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たうぇ (会話 | 投稿記録)
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; 男爵薯(だんしゃくいも)
: [[画像:Potato_cv_IrishCobbler.JPG|thumb|150px|right|男爵薯]]
: 生食用品種。英名は「アイリッシュ・コブラー(Irish Cobbler,「アイルランドの靴直し職人」)」といい、1876年ごろにアメリカで赤い「アーリーローズ<ref>[http://www.jrt.gr.jp/var/earlyrose.html アーリーローズ]</ref>」の白色変異種として発見され、発見者にちなみ命名されたと伝えられているが、近年の調査で「アーリーローズ」由来説は否定されており、何らかの雑種由来と考えられている<ref>日本いも類研究会、[http://www.jrt.gr.jp/var/danshaku.html 男爵薯]、2012年1月23日閲覧</ref>。[[明治時代]]の1908年に[[川田龍吉]]男爵が[[イギリス]]から持ち込んで日本に定着させた品種(品種の正体が「アイリッシュ・コブラー」であることは後に判明した)。デンプンが多くホクホクした食感が得られるが、煮くずれしやすい。このため、[[粉吹き芋]]や[[マッシュポテト]]、[[コロッケ]]など潰してから使う料理に適している。芽の部分が大きく窪んでおり、でこぼこした形状なので皮をむきにくい。主に、東日本で主流の品種である。花は薄い紫色、[[雄性不稔]]のため父親とはならないが、直接の母として「キタアカリ」「農林一号」などがあり、交配によらないものとして[[プロトクローン]]から「ホワイトバロン」が選抜された。
 
; メークイン
: [[画像:Potato cv MayQueen.jpg|thumb|150px|right|メークイン]]
: 生食用品種。英名は"May Queen"。イギリスで民間に栽培されていたのが1900年に登録され、[[大正|大正時代]]に日本に持ち込まれた品種<ref>日本いも類研究会、[http://www.jrt.gr.jp/var/mayqueen.html メークイン]、2012年1月23日閲覧</ref>。[[北海道]][[厚沢部町]]の道立試験場で初めて栽培されたことから、同町はメークイン国内発祥の地として自認しており、毎年、夏祭りで世界最大の[[コロッケ]]を揚げてPRしている<ref>{{Cite web |date= 2010/7/25|url= http://www.ehako.com/news/news2009a/1542_imode_msg.shtml|title= 厚沢部、巨大コロッケ世界一奪還! |publisher= 函館新聞|accessdate=2018-08-04}}</ref>。
:男爵イモよりもねっとりしていて、煮くずれしにくい。このため、[[カレー_(代表的なトピック)|カレー]]や[[シチュー]]や[[肉じゃが]]など、煮て調理する料理に適している。男爵薯に比べて長い形状で、でこぼこもそれほどひどくなく、皮はむきやすい。主に西日本での消費が多い。世界的に見ても、特に日本で人気がある種(イギリスでも今日では忘れ去られている)。「メイクイーン」と呼ばれることも多いが、品種名としてはメークインが正しい名前である。花は紫色で雄性[[不稔]]。長年派生種は存在しなかった<ref>[http://www.geocities.jp/a5ama/ms.html *悲しい女王『メークイン』*]</ref>が、21世紀に入って俵正彦により[[突然変異]]から「タワラ小判」「タワラ長右衛門宇内」が選抜された。
 
; キタアカリ
: [[画像:Potato cv kitaakari.JPG|thumb|150px|right|キタアカリ]]
: 生食用品種。男爵薯を母親として、ジャガイモシストセンチュウ抵抗性を付与させて農林水産省北海道農業試験場(現:[[北海道農業研究センター]])で育成したもので、1987年に品種登録された。[[カロテン]]や[[ビタミンC]]の含有量が多い。男爵薯同様、粉吹き芋やマッシュポテトに適している。黄色が強めである。
 
