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|界階級なし = [[SARスーパーグループ]] {{Sname||SAR supergroup|Sar}}
|上門階級なし = [[ストラメノパイル]] {{sname||Stramenopiles}}
|門 = [[不等毛植物門]] {{Sname||Heterokontophyta}}
|綱 = [[褐藻|褐藻綱]] {{Sname||Phaeophyceae}}
|目 = [[コンブ目]] {{Sname|en|Kelp|Laminariales}}
|和名 = コンブ科
}}
{{栄養価 | name=りしりこんぶ  素干し<ref name=mext7>[[文部科学省]]  「[http://www.mext.go.jp/a_menu/syokuhinseibun/1365297.htm 日本食品標準成分表2015年版(七訂)]」</ref>| kJ =577| water=13.2 g| protein=8.0 g| fat=2.0 g| satfat=(0.51) g| monofat = (0.45) g| polyfat =(0.47) g| carbs=56.5 g| fiber=31.4 g| sodium_mg=2700| potassium_mg=5300| calcium_mg=760| magnesium_mg=540| phosphorus_mg=240| iron_mg=2.4| zinc_mg=1.0| copper_mg=0.05| Manganese_mg=0.22| betacarotene_ug=850| vitA_ug =71| vitE_mg =1.0| vitK_ug=110| thiamin_mg=0.80| riboflavin_mg=0.35| niacin_mg=2.0| vitB6_mg=0.02| folate_ug=170| pantothenic_mg=0.24| vitC_mg=15| note =ビタミンEはα─トコフェロールのみを示した<ref>[[厚生労働省]]  「[http://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-10901000-Kenkoukyoku-Soumuka/0000114399.pdf 日本人の食事摂取基準(2015年版)]」</ref>。エネルギー: 暫定値| right=1 }}
{| class="wikitable" style="float:right; clear:right"
|+ 乾物100g中の食物繊維<ref name=suisan>吉江由美子、「[https://wwwdoi.jstage.jstorg/10.go2331/suisan.jp/article/suisan1932/67/4/67_4_619/_pdf .619 海藻の食物繊維に関する食品栄養学的研究]、吉江由美子、」 『日本水産学会誌、Vol.67 (2001)年 67巻 No.4号 p.619-622, {{doi|10.2331/suisan.67.619}}</ref>
|-
! 項目 !! 分量
'''コンブ'''(昆布)は、[[不等毛植物門]][[褐藻|褐藻綱]][[コンブ目]][[コンブ科]] (学名:{{Sname|Laminariaceae}} )に属する数種の[[海藻]]の(一般的)名称である。生物学が生まれる以前からの名称であるため、厳密な定義はできないが、葉の長細い食用のものがコンブと呼ばれる傾向がある。コンブ科に属する海藻でも、[[オオウキモ|オオウキモ(ジャイアントケルプ)]]は通常、コンブとは呼ばれない。
 
[[生物学]]ではカタカナ書きの「コンブ」が使われるが、単なる「コンブ」という種は存在せず、[[マコンブ]]や[[リシリコンブ]]、[[ミツイシコンブ]]などのように、コンブ科植物の[[種 (分類学)|種]]の[[標準和名]]に用いる。他方、食品など日常的には'''昆布'''や'''こんぶ(こぶ)'''の表記も使われる。[[ウェブスター辞典]]などにもそのままkombuとして記載されている<ref>  米原万里『旅行者の朝食』にはソ連で深刻な食料品不足のときでも誰にも買われず商品棚を満たしていた缶詰に「昆布のトマト煮」というものがあったと書いてある。</ref>。
 
== 分類と生態 ==
 
コンブは[[胞子]]によって増殖する。コンブの胞子(大きさは5[[µm]]程度)は2本の[[鞭毛]]を持ち、海中を泳ぐことができるので特に「[[遊走子]](ゆうそうし)」と呼ばれる。遊走子はコンブの表面から放出され、海中の岩などに着生する。着生した遊走子は発芽して「配偶体」という微小な植物体になる。1個の遊走子から1個体の配偶体ができ、雄と雌の配偶体がある。雌雄の配偶体それぞれに卵と精子が作られる。この[[卵]]と[[精子]]が受精し、受精卵が生長すると巨視的な「胞子体」、つまりコンブとなる。
 
