「ツキノワグマ」の版間の差分
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[[食性]]は[[雑食]]で、果実、芽、小型の脊椎動物、[[昆虫]]、無脊椎動物、動物の死骸などを食べる<ref name="kawaguchi"/><ref name="dvd">須藤一成『ツキノワグマ(知られざる狩人の生態) DVD』株式会社 イーグレット・オフィス、2013年、[[JANコード]] 4582402080034</ref>。[[猛禽類]]([[イヌワシ]])の雛や大型草食獣([[ニホンカモシカ]])の幼獣などを捕獲して食べたりする<ref name="dvd"/>ことから、環境により動物を捕獲して食料とする肉食の傾向も存在する。
繁殖様式は胎生。シベリアの個体群は6 - 7月、パキスタンの個体群は10月に交尾を行う<ref name="kawaguchi"/>。主に2頭の幼獣を産む<ref name="kawaguchi"/>。授乳期間は3か月半<ref name="kawaguchi"/>。幼獣は生後1週間で開眼し、生後2 - 3年は母親と生活する<ref name="kawaguchi"/>。生後3 - 4年で性成熟する<ref name="kawaguchi"/>。飼育下での寿命は約33年<ref name="kawaguchi"/>。1991年現在は飼育下での長期生存例として広島市安佐動物公園で推定39年2か月(1948年3月捕獲 - 1987年4月<!-- 亜種ニホンツキノワグマは主に1月下旬-2月上旬に産まれるため推定2か月。出典より -->)で亡くなった個体(コロ)の例や<ref>福本幸夫 「長寿世界一のニホンツキノワグマ」『世界の動物 分類と飼育2 (食肉目)』今泉吉典監修、東京動物園協会、1991年、77頁。</ref>、京都市動物園で推定39年<!-- 9-10か月 -->(1975年5月来園 - 2014年11月)で亡くなった個体(サクラ)の例がある<ref>
== 人間との関係 ==
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:台湾では1989年に法的に保護の対象とされているが、密猟されることもある<ref name="hwang_wang"/>。
;''U. t. japonicus'' [[ニホンツキノワグマ]]
:日本では人工林の拡大、道路・スキー場建設、ニホンジカ・ニホンイノシシ用の罠による混獲などにより生息数は減少している<ref name="ishii">石井信夫 「下北半島のツキノワグマ」「紀伊半島のツキノワグマ」「東中国地域のツキノワグマ」「西中国地域のツキノワグマ」「四国山地のツキノワグマ」『レッドデータブック2014 -日本の絶滅のおそれのある野生動物-1 哺乳類』環境省自然環境局野生生物課希少種保全推進室編、株式会社[[ぎょうせい]]、[[2014年]]、114-91頁。</ref>。上記の絶滅のおそれのある孤立個体群の生息地にあたる市町村の森林率・林野率(1998年における下北半島の森林率79 %、以下年不明:紀伊半島の森林率96 %、東中国地域および西中国地域の森林率86 %、四国の林野率90 %)は高いものの、そのうち民有林が約80 - 90 %と大半を占めその中でも人工林の割合が大きい(民有林内の人工林率:1998年における下北半島47 %、以下年不明:紀伊半島60 %、東中国地域および西中国地域35 %<山口県では約45 %>、四国55 %)<ref name="ishii"/>。四国では1970年代後半に愛媛県・香川県では絶滅し、1990年代以降は確実な生息が報告されているのは剣山周辺に限定される<ref name="ishii"/>。1996年における生息数は徳島県12頭以上・高知県2 - 10頭と推定されている<ref name="ishii"/>。九州の個体群は捕獲例が[[1941年]]、確実な目撃例が幼獣の死骸が発見された[[1957年]]以降はなく絶滅したと考えられている<ref name="ohnishi_yasukochi">大西尚樹、安河内彦輝 「[https://doi.org/10.11238/mammalianscience.50.177 九州で最後に捕獲されたツキノワグマの起源]」『哺乳類科学』第50巻 2号、[[日本哺乳類学会]]、[[2010年]]、177-178頁, {{doi|10.11238/mammalianscience.50.177}}</ref>。[[1987年]]に捕獲例もあるが頭骨の計測から中国地方以北の個体であることが示唆され、[[ミトコンドリアDNA]]の[[分子系統学]]的解析でも福井県から岐阜県にかけての個体群と一致する解析結果が得られた<ref name="ohnishi_yasukochi"/>。そのため琵琶湖以東の個体あるいは琵琶湖以東の個体に由来する個体が人為的に移入された後に捕獲されたと考えられている<ref name="ohnishi_yasukochi"/>。[[祖母山|祖母]]・[[傾山]]系や[[九州山地]]、[[脊振山地]]では目撃例があるが、仮に野生個体がいても本州からの移入個体が発見されたという前例から遺伝的解析を行わないと九州の個体群とは断定できないという問題がある<ref>栗原智昭 「[https://doi.org/10.11238/mammalianscience.50.187 九州における2000年以降のクマ類の目撃事例]」『哺乳類科学』50巻 2号、日本哺乳類学会、2010年、187-193頁, {{doi|10.11238/mammalianscience.50.187}}</ref>。