; コナフブキ
: でんぷん原料用品種(農林認定:ばれいしょ農林26号)。日本において男爵薯についで生産量の多い品種で、北海道のみで作付されている。ジャガイモの最大の害虫とされる[[ジャガイモシストセンチュウ]]に対する抵抗性を持たず、近年は生産量を減らしている<ref>[http://www.jrt.gr.jp/var/n26.html コナフブキ]</ref>。
 
; とうや
: [[画像:Potato cv Toya.jpg|thumb|150px|right|とうや]]
: 生食用品種。ジャガイモシストセンチュウ抵抗性およびウイルス病 (PVY) 耐性を目的として北海道農業試験場で育成され、1995年に品種登録された。内部が黄色く、[[カロテン]]や[[ビタミンC]]の含有量が多い。口当たりが滑らかで、ポテトサラダに適している。JAたんの(現:JAきたみらい端野支所)では、独自ブランド名として黄爵(こうしゃく)と名付けて販売している。
 
; ワセシロ
: 生食(加工)用品種。北海道立根釧農業試験場で育成され、1974年に品種登録。新じゃがポテトチップの材料として使用される。
 
; トヨシロ
: [[画像:Potato cv Toyoshiro.jpg|thumb|150px|right|トヨシロ]]
: 加工用品種。北海19号とエニワの交配種で、1976年に品種登録。ポテトチップの材料として生産されている品種。風味は男爵薯に較べると劣るといわれるが、揚げると男爵に比べ色合いがよい。
 
; ホッカイコガネ
: 生食用品種。「トヨシロ」を母、「北海51号」を父として交配された品種で、1981年に品種登録。細長い形はメークイン似ており、やや黄色みを帯びている。煮崩れに対する強さはメークインを上回り、「黄金メーク」「コスモメーク」等の別名でも呼ばれる。収穫時期がメークインより遅いので、その代替品として店舗に並ぶことも多い。
 
; インカのめざめ
: [[画像:inca no mezame.jpg|thumb|150px|right|インカのめざめ]]
: 2002年に種苗登録された小粒で黄色みの強い品種。アンデス産の小粒で食味が良い種(''S. tuberosum'' ではなく、2倍体の ''P. phureja'')と、アメリカの品種 Katahdin の半数体を交配させ、日本の長日条件下で栽培できるように開発した2倍体の品種(2倍体のジャガイモの品種は日本初)<ref>{{Cite web |date= 2009年|url= https://agriknowledge.affrc.go.jp/api-agrknldg/media/pdf/show/id/2010773136|title= 橙黄肉色を有する二倍体のバレイショ品種「インカのめざめ」 の育成
|format=PDF |publisher= 農林水産省農林水産技術会議事務局筑波産学連携支援センター|accessdate=2018-08-04}} </ref>。甘みが強く、サツマイモや[[クリ|栗]]に似た味を持つなど食味はよいが、収量は少なく、病虫害に弱いことから他の品種と比較して栽培が難しい。また発芽しやすく、長期の保存には不向きである。生食用品種として人気が高まってきているが、生産量は少なくジャガイモの中では高価である。北海道十勝地方の[[幕別町]]などが主産地である。長期冷蔵貯蔵によりさらに糖度の増加した物もあり、近年ではその風味を生かした本格焼酎の原料にもなっている。
 
; デジマ
: [[画像:Potato cv Dejima.jpg|thumb|150px|right|デジマ]]
: [[長崎県農林技術開発センター|長崎県総合農林試験場]]で交配・育成された品種で、1971年(昭和46年)に品種登録された。品種名は[[江戸時代]]に外国への窓口であった長崎の[[出島]]に因んだもの。長崎県を中心に[[九州]]で多く栽培される。多収で薯が大きくなる品種。肉色は黄白色で適度に煮崩れし美味だが、明るい所では[[緑化]]しやすい。
 
; ニシユタカ
: [[画像:Potato cv Nishiyutaka.jpg|thumb|150px|right|ニシユタカ]]
: 長崎県をはじめとした暖地での主要品種の一つ。長崎県総合農林試験場で交配・育成され、1978年(昭和53年)に品種登録された。親は母がデジマ、父が長系65号。茎は短く直立、肥大性良、多収で栽培しやすい品種。
 
