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[[File:Altar Selene Louvre Ma508.jpg|thumb|250px|セレーネー、ヘスペロス、ポースポロス([[パリ]]、[[ルーヴル美術館]])]]
[[File:Edward Poynter - The Visions of Endymion, 1902.jpg|thumb|210px|夢の中のエンデュミオーン ([[エドワード・ポインター]]/作, 1902)]]
 
'''セレーネー'''({{lang-grc-short|'''Σελήνη''', ''Selēnē''}})は、[[ギリシア神話]]の[[月]]の[[女神]]である。[[長母音]]を省略して'''セレネ'''、'''セレーネ'''とも表記される。[[ローマ神話]]の[[ルーナ]]と同一視される。
 
== 概要 ==
[[ヘーシオドス]]の『[[神統記]]』によると、[[ヒュペリーオーン]]と[[テイアー]]の娘<ref>[[ヘーシオドス]]『[[神統記]]』371行。</ref>で[[エーオース]]と[[ヘーリオス]]の姉妹。なお、[[ゼウス]]とセレーネーとの間の娘に[[パンディーア]]、[[ヘルセー]]、ネメアがいる。また、兄であるヘーリオスとの子供に四季の女神[[ホーラ]]たちがいるので、[[ヘーラー]]に仕える4人の侍女であるともいわれる<ref>[[スミュルナのコイントス]]、10巻334。</ref>
 
輝く黄金の冠を戴き、額に月をつけた絶世の美女で、銀の馬車に乗って夜空を馳せ行き、柔らかな月光の矢を放つ。[[月経]]と月との関連から動植物の性生活・繁殖に影響力を持つとされた。また、常に[[魔術|魔法]]と関係付けられた<ref>[[高津春繁]] 『ギリシア・ローマ神話辞典』 [[岩波書店]]、143頁。</ref>。聖獣は[[ウマ|馬]]、[[ロバ|驢馬]]、白い[[ウシ|牡牛]]。
 
後に[[アルテミス]]や[[ヘカテー]]と同一視された<ref>[[松村一男]]/監修 『知っておきたい 世界と日本の神々』 西東社、43頁。</ref>。女神自身が3つの顔を持つという形で表現させることがあり、即ち、新しく生まれる三日月のアルテミス(処女・乙女)、満ちる豊穣の月のセレーネー(夫人・成熟した女性・母)、欠けていく暗い月のへカテー(老女)であるとされている<ref>[[石井ゆかり]] 『新装版 月のとびら』 [[CCCメディアハウス]]。</ref>。
 
== 恋物語 ==
セレーネーの神話で一番有名なのは、美青年である[[エンデュミオーン]]との物語である。セレーネーは彼を愛し、ゼウスに願って彼に[[不老不死]]の永遠の眠りを与えたと言われる<ref>[[アポロドーロス]]、1巻7・5。</ref>。セレーネーは夢の中のエンデュミオーンと交わりを重ねて50人の娘・[[月 (暦)|暦月]]の女神メーネたちを生んだ<ref>[[パウサニアス]]、5巻1・4-5。</ref><ref>[[ロドスのアポローニオス]]、3巻533。</ref>
 
他には、牧神[[パーン (ギリシア神話)|パーン]]もセレーネーの美貌に魅了され、恋い焦がれたことがあり、純白の羊毛皮を贈ってセレーネーを誘った<ref>[[ウェルギリウス]]『農耕詩』3巻391行-93行。</ref>
 
== ギャラリー ==
他には、牧神[[パーン (ギリシア神話)|パーン]]もセレーネーの美貌に魅了され、恋い焦がれたことがあり、純白の羊毛皮を贈ってセレーネーを誘った。
[[File:Edward Poynter - The Visions of Endymion, 1902.jpg|thumb|210px250px|夢の中のエンデュミオーン ([[エドワード・ポインター]]/作, 1902)]]
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File:Albert Aublet - Selene.jpg|<small>[[:en:Albert Aublet|アルベルト・オーブレト]]<br/>『セレネ』<br/>(1880年)</small>
File:Selene and Endymion by Victor Florence Pollett.jpg|<small>ビクター・フローレンス・ポレット<br/>『エンデュミオンとセレネ』(19世紀)</small>
File:Filippo Lauri - Pan and Diana.jpg|<small>[[:en:Filippo Lauri|フィリッポ・ラウリ]]<br/>『パンとセレネ』(17世紀)</small>
File:Annibale Carracci - Homage to Diana - WGA04460.jpg|<small>[[アンニーバレ・カラッチ]]<br/>『パンとセレネ』(1597-1602年頃)</small>
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== 出典 ==