「コルト・パイソン」の版間の差分

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== 特徴 ==
[[Image:Colt-python-barrel.jpg|thumb|right|バレル上の'''PYTHON 357'''の刻印]]
[[弾薬]]は、[[.357マグナム弾]]を撃つことができ、[[.38スペシャル弾]]も使用可能。発砲の反動による[[銃口]]の跳ね上がりを抑える重量物として、銃口部まで延長されたエジェクターロッドハウジング<ref>フルレングスアンダーラグ。略称としてフルラグ銃身とも呼ばれる</ref>、交換可能なランプタイプの照星と上下微調整可能な照門などの外観を持ち、精度向上のために熟練工が1丁1丁調整を行っている。[[銃砲身|銃身]]上部にはベンチレーテッドリブ(放熱板)と呼ばれる梁状の構造を持ち、銃身加熱による[[陽炎 (気象現象)|陽炎]]を防ぐための実用的な構造であるといわれているが、実際は「放熱の効果はないだろうが、あった方が銃の見栄えが良くなる」とする見解もある<ref name="computer"></ref>。[[照準器|スコープ]]を装備するモデルでは、ベンチレーテッドリブがスコープをマウントする取り付け台として利用されている。ベンチレーテッドリブの上面とフレームトップは反射を抑えるべく、マットフィニッシュになっており、トリガーはセレーションが入れられ、シングル・アクションでの射撃に適している。グリップは美しいRを描く細かいチェッカリングの入ったオーバーサイズの木製グリップである。
 
初期の仕上げは「コルトロイヤルブルーフィニッシュ」と呼ばれ、スチールフレームの表面に腐食を防ぐ目的で[[四酸化三鉄|黒錆]]を発生させるガンブルーという表面処理が施された深みのある青を帯びた黒色だったと言われている。外観だけではなく内部も入念に仕上げられており、[[コルト・ファイヤーアームズ|コルト]]社の他の[[回転式拳銃|リボルバー]]よりも[[トリガー (銃)|引き金]]の感触が良いとされている。この仕上げはコルトの熟練工が引退するにつれ、仕上げが荒くなり品質が落ちていったと言われており、仕上げの状態が良い個体や、熟練工在籍時の初期生産品はコレクターの間で高値で取引される。
 
コルト社の採用している引き金の機構は[[スミス&ウェッソン|S&W]]社のものと比較して扱いにくいため、[[S&W M19]]や[[S&W M586]]のフレームにパイソンの銃身を組み合わせた「スマイソン」や「スモルト([[アメリカ合衆国|米国]]では"Davis Smolt"とも)」と呼ばれるカスタムモデルが第三者の手で製作されたこともある。また、非常に珍しいコルト社公認モデルとして、[[コルト・キングコブラ|キングコブラ]]のフレームにパイソンのバレルを組み合わせた「コルト グリズリー(Grizzly)」があり、刻印も"Colt Grizzly"に変更されている。これ以外にも、パイソンの銃身に別のフレームをつけるというカスタムモデルがいくつか存在する。
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[[Image:Pythons2.jpg|thumb|right|250px|コルト・パイソンハンター(上)<br/>コルト・パイソン 6インチモデル(下)]]
; コルト・パイソンハンター
: [[1980年]]に登場したパイソンの8インチ[[銃砲身|銃身]]モデルで、[[木]]製グリップを標準装着していた従来のモデルとは違ってラバーグリップを標準装着し、LEOPOLD製[[拳銃|ピストル]][[照準器|スコープ]]がベンチレーテッドリブに搭載され、[[アルミニウム|アルミ]]製[[ブリーフケース|アタッシュケース]]に入った状態で限定販売された。通常の8インチモデルは銃身の刻印が他モデルと同じ"PYTHON 357"だが、スコープ付モデルのみ刻印が"PYTHON  HUNTER"となっている<ref>販売時期がコルト社の製品全般の品質が低下していた時期と重なっており、[[Gun (雑誌)|月刊Gun]]の特集記事で取り上げられた個体はフロントサイトやリコイルシールド周りの仕上げが極めて劣悪で、さらには銃身延長によって期待された命中精度も、レポーター所有の6インチモデルにおよばないとされていた</ref>。
: [[1995年]]に[[日本]]で起きた[[警察庁長官狙撃事件]]では、[[.357マグナム弾|.357マグナム]]の[[弾丸#弾丸の種類|ホローポイント弾]]3発が発射されており、使われた銃器はパイソンハンターだったとも言われる。
; コルト・コンバットパイソン
: [[1980年代]]後半に登場したパイソンの3インチモデル。[[スミス&ウェッソン|S&W]]社や[[スターム・ルガー]]社などのライバル会社が生産している3インチ[[回転式拳銃|リボルバー]]に対抗し、発売された。また、カリフォルニア・ハイウェイ・パトロール<ref>[[アメリカ合衆国の警察#ステート・ポリス]]を参照</ref>が注文し、同モデルをベースにして生産された「パイソン・カリフォルニア・コンバット」というモデルも存在するとされる。
; コルト・ダイアモンドバック
: [[1966年]]に登場したパイソンの廉価版にあたるモデルで、名称の由来は背中に[[ダイヤ]]模様のある[[ガラガラヘビ属|ガラガラヘビ]]の一種。外見こそパイソンと同様だが、全体的に小型である。又、強度の問題と[[弾薬]]の全長の違いからシリンダーの前後長は短く[[.38スペシャル弾]]専用となっており、[[.357マグナム弾]]は使用できない。パイソンのようなロイヤルブルーフィニッシュではなく、普及品レベルの仕上げとすることで生産コストを低くした。銃身長は2.5インチ、4インチ、6インチがあるほか、[[:en:.22 Long Rifle|.22LR弾]]を使用するモデルも存在する。しかし、パイソンより安価といっても他社製のリボルバーと比較すると高価だった事もあって、1989年に生産が終了した
 
== S&W M19・M586とコルト・パイソン ==