「不対電子」の版間の差分

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[[ファイル:Nitric_oxide.svg|thumb|right|150px|[[一酸化窒素]]のN原子上には1つの不対電子がある。]]
'''不対電子'''(ふついでんし、unpaired electron)とは、[[分子]][[原子]]の最外殻軌道に位置する対になっておらず、[[電子配置|電子対]]を作っていない[[電子]]のこと。[[共有結合]]を作る[[共有電子対]][[孤立電子対|非共有電子対]]に比べ、化学的に不安定であり、反応性が高い。有機化学においては、不対電子を持つ、寿命の短い[[ラジカル (化学)|ラジカル]]が反応経路を説明するのに重要な役割を果たしている。
 
電子は[[量子数]]によって決められる[[電子軌道]]を運動している。
 
[[s軌道]]や[[p軌道]]は、[[原子価]]を[[原子価結合法|満たす]]ようにsp<sup>3</sup>、sp<sup>2</sup>、spなどの[[混成軌道]]を形成するので、不対電子が現れることは少ない。これらの軌道ではラジカルは[[二量体|二量化]]し、電子が[[非局在化]]して安定化する。対照的に、[[d軌道]]や[[f軌道]]において、不対電子はよく見られる。これは、1つの電子軌道に入ることができる電子の数が多く、結合が弱くなるためである。またこれらの軌道においては、{{仮リンク|ラジカル拡大|en|Radical extension}}が比較的小さく、二量体にはなりにくい<ref name="NCN">{{ cite book | title = Periodicity and the s- and p-Block Elements | author = N. C. Norman | year = 1997 | publisher = [[オックスフォード大学出版局]] | isbn = 0-19-855961-5 | page = 43 }}</ref>。
たとえば[[原子番号]]8の酸素は8個の[[電子]]を持つ。1s、2s軌道に各2個、2p軌道には4個の電子が配置される。2p軌道には1個あるいはスピンの向きが反対の2個の電子を入れることのできる軌道が3組あるので、酸素原子の最外殻には1組(2s軌道の2個を除いて)の対になった電子と、対になっていない2個の電子が存在することになる。
酸素分子は酸素原子2個からなるが、酸素分子の[[分子軌道]]では、2p軌道の計8個の電子は、もともと対になっている4個(2組)と、共有され対になった2個と、対になっていない2個という配置になる。
 
また[[一酸化窒素]]も不対電子をもつ物質の一つである。
 
対になっていない電子があることが[[磁性]]の特性をきめる。
 
== 脚注 ==
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<references />
 
== 関連項目 ==