=== 近縁種 ===
コンブ科と同じ[[コンブ目]]に属する近縁なものとしては、[[ワカメ]]などが属する[[アイヌワカメ科]]<ref>[http://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/view/9020251 ワカメ] BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人[[海洋研究開発機構]]構築 2013年6月9日閲覧。</ref>(チガイソ科<ref name="吉田2010">[http://www.sourui-koza.com/kisai_bunrui/mokuroku2010_2.html 吉田忠生・吉永一男 (2010) 日本産海藻目録(2010年改訂版), 藻類 Jpn.J.Phycol. (Sorui) 58:69-122, 2010] 2013年6月9日閲覧。</ref>)や、コンブの原始的な形といわれる[[ツルモ科]]があり<ref>[http://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/view/9019754 コンブ目] BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人[[海洋研究開発機構]]構築 2013年6月7日閲覧。</ref><ref>{{Cite journal |和書|author = 川井浩史|title =海の森をつくる海藻, コンブ類のはなし|date = 2002-07|publisher = 研成社 |journal = プランタ |volume = |number = 82|naid = 40005535422 |pages = 55-62 |ref = }}</ref>、また、[[アラメ]]、[[カジメ]]などが属するレッソニア科がある<ref name="吉田2010"/><ref>[http://www.godac.jamstec.go.jp/bismal/j/view/9020280 レッソニア科] BISMaL (Biological Information System for Marine Life) 独立行政法人[[海洋研究開発機構]]構築 2013年6月9日閲覧。</ref>。
北海道の[[函館市]]沿岸ではマコンブの養殖が盛んに行われている。マコンブは2年生のため、その養殖には2年の時間と手間が必要であり、2年栽培のものに近い質を目指した1年の促成栽培もある。また、産業上重要種であるミツイシコンブ、リシリコンブ、オニコンブに関しても、その養殖法は確立されている。その他の種に関しては天然の現存量が多い、もしくは前述の種より利用価値が低いことから、養殖法が確立されていない。
 
コンブの収穫は、小舟から箱メガネなどで海中を見ながら昆布の根元に竿を差し入れ巻き付けてねじり取る<ref name="hokkaido-np-2014-7-15">{{Cite news | url = http://www.hokkaido-np.co.jp/news/agriculture/551355.html | title = 羅臼天然コンブ  霧中の初水揚げ  「流氷の影響それほどない」 | newspaper = [[北海道新聞]] | publisher = 北海道新聞社 | date = 2014-7-15 }}</ref>。コンブ漁に用いられる先が二股になった棒は「[[マッカ]]」などと呼ばれる<ref name="hokkaido-np-2014-7-15"/>。海岸で押し寄せてきたコンブを拾ったり、鈎でたぐり寄せる方法もある。次に、小石を敷き詰めた干場に運び並べて干す。1〜2回裏返しにし、まんべんなく乾燥させる。乾燥しすぎると折れやすくなるため加減が必要である。乾燥時間は半日程度だが、この間に雨に当たると商品価値はなくなるので、[[天気予報]]で雨が確実な日は出漁を見合わせることもある。天日ではなく[[乾燥機]]で干す方法もあり、品質は落ちるが、濃霧や日照不足などの理由で乾燥機の使用頻度が多い地域もある。コンブ干しは最適の天候時に、手早く、かつ何度も表裏を返し、適切に干す必要があるため、干し方専門の[[アルバイト]]が募集されるほか、コンブ漁場の近くに[[番屋]]を張り寝泊まりする地域もある<ref>[http://hokkaido.yomiuri.co.jp/shiretoko/2004/2004shikyoku/2004080201_shikyoku.htm 読売オンライン北海道発2004年8月2日] {{リンク切れ|date=2011年10月}}</ref>。また、干した後も、専用の蔵にて「寝かせ」(熟成)の過程が1〜3年、上級品では5〜10年ほど必要であり、大変に手間がかかる<ref>[https://www.konbu.jp/kuragakoi/index.shtml 蔵囲昆布について 奥井海生堂]</ref>。
 
