「ソピアー」の版間の差分

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== グノーシス主義 ==
[[グノーシス主義]]の{{仮リンク|ウァレンティノス派|en|Valentinianism}}などの{{仮リンク|ソピアー神話|en|Sophia (Gnosticism)}}では、{{仮リンク|プレーローマ|en|Pleroma}}での最低次アイオーンで、知られざる先在の父(プロパトール)を理解したいという彼女の欲望によって、この世が生み出された。
 
人間の「心魂」([[魂]]を表すグノーシス主義用語)の象徴でもあり、ソピアーの落下と救済は、人間の心魂の地上への失墜と救済の可能性の[[神話]]元型となっている。
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== キリスト教 ==
「知恵」は[[旧約聖書]]([[ヘブライ語]]聖書)においても[[女性名詞]]で[[擬人化]]されている箇所がいくつかある。グノーシス神話のようなソピアーと創造とのかかわりについては、[[箴言]]8章22-31節にはそれらしき記述がある。そこでは、創造主[[ヤハウェ]]の御業(みわざ)の初めとして世界創造に先立ちまず「知恵」が造られ、彼のかたわらで名匠(巧みな者)として楽しんでいたということが「知恵」自身の独白という形で告げられている。これは[[ユダヤ教]]・[[キリスト教]]において単に「主は知恵を用いて世を造った」という意味だと解されることもあるが、キリスト教においては「知恵とは[[イエス・キリスト]]のことである」と解釈される場合がある。
[[イエス・キリスト]]の[[十字架]](スタウロス)での受難は、[[キリスト教]]の[[福音書記者]]が記しているが、キリスト教がこの神話要素を借用したのか、または独自な出典から物語を採用したのか、イエスの受難も、上智の落下と救済事件のなかの要素として描かれている。
 
ヘブライ語聖書のギリシア語訳である[[七十人訳聖書]]では、ヘブライ語で知恵を意味する「ホクマー」はソピアーと訳出された。
 
[[イエス・キリスト]]の[[十字架]](スタウロス)での受難は、[[キリスト教]]の[[福音書記者]]が記しによっいるが、キリスト教がこの神話要素を借用したのか、または独自な出典から物語を採用したのか記され、イエスの受難も、上智の落下と救済事件のなかの要素として描かれている。
 
この場合、イエスは[[アイオーン]]であり、それゆえ[[肉体]]を持たないので、受難しなかったという説もあり、これは[[仮現説|仮現論]](ドケティズム)に通じる。