「方向指示器」の版間の差分

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== さまざまな用法 ==
=== 日本 ===
{{国際化|領域=日本|section=1|date=2018年10月}}
日本では、方向指示器は右左折や進路変更の合図<ref name=shikourei21>道路交通法第53条第1項、道路交通法施行令第21条</ref>、ハザードランプは自車が交通の障害物(=ハザード)となっていることを表示するため(日本では夜間照明されていない路上での駐停車中の使用も含まれる<ref>道路交通法第52条第1項、道路交通法施行令第18条第2項</ref>)と道交法に規定されている。しかしながら、方向指示器やハザードランプを法規に定められている以外のさまざまな合図を目的として使用される場合もある。
 
その一方で、後述するハザードランプの用法の中には、その行為を肯定するまたは、直接的に否定できる法令等がないものが存在する。道路交通法および施行令で「合図」として定義されている灯火類の使用方法は、右左折、進路変更、転回(そのほか停止、徐行、後退)だけであり、これらの行為を行わないときは「当該合図をしてはならない」とされている。
 
==== 方向指示器の用法 ====
;* 右左折時
:** 日本では交差点([[環状交差点]]を除く)、または道路外に出るため右折(交通整理が行われている交差点で[[二段階右折]]をする場合も含む)または左折する際の合図である。道路交通法第53条各項および道路交通法施行令第21条には、右左折時は、交差点または道路外に出ようとする地点の30&nbsp;m手前から合図を開始することが定められている<ref name=shikourei21/>。右左折待機中には点滅させず、運転者が求める進行方向に対して進入する直前にしか合図しないのは道路交通法違反の「合図不履行」に該当する。
:** 日本では交差点または道路外に出るための右左折の前段階として、あらかじめ道路の左側端、中央または右側端などに寄るため、進路変更を伴う場合もある。右左折の合図開始は30&nbsp;m手前からとなっているため、交通の流れに沿ったうえで交差点30&nbsp;m以上手前までには進路変更を終える。進路変更時の合図は後述。
;* [[環状交差点]]を出る時
:** 日本の[[環状交差点]]にでは、環状交差点を出る際にだけ合図が必要である。具体的には、出ようとする出口の1つ手前の出口を通過したら(入口のすぐ次の出口で出ようとする場合には、環状交差点に入るときに)、左折の合図を開始する事が定められている。入口でも左に曲がることになるが、それが左折にはあたらないので、その意図で左折の合図は行わない事に注意が必要である<ref group="注釈">入口で左折合図を出すと、そのすぐ次の出口で左折する意思表示となるため、その出口側で待っている車両が徐行により進入を開始するおそれがある。</ref>。
:** 日本の環状交差点に入る時はその前段階として、あらかじめ道路の左側端に寄るため、進路変更を伴う。ただし、通常の交差点と異なり、左側端に寄って進路変更が終わったらいったん合図を止めなければならない(前述のとおり、そのすぐ次の出口で左折する意思表示になるため)。進路変更時の合図は後述。
;* 進路変更時
:** 進路変更する(車線を跨ぐか否かにかかわらず進路を左側もしくは右側に寄せる)際の合図である。日本の道路交通法第53条各項および道路交通法施行令第21条には、進路変更動作の3秒前に合図することが定められている<ref name=shikourei21/>。
;* 駐停車時および発進時
:** 路肩などに駐停車しようとし、または駐停車中に、左側(右側)に駐車する場合には左(右)方向指示器によって合図を行う。日本の法定合図としては、駐停車のために左に進路変更しようとしてから進路変更を終わるまでの間には左方向指示器の合図が必要だが、完全に停止し駐停車状態となった場合には合図義務はない。
:** 駐停車中に左など片側の方向指示器だけの合図を継続するのは、厳密には日本の道路交通法の法定合図ではないが、例えば日本の路線バスが停留所で停車しようとし、またはしている時には常態として行われている。
:** また、駐停車のあと発進しようとする時も、例えば左側(右側)から発進する場合には右(左)方向指示器を出す。この合図は、発進時に進路変更を伴うのであれば進路変更の合図となる。しかし進路変更を伴わない場合には、厳密には日本の道路交通法の法定ではないが、発進する時には路線バスに限らず常態として行われている。
;* 後退時の方向指示
:** 日本の道路交通法では、左折、右折、転回は前進時を想定して規定されており、また後退時には転回時と同様に、他の車両や歩行者の交通の妨げとなる時は停止しなければならない(最も優先度が低い)。以上から、後退時には後退にともない右左折、転回する時も後退灯の合図だけで適法である。またアメリカにおいては、後退しながら進路を変えるときには、後退灯および方向指示器により合図をしなければならない州がある。
;* 低速車の警告表示
:** 後述のハザードランプにおける用法も参照。通常四輪車ではハザードランプにより表示するが、道路の左側端によって左方向指示器で示すこともある。オートバイのうちハザードランプ機構の無いものは左方向指示器(右側通行では右方向指示器)により提示する。いずれも法定外の用法である。
;* パッシングの代用
:** 前車に道を譲ってほしい場合、本来の合図は[[前照灯]]のハイビームを点滅させる[[パッシング]]を用いるが、不必要に威圧的な印象を相手に与える場合があるため、最も右の車線において右の方向指示器(右側通行の国では最も左の車線において左の方向指示器)にて代用することがある。法定外の用法である。
;* 排気ブレーキ使用時
:** かつては[[排気ブレーキ]]とブレーキランプを連動させることができなかったため、主に大型貨物自動車において、強力な排気ブレーキを使用する際に後続車への合図として方向指示器を使用することがあった。現在の日本においては[[1993年]]の法改正により排気ブレーキ使用時にブレーキランプを点灯させることができるようになったため、この用法はほとんどみられない。
 