; ラセット・バーバンク
: [[画像:Russet_potato.jpg|thumb|150px|right|ラセットバーバンク]]
: 英名は"[[:en:Russet Burbank potato|Russet Burbank potato]]"。1875年に[[アメリカ合衆国|アメリカ]]の種苗家[[ルーサー・バーバンク]]が開発した『バーバンク』の[[突然変異]]により1910年頃に誕生。大きくなるため[[フライドポテト]]に向き、日本へも加工品が多く輸出されている。
: 日本では環境の違いから収量が得られず<ref>浅間和夫、ジャガイモ博物館、[http://www.geocities.jp/a5ama/russetb.html ラシットバーバンク(ラセット・バーバンク)]、2012年1月23日閲覧</ref>栽培されていないため、もっぱら加工品の輸入に頼っている。
 
: "Russet"は、「ザラザラした」という意味で、芋の表面の特徴に因む。ラセット・バーバンク以外にもラセット・レンジャー、ラセット・ノーコタ、ノーキング・ラセット、シェポディーなどの品種があり、これらを総称して「ラセット種」「ラセットポテト」などと呼ぶ。これらラセット種は、アメリカで最もポピュラーな品種である<ref>{{Cite web |url=http://www.potatoesusa-japan.com/table-stock_potatoes.html |title=United States Potato Board - Table-Stock Potatoes |publisher=米国ポテト協会 |accessdate=2013-06-07}}</ref>。
日本では環境の違いから収量が得られず<ref>浅間和夫、ジャガイモ博物館、[http://www.geocities.jp/a5ama/russetb.html ラシットバーバンク(ラセット・バーバンク)]、2012年1月23日閲覧</ref>栽培されていないため、もっぱら加工品の輸入に頼っている。
 
"Russet"は、「ザラザラした」という意味で、芋の表面の特徴に因む。ラセット・バーバンク以外にもラセット・レンジャー、ラセット・ノーコタ、ノーキング・ラセット、シェポディーなどの品種があり、これらを総称して「ラセット種」「ラセットポテト」などと呼ぶ。これらラセット種は、アメリカで最もポピュラーな品種である<ref>{{Cite web |url=http://www.potatoesusa-japan.com/table-stock_potatoes.html |title=United States Potato Board - Table-Stock Potatoes |publisher=米国ポテト協会 |accessdate=2013-06-07}}</ref>。
 
; シンシア
: 仏名は"Cynthia"。[[フランス]]のジャガイモ育種・販売会社であるジェルミコパ社により育成され、1996年に登録された品種。日本では2003年2月に品種登録された。他の品種と比べ卵形のシンプルな形状をしており、貯蔵性に優れ煮物にしたときの煮崩れが少ないなどの理由で人気がある。
 
; アンデス赤
: 1971年から1974年にかけて<ref>系統名から1972に交配が行われた可能性が高い</ref>[[川上幸治郎]]らがアーリーローズを母、アンデス原産の2倍体栽培種「''S.phureja 253''」を父として交配し「M72218」の名で選抜育成していた3倍体の種間雑種系統。春作よりむしろ秋作に適し、[[岡山県]][[牛窓町]]のばれいしょ採種農家が在来種として栽培を繰り返し維持してきた<ref>育成者等は「ネオデリシャス」と呼んでいたが、原採種栽培での名称は「アンデス赤」となっており、一般には「アンデス赤」「レッドアンデス」、「アンデスレッド」「アンデス」等の名称で販売されている</ref>。[[派生種]]として、[[麒麟麦酒]]が本種の[[プロトプラスト]]培養から選抜した「ジャガキッズ」、俵正彦が[[突然変異]]から選抜した「タワラマガタマ」「タワラヨーデル」がある。
 
== 各国とジャガイモのかかわり ==