「クリプトスポリジウム」の版間の差分

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== 生活環 ==
[[ファイル:Cryptosporidiosis 01.png|thumb|left|クリプトスポリジウムの生活環]]
クリプトスポリジウムは一宿主性であり、媒介者や[[中間宿主]]を必要としない。クリプトスポリジウムのオーシストは宿主体内で成熟が完了しており、[[糞便]]と共に排出された時点で感染能を持っている。以下の説明は小腸へ寄生する種(''C. parvum''など)に基づいている。
 
宿主体内へ経口摂取されると、[[小腸]]で脱嚢してバナナ状のスポロゾイトが放出される。コクシジウム類では脱嚢するために還元的条件や膵液・胆汁にさらされることが必要であるが、クリプトスポリジウムでは単に暖かい水にさらされるだけでもよく、以上の条件があればさらに促進される。スポロゾイトは粘膜細胞の微絨毛へと侵入して'''メロゴニー''' (merogony) とよばれる無性生殖を行う。まずスポロゾイトの前端が細胞表面に接着すると微絨毛がこれを取り囲み、細胞表層に薄い細胞質に取り囲まれた胞ができる。この胞の中で球形の''メロント'' (meront) に成長し、核ならびに細胞が多分裂して複数の'''メロゾイト'''(娘虫体、merozoite)を生じる。細胞外へと放出されたメロゾイトはふたたび他の微絨毛に感染してメロゴニーを繰り返す。