==== ハザードランプの用法 ====
全般的にハザードランプは日本では夜間や高速道路上の駐停車時を除き、法定外の用法が多い一方で、使用を明確に禁止されている(違反行為に該当する)訳ではない場合も多い。
 
;*後退時
:** 商業施設の駐車場等で、目標の駐車枠を一旦通過してからバックで入庫したい場合等、予めハザードランプを点滅させることで、後続車に対して「車庫入れの体勢に入るので接近しないように」という意志を伝える意味で使われる<ref name="Honda ワンポイントアドバイス">{{Cite web|title=ハザードランプの合図の意味|url=http://www.honda.co.jp/afterservice/advice/hazard-lamp/index.html|accessdate=2018-10-31|work=ワンポイントアドバイス|publisher=本田技研工業}}</ref>。
:* また、前進入庫した状態からバックで駐車枠を出る際、通路を進行中の他車に対して、駐車枠から通路へ出ることをアピールする目的で使用する事もある。
;** 低速車の警告表示
:** 車両の故障や他車による牽引、あるいは荒天などの理由により[[最高速度|制限速度]]を大幅に下回る速度で走行する場合や、道路維持作業車や除雪車などが低速走行する場合に、周囲の車両に注意を促す意味でハザードランプを点滅させる用法である。非常事態告知に準ずる用法としてアメリカのSAEスタンダードでは推奨されている<ref>SAE Standards 890688 The Interaction of Tun,Hazard and Stop Signals</ref>。高速道路等危険な場合には後部霧灯があれば代用または併用できる<ref group="注釈">ただし高速自動車国道の対面通行でない本線車道では故障車(ガス欠を含む)牽引(ロープ牽引、レッカー車とも)の方法により通行する事は、[[最低速度]]違反となるため、原則として禁止されている。よって独自に故障車を引き出す場合は自動車積載車(キャリアカー)等が必要である。クレーンやロープ牽引、レッカー車が導入されるのは警察隊や各高速道路公社等により通行止めまたは車線規制が行われた場合に限る。キャリアカー他の処置費用は(警察及び公社等の出動費用を除き)故障車の運転者等の負担となる。</ref>。なお、日本の徐行の合図としては制動灯の点灯が法定となっているがこれは減速する時であり、徐行を継続する場合には制動灯は不要。
;* 渋滞最後尾警告
:** 高速道路などの渋滞最後尾についた場合などに、後続車が追突しないよう注意を促すためにハザードランプを点滅させる用法がある<ref name="Honda ワンポイントアドバイス" />。本用法も危険状態を周囲に通知するという意味で使用される。[[日本自動車連盟|JAF]]は会員向け機関誌「JAFMATE」でこの使用法について触れており、欧州などでもこの使用法が見られる。また、[[ネクスコ]]3社では「前方の渋滞を見つけたらハザードを焚きましょう」という広報物を出し、本用法を推奨している。日本では法定外の用法であるが禁止はされていない。
;* 駐停車時(夜間および高速道路上を除く)
:** 路上に駐停車する際に、夜間や緊急時でない場合にもハザードランプを点滅させる用法である。左側が他の路上駐車車両などにより物陰になる場合には右方向指示器と区別がつかず、発進の合図と混同させるので好ましくないという意見もある<ref>朝日新聞、1993年10月10日、朝刊第5面。</ref>。一方[[ヤマト運輸]]では、駐停車時にハザードランプを点けるよう運転手に指導している<ref>{{Cite web |url=http://www.kuronekoyamato.co.jp/kankyou/page/05/2005/pdf/2005.pdf |title=CSR報告書2005 |accessdate=2007-09-25 |format=PDF |publisher=ヤマト運輸株式会社 |page=12 |archiveurl=http://web.archive.org/web/20071022085933/http://www.kuronekoyamato.co.jp/kankyou/page/05/2005/pdf/2005.pdf |archivedate=2007-10-22 |deadlinkdate=2018-11-19}}</ref>。以上の場合、日本では法定外用法であるが禁止はされていない。
:** また、日本やアメリカにおいて、通学通園バス([[スクールバス]])は、児童、生徒または幼児の乗降のため停車しているときにハザードランプを点滅させることが法令<ref>道路交通法施行令第26条の3 第2項</ref>で義務付けられている。特にアメリカでは、児童などの飛び出し事故防止のため、ハザードランプを点滅させて停車しているスクールバスの側方を一般車は通過してはならず、スクールバスが発車するまで待たなければならないことが定められている。日本の場合は、その側方を通過する際に徐行して安全を確認することが定められている<ref group="注釈">後方から追い抜く場合だけでなく、反対車線で停車しているスクールバスとすれ違う場合も含まれる。</ref>に留まるが、横断歩道直前車両側方通過時と同様に、一時停止が'''強く推奨される'''。
;* 駐停車時(夜間および高速道路上)
:**一般道路においては、夜間に車道の両側幅員が5.5&nbsp;m以上(おおむね2車線以上の道路)に自動車<ref group="注釈">[[自動二輪車]]、[[原動機付自転車]]、[[小型特殊自動車]]は対象外。</ref>が駐停車するときは、ハザードランプを点滅させるか、尾灯か車幅灯を点灯させることが法令<ref>道路交通法施行令第18条 第2項</ref>で義務付けられている<ref group="注釈">ただし、一般道路において視距50メートルが確保される程度に非常に明るい照明がある場合や、夜間用[[三角表示板|停止表示器材]]を後方に置いている場合はこの限りではない。</ref>。
:**高速道路(高速自動車国道・自動車専用道路)においては、本線車道、加速車線、減速車線、登坂車線およびこれらの側で故障等のため、やむを得ず駐停車することになった場合には、昼夜を問わず、適宜、発炎筒を使用した上で、おおむね100&nbsp;m以上後方に予告として昼夜兼用の停止表示器材を置くとともに、ハザードランプを点灯させることが'''強く推奨される'''{{Efn|[[交通の教則]]、「高速道路マナーガイド([[NEXCO中日本]])」<ref>{{Cite web |url=http://www.c-nexco.co.jp/safety/safety_drive/manner/14.html |title=高速道路 マナーガイド みんなで守ってハッピードライブ♪ |accessdate=2014-10-13 |publisher=中日本高速道路}}</ref>等。またこのうちの一部が法令により義務づけられているが、詳細は該当法令を参照のこと。}}。
;* 濃霧走行時
:** 濃霧の中を走行する際に、前照灯等の使用と合わせてハザードランプも点滅させて周囲に自車の位置を知らせる意味で使われている例もある<ref>{{Cite web |url=http://faq.sompo-japan.dga.jp/trouble/faq_detail.html?id=500311 |title=「濃霧注意報」が発令された時の対処方法 |accessdate=2014-06-02 |work=トラブルCh |publisher=損保ジャパン |archiveurl=http://web.archive.org/web/20160315025725/http://faq.sjnk.jp/trouble/faq_detail.html?id=500311 |archivedate=2016-03-15 |deadlinkdate=2018-11-19}}</ref>。日本では法定外用法。
:**高速道路等危険な場合には後部霧灯があれば併用が望ましい(後部霧灯の本来的な用法)。
;* サンキューハザード(ありがとうハザード)
:** 合流や車線変更時に進路を譲られた際、相手の運転手に感謝を表現する目的でハザードランプを2、3回点滅させる用例がある<ref name="Honda ワンポイントアドバイス" />。しかし、本来の使用法とは異なる上、地域や状況によって意味合いが異なる場合があることから、会釈や手であいさつをすることを推奨する見解もある<ref name="Honda ワンポイントアドバイス" />。日本では法定外用法。
 