=== 産地と種類 ===
コンブの主な産地は北海道で、特に真昆布、羅臼昆布、利尻昆布、日高昆布(三石昆布)、長昆布などが知られる。
 
; [[マコンブ]] {{Snamei||Saccharina japonica}}<ref name="吉田2015">{{Cite journal |和書 |author=吉田忠生 |coauthors=鈴木雅大、吉永一男 |title=日本産海藻目録(2015年改訂版 |journal=藻類 |volume=63 |issue=3 |date=2015-11-10 |naid=40020642430|pages =144 }}</ref>(真昆布)
: 主に[[津軽海峡]]〜[[噴火湾]]沿岸で獲れる道南産のコンブ。非常に多くの銘柄と格付があり、旧[[南茅部町]]周辺(現在は函館市)に産する真昆布が最高級品とされ、「白口浜」という銘柄で呼ばれる。そのほか旧[[恵山町]]周辺で産する黒口浜、津軽海峡の本場折、それ以外の海域で取れたものを場違折などの銘柄に分ける。市場価値もおおよそこの順番となるが、銘柄内でも品質により数段階の等級に分けられる。だし汁は上品で透き通っていて、独特の甘味がある。[[大阪]]ではこの味が好まれ、だし昆布といえば、大抵この真昆布を用い、取扱量は日本国内の90%90%に及ぶ。また、他の用途としておぼろ昆布、白髪昆布などの薄く削った加工品や、代表的な大阪寿司である[[バッテラ]]に用いる白板昆布がある。現在の分類においては、オニコンブ、リシリコンブ、ホソメコンブは本種の[[変種]]とされている。
 
; [[オニコンブ]] {{Snamei||Saccharina japonica}} var. ''diabolica''<ref name="吉田2015"/>(羅臼昆布)
 
; [[ナガコンブ]] {{Snamei||Saccharina longissima}}<ref name="吉田2015"/>(長昆布、浜中昆布)
: [[釧路市|釧路]]地方で多く獲れるコンブ。全長15mにも及ぶ。生産量は最も多いが、旨味成分が少ないために一般向けの廉価品。日高昆布同様、柔らかいために一般では昆布巻きなどに用いられる。[[沖縄県]]周辺の島嶼群では最も一般的な昆布であり、古くから野菜代わりに重宝され、切り刻んだものをそのままサラダ感覚で食べたりするほか、[[豚肉]]との相性が非常に良いため、炒め物にしたりする。ミツイシコンブと遺伝的距離が近く、本種をミツイシコンブの変種とする説もある<ref>{{Cite web|author=元北海道立函館水産試験場長 川嶋昭二 |url=http://museum-sv.museum.hokudai.ac.jp/activity/symposium/symposium7/kawashima.html |title=形態的特徴から見た北海道産コンブの分類学的考察 |publisher=[[北海道大学]]総合博物館 |format=PDF |accessdate=2011-05-13}}</ref>。
 
; [[ガッガラコンブ]]  {{Snamei||Saccharina coriacea}}<ref name="吉田2015"/>(厚葉昆布)
: 釧路地方で多く獲れるコンブで、がっがらとも呼ぶ。ナガコンブと同じ海域に生息するが、ナガコンブと異なって、波の穏やかな場所を好む。表面は白粉(マンニット)を帯びており、独特の刺激と苦味がある。主な用途は加工用で、佃煮、塩吹昆布、[[ばってら]]などに利用される。
 
; [[ネコアシコンブ]] {{Snamei||Arthrothamnus bifidus}}<ref name="吉田2015"/>(猫足昆布)
:分布は釧路沿岸から千島列島。コンブ科の褐藻だが、他のコンブのようにコンブ属ではなく、[[ネコアシコンブ属]]に属する。長さは2-4メートルで、葉の基部両縁に耳型の突起ができる。根の部分が猫の足に似ていることから、猫足と呼ばれるようになった。他の昆布と比較すると粘りと甘味が強いのが特徴で、主にとろろ昆布、おぼろ昆布の材料になる。その他、医薬品、試薬に欠かせない[[沃化カリウム]]の原料としても知られていた。養殖法は確立されていない上に、下述のガゴメと同様、フコイダンという粘性多糖類が多く含有されていることから、価格が急騰し、入手が困難になってきている。
 
; [[ガゴメコンブ]](ガゴメ) {{Snamei||Saccharina sculpera}}<ref name="吉田2015"/>(籠目昆布、[[シノニム]]:{{Snamei|Kjellmaniella crassifolia, Saccharina crassifolia}}<ref name="吉田2010"/>)
: 葉(正確には葉状部という)の表面に籠の編み目のような龍紋状凹凸紋様があることからこの名を持つ。北海道函館市の[[津軽海峡]]沿岸〜亀田半島沿岸(旧[[南茅部町]])〜[[室蘭市]]周辺(噴火湾を除く)、[[青森県]]三厩〜岩屋、岩手県[[宮古市]]重茂、[[樺太]]南西部、沿海州、朝鮮半島東北部に生育する。水深10 - 25mに多く分布し、浅い側ではマコンブと混じって分布するため、昔は雑海藻とみなされていた。最大で長さ2mほどになり、寿命は3年から5年と考えられている。ダシを取る用途には使われないため、主にとろろ昆布や納豆昆布、[[松前漬]]などの加工品などに用いられた。そのため、他の昆布と比較して価格が低かったが、「[[フコイダン]]」という粘性多糖類が他のコンブよりも多量に含まれ、それがいわゆる機能性成分として作用するらしいことが分かり、価格が急騰した。これまではもっぱら天然に分布するものが採取されていたが、生産量は一時期の10分の1まで落ち込んだ。しかし、現在では栽培方法も確立されており、ガゴメの栽培に従事する漁業者が増え、生産量も安定してきている。
 