;:'''下北半島・紀伊半島・東中国地域・西中国地域・四国山地の個体群'''
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:日本では古来より[[狩猟]]対象となっている。現代でも食用などに用いられ、特に胆嚢(熊胆)は[[生薬]]として珍重されている。{{main|熊肉|熊胆|マタギ}}
:現在は[[動物愛護管理法]]の[[特定動物]]、[[鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律|鳥獣保護法]]の[[鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律#狩猟鳥獣|狩猟鳥獣]]、[[絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律]]の[[希少野生動植物種#国際希少野生動植物種|国際希少野生動植物種]]とされている。狩猟が禁止されている地方自治体もあり一例として高知県で1986年、徳島県で1987年、四国全域・島根県・奈良県・広島県・三重県・山口県・和歌山県で1994年以降は狩猟が禁止されている<!-- 岡山県・兵庫県でも禁止されていると記述されているが、いつから禁止されているかは記述なし --><ref name="ishii"/>。
:家畜や農作物・人間への被害が発生している<ref name="obara"/>。ヒグマとは異なり、ツキノワグマは人間を襲って食べることは比較的少ない{{要出典|date=2016年6月}}。しかし出会い頭などで驚いた場合は人間を襲う場合がある。日本ではツキノワグマが大量出没した2004年には全国で109人(うち死亡者2名)、2006年には145人(うち死亡者3名)、2010年には147人(うち死亡者2名)の被害者が報告されている<ref>
:日本国内における個体数は、10,000頭前後と推定されていた。しかし堅果類の凶作年の[[2004年]]に約2,300頭、[[2006年]]に約4,600頭のクマが捕殺<ref>[http://www.wwf.or.jp/activities/2010/10/930829.html ツキノワグマの大量出没への対応を!政府と環境省に要望] - WWF日本ホームページ2010年10月28日</ref> された後も、頻繁に目撃されていることから実態数は不明である。[[2010年]]の大量出没年の際に朝日新聞が、各都道府県の担当者に聞き取り調査を行った数では16,000頭-26,000頭<ref>クマの大量出没(朝日新聞2010年11月26日夕刊17面)</ref> と幅が大きい上、数十頭の個体数と考えられていた[[岡山県]]などで推測数の半分近くが捕獲される例が相次ぎ、誤差の大きさをうかがわせている。これは、平均生息密度が1平方kmあたり1頭以下と極めて低いことなどに理由があり、個体数の推測に用いる区画法、ラインセンサス法、ヘアートラップ法などでは限界があるためである{{要出典|date=2013年9月}}。
:近年でのクマの異常出没の原因、要因として、短期的(直接・至近)要因では、堅果類の大凶作、ナラ枯れ等によるナラ枯損面積の拡大が挙げられる。また、長期的背景として、生息数の回復・増加、奥山林の変化、拡大造林地の成熟と生息地シフト、[[里山]]地域の放棄と生息変化、誘引要因の増加([[カキノキ|カキ]]など放置果樹、果樹の大量放棄、残飯、ゴミ)、ハンターの減少、新世代グマの登場などが挙げられる<ref>
日本では、クマ科単位で[[特定動物]]に指定されている<ref name="env">
==
{{脚注ヘルプ}}
{{Reflist|
== 参考文献 ==
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{{Commons|Ursus_thibetanus}}
{{Wikispecies|Ursus_thibetanus}}
* [[サンチェ (サンフレッチェ広島)|サンチェ]] - ツキノワグマをモチーフにしたJリーグ・[[サンフレッチェ広島]]のマスコット
* [[スホランとバンダビ|バンダビ]] - ツキノワグマをモチーフにした2018年[[平昌パラリンピック]]のマスコット
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