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[[ファイル:Chocolate.jpg|thumb|300px|チョコレート]]
{{栄養価 | name=<チョコレート類>ミルクチョコレート<ref name=mext7>[[文部科学省]]
'''チョコレート'''({{lang-en|chocolate}} {{IPA-en|ˈtʃɒklᵻt, -kəlᵻt||En-us-chocolate.ogg}})は、[[カカオ]]の[[種子]]を[[発酵]]・[[焙煎]]した[[カカオマス]]を主原料とし、これに[[砂糖]]、[[ココアバター]]、[[粉乳]]などを混ぜて練り固めた[[食品]]である。略して'''チョコ'''ともいう<ref>{{Cite web |url=http://www.excite.co.jp/world/j_dictionary/ITEM-DJR_CYOKO_-010/ |title=チョコ |accessdate=2016-01-25 |work=[[大辞林]] 第三版 |publisher=[[エキサイト]]}}</ref>{{Refnest|group="注"|おもに日本語における略称。<!-- https://en.wikipedia.org/wiki/Choco では“A shortening of ‘chocolate’ in Germany”としていたが典拠不明、“Schoko”(ショコ)の誤りか。英語でもドイツ語でも“Choco”の用例はあるが、辞書での記載例は確認できなかった。
近年の工業生産チョコレートでは、カカオマス、砂糖、ココアバター、粉乳といった主要材料以外に、原料コスト削減や加工性<ref>http://www.tomizawa.co.jp/clm/cacao/2009/02/vol_43.html</ref> を上げる目的で植物性の[[油脂]]などを加えたり、加工コスト削減の目的で[[乳化剤]]などを加えたり、風味の向上の目的で[[香料]]や[[甘味料]]などを加えるなど、様々な添加物が配合されることも多い。
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;ブラックチョコレート(ダークチョコレート)またはビターチョコレート
: 砂糖や粉乳の配合量が少ないため甘味が少なく、苦味が強いチョコレート。中には砂糖や粉乳を殆ど、もしくは全く含まないカカオ
; スイートチョコレート
: 粉乳を含まないチョコレート。
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チョコレートの製錬工程において、温度とチョコレートドゥ(精錬生地)の固さは製品の味を決める最も重要な条件である。精錬度の低いチョコレートは雑味が多く、使用する原料によっては特有の臭気を含んでいることがある。このためチョコレートとして望まれている風味を最適な状態で味わえるように精錬を行う。しかし、精錬の度合いが高すぎるとチョコレートの風味が消し飛んでしまう。
==== テンパリング(予備結晶化)
作る時の温度も風味に非常に影響する。チョコレートに含まれるカカオバターの[[結晶]]にはI型からVI型までの6種類の型があり、融け出す温度は17℃(I型) - 34℃(VI型)の幅がある。同一の原材料であっても、型によって食感はまったく異なる。V型が最も美味しいともされる。
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2000年代以降、チョコレートに多く含まれる[[ポリフェノール]]の一種であるカカオポリフェノールが健康への効果が高いとしてしばしば喧伝されるようになっている<ref>[http://www.chocolate-cocoa.com/lecture/ チョコレート・ココア健康講座] - 日本チョコレート・ココア協会</ref>。
[[2017年]][[1月]]に[[内閣府]]のプロジェクトチームが、[[明治 (企業)|明治]]と共同で、[[革新的研究開発推進プログラム]](インパクト)」を利用した研究結果として「チョコレートを食べると、脳が若返る可能性がある」と発表したが、外部から「裏付けが不十分だ」と指摘され、翌[[2018年]][[3月]]に内閣府は「追加試験を実施すべきで、発表には慎重さが必要だった」との検証結果を発表した<ref>[http://www.sankei.com/life/news/180308/lif1803080018-n1.html チョコで脳が若返り、実証には「追加試験が必要」
チョコレートを食べると[[ニキビ]]ができるという迷信があり、経験的にニキビができやすいとする者も多いが、科学的