=== 主な陸揚げ漁港 ===
昆布は、主に乾燥させて[[出汁]]をとるために[[日本料理]]では幅広く使われる。ロシアでは「[[:ru:ламинария|海のキャベツ({{lang|ru|морская капуста}})]]」と呼ばれるが、食べ物としてはそれほどよく知られていない。細長く刻んで'''刻み昆布'''(そうめん昆布)にも加工され'''昆布の佃煮'''が作られる。また、表面を薄く削って'''[[とろろ昆布]]'''や'''おぼろ昆布'''(こちらは糸状ではなく薄く帯状に 削ったもの)にするほか、[[酢昆布]]やおしゃぶり昆布としてお茶請け・おやつにも用いられる。北海道では、湯通しした若い昆布を刺身昆布として食べる習慣がある。結び昆布や昆布巻きなどに用いられる'''棹前昆布'''は「早煮昆布」とも呼ばれ、漁期前に採取された未成熟で薄い昆布をボイルして干したものである。
 
統計局の家計調査によると、[[青森市]]、[[盛岡市]]、[[富山市]]<ref>総務省統計局の家計調査(二人以上の世帯)品目別都道府県庁所在市及び政令指定都市(※)ランキング(平成23年(2011年)~25年(2013年)平均)で消費金額では富山市が2,205円、消費量では青森市が668gで1位だった。</ref>が昆布消費量の多い都市(2003〜2005年平均:1世帯あたり)で、全国平均の1.4〜1.8倍を消費している。沖縄県[[那覇市]]は7位(全国平均の1.1倍)である。沖縄県はかつて日本産昆布を中国に輸出するための中継地点であったことから、昆布を利用する食文化が生まれ昆布消費量が多かったが、近年は若者の伝統食離れで消費が減少している。昆布つくだ煮の消費量が多い市は[[福井市]]、[[大津市]]、富山市で、これに京都、[[奈良]]など[[近畿地方]]の都市が続く。近畿地方では古くから[[北前船]]によって昆布が多く流通し、独特の昆布消費文化と加工技術が存在するため、つくだ煮消費量が多い。
[[File:Kelp candy.jpg|thumb|left|150px|様々な昆布[[アメ]]]]
昆布は特に豊富な[[食物繊維]]や鉄分、[[カルシウム]]などが含まれており[[健康食品]]として人気が高い。[[池田菊苗]]が[[1908年]]古来から使われる昆布の旨み成分が[[グルタミン酸]]であることを発見し、これが[[うま味調味料]]の[[味の素]]となった。他にも、昆布には人にとって必須元素である[[ヨウ素]]を多量に含有している。
{| class="wikitable floatright" style="text-align:center"
|+ 食品1グラムあたりのヨウ素含有量<ref name="ranking">
{{cite web
|url=http://fooddb.mext.go.jp/ranking/ranking.html
|title=食品成分ランキング
|-
! 昆布(素干し)
| 2100-2400
|-
! 昆布(刻み昆布)
| 2300
|-
! 昆布(佃煮)
| 110
|-
! カットわかめ
| 85
|-
! 昆布だし(液体)
| 19-82 <ref name="ranking"/><ref name="日衛誌">
{{cite web
|url=http://www.e-lactancia.org/media/papers/Algas-Yodo-2008.pdf
|title=日本で市販されている食品中のヨウ素含有量
|page=729
|date=2008/09
|accessdate = 2016年3月4日}}</ref>
|}
 
