「クーロンの法則」の版間の差分

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'''クーロンの法則'''(クーロンのほうそく、{{lang-en|Coulomb's law}})とは、[[荷電粒子]]間に働く反発し、または引き合う[[力 (物理学)|力]]がそれぞれの[[電荷]]の[[乗法|積]]に[[比例]]し、[[距離]]の2乗に[[反比例]]すること([[逆2乗の法則]])を示した[[電磁気学]]の基本法則。
 
[[ヘンリー・キャヴェンディッシュ]]により[[1773年]]に実験的に確かめられていたが、この成果は彼の死後ずいぶん経ったのちの1879年[[ジェームズ・クラーク・マクスウェル]]が遺稿をまとめて『ヘンリー・キャヴェンディシュ電気学論文集』として発表するまで世間に発表されておらず、このためキャヴェンディッシュとは全く別のアプローチから[[シャルル・ド・クーロン]]が[[1785年]]に法則として再発見したことになる。[[磁荷]]に関しても同様の現象が成り立ち、これもクーロンの法則と呼ばれる。一般的にクーロンの法則と言えば、通常前者の荷電粒子間の相互作用を指す。クーロンの法則は、[[マクスウェルの方程式]]から導くことができる。
 
また、[[導体]]表面上の[[電場]]はその場所の[[電荷密度]]に比例するという法則も「クーロンの法則」と呼ばれる。こちらは「クーロンの電荷分布の法則」といい区別する。
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クーロンの実験の後にも、電気力と距離の関係を求めようとして行われた実験は少なくないが、それらは必ずしも逆2乗則を支持するものではなかった<ref name="shimoda" />。クーロンのねじり天秤は非常に敏感な装置であり、現代に行われた再現実験<ref>{{Cite journal|author=P.Heering |title=On Coulomb’s inverse square law |journal=American Journal of Physics. |volume=60 |issue=11 |pages=988 |year=1992|month=November|doi=10.1119/1.17002 }}</ref>でも誤差が大きく、距離の冪数が1~3乗程度になるという結論しか得られていない。クーロンの論文のデータの誤差は3、4%程度で、おそらく多くの測定の中から最も信頼できると思われるデータだけを報告したものと推察される<ref name="shimoda" />。再現実験を行ったヘーリングは、「おそらくクーロンは理論的考察から逆2乗則を信じるようになり、それを実証しようとして実験したのであって、実験から逆2乗則を発見したのではなかろう」と結論している<ref name="shimoda" />。ただしこの時代には[[最小二乗法]]などの誤差論が存在しなかったことにも留意する必要がある。
 
キャベンディッシュの研究資料は1870年に設立された[[キャヴェンディッシュ研究所]]の初代所長[[ジェームズ・クラーク・マクスウェル|マクスウェル]]によって1879年に公表された。マクスウェルはキャヴェンディッシュの方法を改良して<ref>キャベンディッシュの時代とは、実験器具が進化していた。マクスウェルは当時最新の電位計であるトムソン型象限電位計を使用したことが挙げられる。</ref>追試をおこない、キャベンディッシュの実験の確かさを再確認すると共に、マクスウェルの時代の実験器具により非常に高い精度でクーロンの法則を確かめている。
 
 
==電荷に関するクーロンの法則==