; 交差点での注意励起
=== アメリカ合衆国 ===
:{{独自研究範囲|date=2014年2月|[[タイ王国|タイ]]、[[インドネシア]]の東南アジアにでは、交差点進入の際、単に自車の存在をアピールする目的でハザードランプを点滅させる用法が見られる。[[信号機]]などの交通制御インフラが未整備の地域で見られる。本用法が使用される地域では方向指示器の使用頻度が低いために重大な混乱を招かないという事情がある。}}
アメリカ合衆国では方向指示器(ウィンカー)は、turn indicators、turn signal、または単にsignalといい、もっぱら緊急時や危険時に注意喚起のために用いる<ref name="junglecity">{{Cite web|url=https://www.junglecity.com/enjoy/travel-during-your-stay/15-traffic-rules-japanese-should-know/|title=日本人が迷いやすい・間違えやすいアメリカの交通ルールを15個まとめてみた|accessdate=2019-01-23|publisher=junglecity.com}}</ref>。ラウンドアバウトでは環状道路を走っている車が優先とされており、[[ワシントン州]]などではラウンドアバウトを出る時にだけ左ウィンカーを出す運用となっている<ref name="junglecity" />。
; オービスの警告
:{{独自研究範囲|date=2014年2月|[[大韓民国|韓国]]の場合、後続車に[[自動速度違反取締装置]](オービス)があることを警告する意図で使われる。}}
;'''緊急自動車接近時'''
:{{要出典|date=2018年2月}}
 
== 自動車・オートバイ以外の方向指示器 ==