「女猫 (1983年の映画)」の版間の差分

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[[1980年]]『[[ミスターどん兵衛]]』で初メガホンをとった[[山城新伍]]の第2回監督作品。医科大学の学長一族の悪事を暴き、復讐に挑む女医の活躍を描く。
 
それまで清純派女優として売り出していた[[早乙女愛]]の[[濡れ場]]演技で話題となり、4億5000万円の[[配給収入]]を記録した。
 
[[せんだみつお]]や[[片桐竜次]]など、山城人脈の役者が出演しているのも特徴。また山城と早乙女は公開同年の7月から翌年2月に放送の[[朝日放送|ABC]]系『[[ザ・ハングマン#シリーズ一覧#新ハングマン|新ハングマン]]』で共演している。
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* 刑事 - [[高橋明 (俳優)|高橋明]]
* 映画スター - [[中原博美智]]
 
== 製作 ==
1983年秋、にっかつが山城新伍に「1984年の正月映画にいま最も魅力のある早乙女愛さんのヌードを、山城監督で」と依頼<ref name="キネ旬19831101">{{Cite journal|和書|author=石坂昌三|title=邦画新作情報|journal=キネマ旬報|issue=1983年11月上旬号|pages=176|publisher=キネマ旬報社}}</ref>。当初の企画は[[藤本義一 (作家)|藤本義一]]原作の『をんな指師』で、藤本の得意とする[[スリ]]の話だったが<ref name="キネ旬19831101"/>、全然違う[[メス (刃物)|メス]]と肉体を武器に成り上がる女医の話になった<ref name="キネ旬19831102">{{Cite journal|和書|author=早乙女愛|title=ハードボイルドを目指して|journal=キネマ旬報|issue=1983年11月下旬号|pages=39|publisher=キネマ旬報社}}</ref>。『女猫』というタイトルは、映画狂の山城が今まで観た映画の中で一番エロチックだと感じた[[フランソワーズ・アルヌール]]主演の[[フランスの映画|フランス映画]]『[[女猫 (1958年の映画)|女猫]]』からの命名<ref name="キネ旬19831102"/>。
 
山城監督は「愛ちゃんを攻めるには外堀から攻めるしかない」とソフトな部分の撮影から始め、三度登場の全裸シーンは最終日に一気に撮った<ref name="週刊サンケイ198011926">{{Cite journal |和書 |date = 1984年1月19、26日号 |title = タレント街 山城新伍 |journal = [[SPA!|週刊サンケイ]] |publisher = [[産業経済新聞社]] |pages = 84頁 }}</ref>。「お客をタてても自分がタってはいかん!」と早乙女のハダカに生唾ゴックンしながら何とか持ちこたえた<ref name="週刊サンケイ198011926"/>。「90分間全編が見せ場ですが、あえていえば早乙女愛が見せる[[バケモノ]]みたいな[[オッパイ]]かな。最低三回は[[勃起]]しまっせ(笑)。なにしろポルノ処女の彼女に[[騎乗位]]から濃厚な[[レズ]]シーンまでやらせたんだから、起たなきゃ男じゃない(笑)。面白くなけりゃ、ゼニ返します!」などと豪語した<ref name="週刊現代1984010714">{{Cite journal | 和書 | journal = [[週刊現代]] | issue = 1984年1月7/14日号 | title = 連載にんげんファイル'84 山城新伍 『京都の映画館を遊び場にした町医者の伜は年収九千万円、白馬童子から自称・軽薄中年へ。趣味はラグビー観戦、トルコ風呂はもう飽きた』 | publisher = [[講談社]] | pages = 88–92頁 }}</ref>。撮影を13日(1983年11月後半~12月初め)<ref name="週刊平凡19841026">{{cite journal |和書 |author = |journal = [[週刊平凡]] |issue = 1984年10月26日号 |title = My Turning Point 早乙女愛 『あの日、私は変わった』 |publisher = [[マガジンハウス|平凡出版]] |pages = 80 - 83頁 }}</ref>でやり遂げ、辻褄の合わない話を90分でまとめた手腕ににっかつ上層部が感心し、にっかつの専属監督として契約しないかと誘われた<ref name="週刊現代1984010714"/>。
 