[[イヌ]]や[[ネコ]]、[[鳥類]]など、[[ヒト]]以外のほとんどの動物はチョコレートを食べると[[中毒]]を起こす。これは、チョコレートやココアなどに含まれるテオブロミンを代謝できないことが原因で、死に至ることもある。
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紀元前2000年ごろから主に[[中央アメリカ]]においてカカオの栽培が始められ、アメリカ先住民族の間で嗜好品や薬用として珍重され<ref>[http://www.shokuiku-daijiten.com/mame/?p=1535 食育大事典 チョコレートは薬だったって本当?]</ref>、マヤ族、のちにはアステカ族も貨幣として使用したそうだ。飲み方は、[[コーンミール]]や[[トウガラシ]]を入れることが普通であった。
カカオは[[1492年]]に[[クリストファー・コロンブス]]によって[[ヨーロッパ]]へと紹介され、やがて[[アステカ帝国]]などの中央アメリカ諸王国を滅ぼしてこの地方を支配した[[スペイン人]]にも好まれるようになった。そして彼らを通じ、徐々に[[ヨーロッパ大陸]]にも浸透していった。この過程で、スペイン人はチョコレートの苦味を打ち消すためにトウガラシの代わりに[[砂糖]]を入れるようになり、このやり方が他のヨーロッパの国々に伝わる際も引き継がれた。当初、チョコレートは[[薬]]として扱われたが、砂糖を入れることによって徐々に嗜好品へと姿を変えていった。17世紀中ごろには[[イギリス]]に到達し、そのころ隆盛した[[コーヒー・ハウス]]においてもさかんに供された<ref>小林章夫『コーヒー・ハウス
[[19世紀]]にはいるまではチョコレートは飲み物であったが、19世紀に技術革新が次々と起こって現在のチョコレートの形が成立した。まず、[[1828年]]には[[オランダ]]の[[クーンラート・ヨハネス・ファン・ハウテン|コンラッド・ヨハネス・バン・ホーテン]]が[[ココアパウダー]]とココアバターを分離する製法を確立し、さらにカカオにアルカリ処理を行うことで苦味を和らげる方法も考案した。[[1847年]]にイギリスのジョセフ・フライが固形チョコレートを発明し、[[1875年]]には[[スイス]]の[[薬剤師]]である[[アンリ・ネスレ]]と[[ショコラティエ]]の[[ダニエル・ペーター]]が[[ミルクチョコレート]]を開発した<ref>[http://www.lindt.jp/chocomania/index.html リンツ・チョコレート - チョコレートの歴史]</ref>。さらに[[1879年]]にはスイスのロドルフ・リンツにより[[コンチェ]]が発明され、ざらざらしていた固形チョコレートが滑らかな口当たりのものへと変化した。上記の発明は「チョコレートの4大技術革命」とも呼ばれ<ref>[http://www.e-royce.com/corporate/choco_history/index.html ROYCE' - チョコレートの歴史]</ref><ref>[http://www.chocolate-cocoa.com/dictionary/history/world/w03_b.html 日本チョコレート・ココア協会 - チョコレートの4大革命]</ref>、これらの発明によって固形チョコレートはココアに代わってカカオの利用法のメインとなっていった。
こうした発明によって19世紀後半にはチョコレートは家族的な小企業や職人による生産から大企業による工場での大量生産へと移行していった。スイスの[[ネスレ]]社、リンツ社、カイエ社やイギリスの[[キャドバリー]]社、ロウントリー社、アメリカの[[ザ・ハーシー・カンパニー|ハーシー]]社などの大チョコレート企業が誕生し、安定して大量生産された規格品チョコレートの供給によりチョコレートの価格は下がり、一般市民が気軽に楽しめる菓子となっていった。一方で[[ベルギー]]やフランスなどを中心に[[ショコラティエ]]による高級チョコレート店も多数存在している。大チョコレート企業は[[1960年代]]以降買収を繰り返しながら巨大化していく一方、高級チョコレート店の職人によるチョコレートにも大きな需要があり、この二つが日常一般市民の食しているチョコレート生産のほとんどを占めている<ref>「チョコレートの世界史」p195
