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===== メリットとデメリット =====
仮釈放のない無期懲役のメリットとしては、再犯防止を保証できること、刑事施設において生涯罪を償うことが保証されていることがある。デメリットとしては、受刑者が自暴自棄になり人格が崩壊しやすくなるおそれがあること、受刑者が「一生出られない」という理由で開き直り、刑務官に対して従順さを失って強圧的になるため、刑務所管理が困難になることが挙げられている。
 
これをめぐっては、前述の効果を重視する立場の者から支持する意見が表明されている一方、死刑廃止派の一部から死刑と同様に人道上問題が大きいという意見が表明されているほか、死刑存置派の一部からも、「人を一生牢獄につなぐ刑は死刑よりも残虐な刑である」といった意見<ref>朝日新聞2008年6月5日掲載の[[保岡興治]]元[[法務大臣]]の発言</ref>{{Refnest|group=注|他にも、元[[刑務官]]で作家の[[坂本敏夫]]が「(仮釈放のない無期刑の受刑者は)仮釈放の希望もなく死を待つだけの存在であり、彼らの処遇は死刑囚並に難しく、刑務官の増員がなければ対応は困難」と主張し、精神面からも対応困難な受刑者を増やすだけとしている<ref name="asahi080608kouron">朝日新聞2008年6月8日の『耕論』</ref>。}}や、刑務所の秩序維持や収容費用といった面から、その現実性を疑問視する意見{{Refnest|group=注|坂本敏夫は、国家が負担する受刑者一人当たりの年間予算は50万円であり、高齢化すれば嵩んでくる仮釈放のない無期懲役受刑者の医療費も、また死後の埋葬料も全額国家負担の必要が生じるなどに関して、具体的な議論が必要であるとしている<ref name="asahi080608kouron" />。また、元[[検察官]]の[[河上和雄]]は「(死刑廃止に伴う)絶対的無期刑は、脱獄の為(ため)に人を殺しても死刑にならないから、刑務官を殺す可能性もある」と主張している<ref>[http://nippon.zaidan.info/seikabutsu/2003/00962/contents/055.htm 毎日新聞の論説]による</ref>。}}が表明されている。