「燃料被覆管」の版間の差分

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=== ジルコニウム合金(ジルカロイ) ===
[[ジルコニウム]]は金属元素中で最小の中性子吸収断面積が最小でをもつ[[ジルコニウム]]を主成分として[[スズ]]・[[鉄]]・[[クロム]]・[[ニオブ]]などを含ませ添加した合金である。現在、実用されているのはジルコニウムに、スズ・鉄・ニッケル・クロムなどが含まれている「ジルカロイ-2」と、スズ・鉄・クロムなどが含まれている「ジルカロイ-4」である。燃料被覆材としては非常に優れた特性を有するため、現在多くの軽水炉(ジルカロイ2は沸騰水型軽水炉、ジルカロイ4は加圧水型軽水炉)で利用されている。
 
中性子の吸収が少ないのはジルコニウムの特性で、鉄、スズ、クロムなどの材質は、ジルコニウムの耐食性を向上させるために加えられる。なお、核燃料の高燃焼度化対応として、加圧水型軽水炉の被覆管では、スズの量をジルカロイ4の規格値よりも減らし、ニオブを加えた新しい合金が実用化されている。軽水炉に使用する被覆管については、化学分析、外観、内径・外径・肉厚、結晶粒度、水素化物方向係数(Fn値)、引張強度等が検査されて規格に適合したものが使用される。被覆管は、[[燃料ペレット]]およびバネを入れた後、内部にヘリウムガスを入れて、上下に端栓を溶接して[[燃料棒]]にする。[[燃料棒]]は、放射線透過試験(端栓の溶接部に欠陥がないことの確認等)、超音波探傷(被覆管自体に欠陥がないことの確認等)、渦電流探傷、内部に封入したヘリウムのリークがないことの確認のための検査が行われる。