「ダンス・ミュージック」の版間の差分

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==== あらゆる時代の世界各国の音源の発掘とインターネット発の音楽の登場(2010年代~) ====
2000年代末にインターネットで気軽に音声や動画の公開が行えるようになり、Webサイトへの情報記載やSNSにおける情報交換も活発になると、音楽的な意味では時間的にも空間的にも隔たりは殆ど無くなった。その結果として、良くも悪くもではあるが、世界各国の新曲は当然の事ながら、誰もが過去の名曲も聴けるようになり、人々の趣味趣向は極めて多様化して行った。そのような生活スタイルの変化の中で、2010年に[[ヴェイパーウェイヴ]]という音楽が登場した。ヴェイパーウェイヴは、音楽史上初となる純粋なインターネット発の音楽ジャンルであり、古今東西問わずネットで収集した素材をコラージュする[[ミュジーク・コンクレート|ミュージックコンクレート]]を基盤として、ダンスミュージックの形式を部分的に借りた、単一のPCのみで制作されることが多いネット音楽である。この[[ヴェイパーウェイヴ]]には、ダンスミュージックの現場とは全く関わりがない者たちが、殆ど自宅のみの音楽体験で制作を開始し、制作者自身は表舞台への露出を嫌うという、[[インターネット]]時代特有の背景があり、他の全ての音楽ジャンルと出自を全く異にしている。ヴェイパーウェイヴは大量消費社会や音楽の作品性自体を風刺することが主目的で制作され、スーパーのBGMやCMや80年代の音楽と言った、現在では商品価値の低い音源を素材として幻想的に加工した上でコラージュする。また、インターネット発の音楽であるにも関わらず、アナログ全盛の時代に大量消費されて忘れ去られたメディアと化したカセットテープで作品をリリースするなど、時代に対する風刺も込めた奇妙なアナログ感覚も持ち併せている。ヴェイパーウェイヴでコラージュする素材として1980年代~1990年代の日本の大衆文化が盛んに引用されたことで、2010年代中盤からは1970年代末~1980年代初頭の日本で制作された[[シティ・ポップ]](竹内まりや,山下達郎,角松敏生,大貫妙子などの作品群)が世界各国のDJの耳に届き、世界中で注目されるようになった。結果として、ヴェイパーウェイヴ以外のジャンルのDJにもシティ・ポップが[[レア・グルーヴ]]として重宝されるようになり、海外の音楽マニアが来日してシティ・ポップ関連のレコードを買い集めるようになるなど、海外の文化に憧れた日本国内のミュージシャンによりガラパゴス的に制作され、世界では全く通用しないと日本国内では思われていたシティ・ポップが、逆に世界の最先端の音楽文化に大きな影響を与えるようになった。その過程で、[[ヴェイパーウェイヴ]]は様々膨大なサブジャンルへの派生を繰り返して行ったが、[[2017年]]にはヴェイパーウェイヴからの更なる大きな発展として、Dubstepの以来の発明と目されるベースミュージックであるWaveというジャンルが出現したとされている<ref>{{Cite web|title=Dubstep以来の発明?今、UKで躍進する新ジャンル「Wave」とは? {{!}} block.fm|url=https://block.fm/news/wave_new_genre|website=block.fm|accessdate=2019-04-09}}</ref>。Waveの代表的な制作者達は、純粋なネット発の音楽ジャンルが現実のクラブで通用していない現状を目にしており、ネットから現実世界への波及を意味する「URL to IRL」をスローガンに掲げている。UKで活動する作曲家が意図的に広めようとしている新しいジャンルのため未だにWaveが真の意味でダンスミュージックの新しい流行であるか定かではないが、2018年には日本でもディーン・フジオカがWaveを世界基準の音楽と公言しており、実際にJ-POP化して商業展開している。
 
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