[[厚生労働省]]が発表した「日本人の食事摂取基準(2010年版)」によると、ヨウ素の推奨量は成人で約130 µg/日、ヨウ素の耐容上限量は約2.2 mg/日としている<ref>{{PDF|[http://www.mhlw.go.jp/shingi/2009/05/dl/s0529-4al.pdf 「日本人の食事摂取基準」(2010年版)6.2.5 ヨウ素]}} 厚生労働省</ref>。コンブは大量にヨウ素を含み、素干しコンブわずか1gでヨウ素の耐容上限量約2.2 mg/日に達する。北海道での海岸性甲状腺腫はヨウ素の過剰摂取が原因であると考えられている。半面、ヨウ素の抗腫瘍作用を利用するため少なくとも3 mg/日を摂取すべきとの説も存在する<ref>布施 養善 「[https://doi.org/10.11299/brte.24.117  ヨウ素をめぐる医学的諸問題-日本人のヨウ素栄養の特異性]」 『Biomedical Research on Trace Elements』Vol. 24 (2013) No. 3 p. 117-152</ref>。
 
コンブの表面に付着している白い粉は味の源となっている[[グルタミン酸]]と[[マンニトール]]で、調理前に水洗いをすると流されてしまう。
 
== 語源 ==
和語では古くは、食用の海草一般(特にワカメを指して)を「め」と呼んでいた。漢字では、古くは「軍布」([[万葉集]]、藤原京木簡)、「海布」([[古事記]])、「海藻」(平城京木簡、[[風土記]]、[[正倉院文書]])、「和布」([[色葉字類抄]])<!-- 、「海ソウ」([[新撰字鏡]]。「ソウ」は戸籍統一文字番号366450か?)-->などと当てられていた。『[[本草和名]]』(9世紀初頭)には「昆布、一名綸布。和名比呂女、一名衣比須女」とあるように、とりわけ昆布を指しては「ひろめ」とか「えびすめ」と呼んでいた。「ひろめ」は幅の広いことに(すなわち広布)、「えびすめ」は[[蝦夷]]の地から来たことに(すなわち夷布)由来すると考えられる。「コンブ」に近い名称はやや時代を下り、『色葉字類抄』(1177-81年)に「コンフ」、『[[色葉字類抄|伊呂波字類抄]]』に「コフ」という訓が確認できる。
 
「コンブ」の語源には諸説あるが、特に次の二説が有力である。
『[[爾雅]]』(紀元前3世紀〜2世紀ころ)には、『綸似綸,組似組,東海有之。』「綸(という発音で呼ばれているもの)は綸に似ている。組(という発音で呼ばれているもの)は組に似ている。これは東海にある」<ref>[http://ctext.org/er-ya/shi-cao#n38782 爾雅 釋草 199]</ref>と書かれており、『呉普本草』(3世紀前半〜中葉)には綸布の別名が昆布であるとする。また、[[陶弘景]](456-536年)は、「昆布」が食べられることを記している<ref name="本草綱目" />。ただし、前述のように、この「昆布」が日本で言う昆布と同じものなのかは定かでない。
 
日本では、古くから昆布が食べられてきた。縄文時代の遺跡からは、ワカメなどの海藻の植物遺存体が見つかっており<ref>[http://www.hijiki.org/html/content02.htm 日本ひじき協議会]、[http://www.rikenvitamin.jp/wakamekg/vol11.html わかめ健々学々]</ref>、コンブもまた、この時代から食されていたかもしれない。文字資料で残っているものとしては、前述の「軍布(め)」は、音から推測して、コンブであった可能性がある。[[続日本紀]]([[797(797]])の[[霊亀]]元年(715年)十月丁丑条には、[[蝦夷]](大和朝廷に属さない東北人一般とする説と、アイヌ人説がある)の[[須賀古麻比留]]が「先祖代々、朝廷に献上している昆布はこの地で取れるもので、毎年欠かしたことがない」と言った、とある。[[平安時代]]の[[延喜式]]([[927(927]])にも、陸奥から貢納されていたことが記されている。[[安土桃山時代]]には城建築の際に石を滑らせるための材料として使用していた。[[安土城]]や[[大阪城]]でもこの工法が使われている。
 
[[戦国時代_(日本)|戦国時代]]には、陣中食として昆布が使用されていた<ref>[[武則要秘録]]</ref>。江戸中期には、[[敦賀]]が昆布の唯一中継地となり、[[弘化]]に入ってから江戸や大坂や各地に広がっていく。特に大坂においては問屋が発展した。[[蝦夷地]]([[北海道 (令制)|北海道]])の開発が盛んになると、北前船などの航路の整備、出荷量の増加などにより全国に広まっていく事になる。とりわけ[[琉球王朝]]時代に昆布を中国への朝貢品の主要産物としていて、朝貢には適さない半端モノや下等級品をやむなく工夫して自家消費したことから、のちに伝統料理化する[[沖縄料理]]にはよく用いられる。
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