「対位法」の版間の差分
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==歴史==
多声音楽(複数の[[声部]]からなる音楽)そのものの起源は定かではないが、今日まで続く対位法の技法・理論は中世の[[教会音楽]]に端を発している。[[9世紀]]頃、[[モノフォニー
[[11世紀]]には、平行進行のみでなく反進行や斜進行も用いられる自由オルガヌムが用いられたが、リズム的には一音符対一音符のままであった。[[12世紀]]になって、単声を保続音としてその上により細かい音符を付加する、[[メリスマ]]的オルガヌムの技法が現れた。
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[[アルス・ノーヴァ]]の時代(14世紀)に至ると、それまでの定型的なリズムに替わって、より多様なリズムも用いられるようになった。また、オルガヌムのように既存の旋律に付加する形をとるのではなく、音楽全体を新たに作曲する傾向も生まれた。
[[ルネサンス]]期([[15世紀]] - [[16世紀]])になると、各声部の独立性はさらに明確化した。ルネサンス末期に現れた[[ジョヴァンニ・ダ・パレストリーナ|パレストリーナ]]の様式は対位法の模範とされる。またルネサンス末期には、旋律と旋律の積み重ねによってではなく、和音と和音との連結によって音楽を創る「[[和声]]」の発想が現れ、以後バロック期にかけて次第にこの発想が支配的となっていった。
[[18世紀]]に入ると、[[教会旋法]]による音楽は次第に廃れ、[[長調]]・[[短調]]による調性的な音楽が主流となり、それに伴い対位法にもますます和声的な発想が入り込むようになった。それまで[[合唱]]、つまり[[声楽]]と共に発展してきた対位法が、この時代に至ると[[器楽]]も発達し、それに伴って器楽的対位法と言われる新たな音楽語法が現れた。この時代に活躍した[[ヨハン・セバスティアン・バッハ|J.S.バッハ]]の作品はそれまでの対位法的音楽の集大成であると同時に、和声的な音楽語法をも用いたものであり、音楽史上一つの転換点であるとみなされる。
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