主演の早乙女愛は、それまで[[松竹]]専属のお嬢様女優イメージだったため<ref name="週刊現代19841013">{{Cite journal | 和書 |author = | journal = [[週刊現代]] | issue = 1984年10月13日号 | title =カタはめたろか 西川のりおの悶絶トーク ゲスト・早乙女愛 『噂のデカパイこの手で確かめたる』『タダじゃイヤよビデオ買って』 | publisher = [[講談社]] | pages = 60–63頁 }}</ref><ref name="unext">[https://video.unext.jp/title/SID0021052 「女猫」の動画視聴・あらすじ | U-NEXT]</ref><ref name="zakzak20100805">[http://www.zakzak.co.jp/entertainment/ent-news/news/20100805/enn1008051528009-n2.htm 【高須基仁 人たらしの極意】再び菩薩の顔に戻って天に召された早乙女愛]</ref>、フルヌードの披露と大胆な濡れ場演技で大きな話題を呼んだ<ref name="週刊現代19841013"/><ref name="unext"/><ref name="zakzak20100805"/><ref> [https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2010/07/27/kiji/K20100727Z00000150.html ヒロイン名が芸名になった早乙女愛さん 豊満な肉体披露で評判に]</ref>。1981年に日本でも[[アメリカ合衆国の映画|アメリカ映画]]『[[グロリア (1980年の映画)|グロリア]]』が公開されると、日本の女優も『グロリア』の[[ジーナ・ローランズ]]みたいな役を演じてみたいという者が増え<ref name="週刊現代19841013"/><ref>{{Cite book | 和書 | title = 岩下志麻という人生 <small>いつまでも輝く、妥協はしない</small> | author = 立花珠樹 | publisher = [[共同通信社]] | year = 2012 | id = ISBN 978-4-7641-0644-4 | pages = 188-189 }}</ref>、早乙女もその一人で『グロリア』を観て大感激し<ref name="キネ旬19831102"/><ref name="週刊平凡198312290105">{{cite journal |和書 |author = |journal = 週刊平凡 |issue = 1983年12月29、1月5日号 |title = 早乙女愛 『演技では強い女、でも自分の恋愛に関しては、どこまでも子供っぽのです』 |publisher = 平凡出版 |pages = 62 - 63 }}</ref>、「いつかこんな役をやってみたい」と夢見ていたところ、『[[ザ・ハングマン#シリーズ一覧#新ハングマン|新ハングマン]]』で共演していた山城から「女の[[ハードボイルド]]をやらないか」と誘われ<ref name="週刊平凡19841026"/><ref name="週刊現代19841013"/>、ポルノのオファーに回りからも猛反対を受け迷ったが、『[[愛と誠#実写作品|愛と誠]]』でデビューして10年が経ち、同作品のイメージが強く以降、[[箱入り娘|深窓の令嬢]]タイプの役しか来ず<ref name="キネ旬19831102"/>、自身は飛んだり跳ねたり車を運転したりするのが好きな性格で、自分の性格とは違うイメージを背負わされ手探り状態が続いたため、年齢的にも心機一転したい時期でもあり「"和製グロリア"を演じられるなら」と承諾した<ref name="キネ旬19831102"/>。にっかつの成人映画で、監督もスケベで鳴らす山城新伍のため<ref name="週刊現代1984010714"/>、早乙女も初ヌードとある程度の濡れ場は覚悟していたが「あそこまでやるとは思わなかった」と話している<ref name="週刊現代19841013"/>。
 
早乙女は1980年前後は「[[松坂慶子]]とただ2人の松竹専属女優」といわれていたが<ref>{{Cite journal | 和書 | author = | date = 1979年1月1日号 | title = 2年間の空白が目覚めさせたもの 女優への準備完了! あの早乙女愛が帰ってきた! | journal = [[週刊明星]] | publisher = [[集英社]] | pages = 216-217 }}</ref>、『[[週刊現代]]』1984年3月3日号に「山城と早乙女は同じ事務所」という記述が見られるため、早乙女は当時は松竹から移籍していたのかもしれない<ref name="週刊現代19840303">{{Cite journal | 和書 | journal = [[週刊現代]] | issue = 1984年3月3日号 | title =名取裕子・白都真理ら 脱ぎ脱ぎヒロインの仰天ボディ内緒話 | publisher = [[講談社]] | pages = 182–183頁 }}</ref>。早乙女の胸が大きいことはそれまで一般には知られておらず<ref name="unext"/><ref name="zakzak20100805"/><ref name="週刊現代19840303"/>、そのため本作での大胆ヌードは驚きもあり、多くのマスメディアに取り上げられた<ref name="週刊現代19840303"/>。[[おすぎ]]は「事務所が一緒だから山城は早乙女のデカパイを世間に見せたかったのではないか」と話している<ref name="週刊現代19840303"/>。
 
早乙女は度胸よく脱いだことでこれ以降、各社オファーが殺到したが<ref name="週刊現代19841013"/>、それまでのお嬢さん役は全く来なくなった<ref name="週刊平凡19841026"/>。しかしほどなく結婚し、映画出演は減った。
 
== リメイク ==