性のあるもの(相対的無期刑、相対的終身刑)とないもの(絶対的無期刑、絶対的終身刑)がある。新聞やテレビの報道が誤解している意味は、刑法や刑事訴訟法は冒頭で一般則を定め、その後に個別の条項を定めているのだが、'''刑罰の種類と、裁判で宣告された刑の執行に対する減免措置は、別個の独立した概念であり'''、特定の減免手段が特定の刑に所属するわけではない。つまり、'''仮釈放という減免手段が無期刑という固有の刑罰に所属しているわけではない'''。どの範囲の刑にどの減免措置を適用するかは個々の国の[[刑法]]や[[刑事訴訟法]]や[[刑事収容施設及び被収容者等の処遇に関する法律|受刑者の処遇に関する法律]]などが定めている。
 
===== 実質的な包含 =====