[[日本]]にチョコレートが伝わったのは[[江戸時代]]である。[[寛政]]9年(1797年)3月[[晦日]]に、[[長崎]]の[[丸山 (長崎市)|寄合町]]の大和路という遊女が、オランダ人から貰った贈り物の記録中に「しょくらあと六つ」という記載がある。これが、日本国内でチョコレートの事を記した最初の[[史料]]とされる。他にも、[[京都]]の[[蘭学]]者の廣川獬が、長崎に6年ほど遊学したときの事をまとめた「長崎聞見録(1800年、寛永12年刊行)」では、「しょくらとを」の記録がある。「しょくらとを」は、「[[紅毛|紅毛人]]の持渡る腎薬」と記されており、溶かして飲む[[薬]]として扱われていたようである。ただ、幕府が正式にチョコレートを輸入したという記録はなく、一部オランダ人が私的に[[出島]]に持ち込み、彼らと付き合いのあった人々だけが、チョコレートを知っていたようである<ref name="j01_a">{{Cite web|title=日本のチョコレート事始め |url=http://www.chocolate-cocoa.com/dictionary/history/japan/j01_a.html |accessdate=2018-11-25 | publisher=日本チョコレート・ココア協会 }}</ref>。
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!rowspan="2"|順位
!colspan="2"|年間チョコレート生産量<br />(2009年、単位トン)<ref>[http://www.chocolate-cocoa.com/statistics/domestic/world.html 世界主要国チョコレート菓子生産・輸出入・消費量推移| 統計・レポート
!colspan="2"|年間一人当たりチョコレート消費量<br />(2010年、単位kg)<ref>chocosuisse.ch: [http://www.chocosuisse.ch/web/chocosuisse/de/documentation/facts_figures.html ''FACTS & FIGURES''] {{webarchive|url=https://web.archive.org/web/20130917065939/http://www.chocosuisse.ch/web/chocosuisse/de/documentation/facts_figures.html |date=2013年9月17日 }}, Diagramme der ChocoSuisse - Verband Schweizerischer Schokoladefabrikanten - mit Daten der International Confectionery Association (ICA)</ref><ref>[http://www.chocolate-cocoa.com/statistics/domestic/world.html 世界主要国チョコレート菓子生産・輸出入・消費量推移| 統計・レポート
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これに対し日本では、諸説あるものの[[1958年]]ごろにはじまったとされ、[[1970年代]]には「女性から男性にチョコレートを贈る日」としてバレンタインデーが定着した。バレンタインデーにチョコレートを贈るようになったことをきっかけにして、[[日本チョコレート・ココア協会]]が2月14日を「チョコレートの日」として制定し、[[1970年代]]に定着した。
また、[[1875年]]にはキャドバリー社はチョコレートでできた[[イースター・エッグ]]を発売し、これも定着してチョコ・イースターエッグは[[イースター]]には欠かせないものとなった<ref>キャロル・オフ『チョコレートの真実』第1版、p.70, 北村陽子訳
=== チョコレートを主題としたフィクション ===
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== 関連項目 ==
{{commonscat|Chocolate}}▼
'''職業'''
* [[ショコラティエ]] - チョコレート職人
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** ゴディバ・チョコレート・リキュール - ゴディバ社製のチョコレート・リキュール
** モーツァルト・ブラックチョコレート・リキュール
** モーツァルト・チョコレート・クリーム・リキュール - チョコレートとヘーゼルナッツのリキュール
'''加工品'''
* [[チョコレート・シロップ]]
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== 外部リンク ==
▲{{commonscat|Chocolate}}
* [http://www.chocolate-cocoa.com/ 日本チョコレート・ココア協会]
* {{PDFlink|[http://www.jfftc.org/cgi-bin/data/bunsyo/034.pdf チョコレート類の表示に関する公正競争規約]}}
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